18日に幕を閉じたFIFAクラブワールドカップ。18日の決勝の視聴率は東京地区で26%台というのにも驚きましたし、鹿島アントラーズの善戦ぶりにも驚きました。例年にない盛り上がり方だったことは確かだったようです。

2005年に今の形でスタートしたクラブワールドカップでヨーロッパ、南米代表以外で決勝に残ったのは今回のアントラーズで2例目、アジア勢では初めてでした。2007年にアジア代表として浦和レッズが出場したのが日本勢最初の出場になりました。その年に放送されたテレビ番組で、サッカー通のタレント・明石家さんまさんは「そんなに簡単に勝てるものじゃない」と日本勢の躍進には否定的な見方をしていました。確かにヨーロッパ・南米はもちろん、アフリカ、中米にも100年近い歴史を持つクラブがたくさんある。そんな中でプロとして15年も活動していないチームがメダル獲得どころか1勝することも難しいと考えるのも不思議ではありません。そんなレッズがアジア勢初の銅メダルを獲得に至ったときにはさんまさんは言葉を失っていたように見えました。それから9年たってアジア初の銀メダルをあのレアルマドリード相手に手にしたんです。

なぜ、アントラーズがあそこまでやれたかと思えば、やっぱり自分を見失うことがなかったからでしょうか。浮足立つことなく、相手がガンガン攻撃を仕掛けていても落ち着いて守り、攻め時になったらスパッと切り替えることができたのが間違いなく要因になったのでしょう。それに「ジーコ精神」というものもあります。「あきらめない感覚」と簡単に表現されることがありますが、「笛が聞こえるまで動きを止めるな」という感覚。自分で勝手に判断するなということなんだと思います。それこそ、日本サッカーに大事なものなのかなとも思ってきました。この銀メダルはきっと、これからの日本のサッカーに何かしらのきっかけを与えてくれるはずと信じています。

では、また次回です。
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サッカーというのは相撲や野球以上に判定が微妙になるもの。そんなサッカーにビデオ判定が導入されました。クラブワールドカップで日本初お目見えになりましたが、何とも受け入れられるのに時間がかかりそうな気がします。

14日に行われた鹿島アントラーズとアトレチコナシオナル(南米=コロンビア)との準決勝のこと。前半30分の手前、アントラーズの小笠原選手が普通にスローインでリスタートしようとしたところ、レフェリーが両手の指で四角の形を描いて「ビデオ判定させて」とアピール。少し前にあったアトレチコ陣内の競り合いで、アトレチコの選手にPKにつながるファウルがあったかどうか、向こう正面にいた役員が持っていたモニターを見て、なんとPKを宣告しました。アトレチコ側はたまったものではありません。PKにつながるファウルがあったとは認めることなくレフェリーの近くにいた選手が束になって詰め寄ります。そんなこともあって試合はなかなか再開できず、前半のロスタイムは3分とられてしまいました。

サッカーでのビデオ判定は見た目の感じ大相撲に似ているような気がします。行司の判定が微妙に見えて物言いがつき、勝負審判たちが土俵に上がると、審判長が無線でビデオ室の役員に状況を聞く。そんな雰囲気に似ています。ただ、ビデオ判定が自分たちに不利に働いたチームの選手がレフェリーに詰め寄ったように、審判長がビデオ室に状況を聞いているときに自分が不利な判定になりそうに思った力士が審判長に詰め寄るなんてことはありませんが。

アメフトならホイッスルが吹かれた途端に判定を不服とするチームの監督が「チャレンジ」を要求するため所定の布をレフェリーめがけて投げ込みますが、サッカーの場合はレフェリーが自分の判定に確信が持てないときにビデオ室にいる役員に無線で状況を確認してもらい、それでもだめなら向こう正面のモニターへという流れ。監督なり選手が異議を唱えてビデオ判定に持ち込ますようなものではないようです。「チャレンジ」なら「よし、そこを見よう」とピンポイントに検証できるし、異議が通らなかった場合でもある程度納得できるでしょうが、この判定方法だといらいらが残りそうな気がします。

時計がしょっちゅう止まるアメフトとか、プレーの区切りが分かりやすい野球やバレーボールと違って、サッカーはプレーの区切りがわかりにくいので「チャレンジ」のような方式の異議申し立てからのビデオ判定というのは馴染みにくいかもしれませんが、少なくてもピッチ周りにいる人たちが納得できるような、スムースに試合を進められるような、ビデオ判定ができるようにしてほしいですね。

では、また次回です。

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Jリーグチャンピオンシップは鹿島アントラーズが金崎選手の2ゴールで浦和レッズを逆転して7年ぶりの優勝を収めて幕を閉じました。そうなるとやはり、すっきりしない人たちはたくさんいるようです。

年間勝ち点は3位で1位だったレッズと勝ち星5つ分もの差をつけられていましたから、たった2試合のスコアでひっくり返したアントラーズは勝負強い、チャンピオンシップでの経験が豊富だからさすがだなって思います。ただ、レッズの立場からすると、勝ち点15もの差をつけていた相手に逆転負けを喫すること自体屈辱的だし、年間勝ち点1位だからこそ当然チャンピオンシップで勝つべきという思いもありましたからこの屈辱は簡単には受け入れられない。でも、こういうシステムで勝ち上がらないとみんな認めてくれないという思いが選手の中には強い。それを知るとまた胸がいっぱいになります。

チャンピオンシップで年間優勝を決めるルール自体を批判する論調も多くありました。プレーオフを経てチャンピオンを決めるのはさしづめアメリカンスタイルとでもいうべきでしょうか? NFL、NBA、NHL、MLB、そしてMLSも、レギュラーシーズンの上位チームでプレーオフをやって年間優勝を決めます。アメリカは国土があまりに大きいからこのプレーオフの形ができたのもあるでしょう。最後まで勝負がわからないような仕掛けで盛り上がるのがアメリカ人は好きだから認められている部分もあるでしょう。日本人もあきらめず頑張って逆転したという展開に拍手を送る国民性というものがあるからか、プロ野球のパリーグプレーオフやクライマックスシリーズが盛り上がったのかもしれません。しかし、サッカーはホームアンドアウェイの連続で成績を積み重ねたチームこそ称賛されるというヨーロッパ的な色合いが強いもの。サッカーでアメリカンスタイルを導入している国は多くないそうです。だから批判が多くなっているのでしょうか? 来年からJリーグは元の通年性に戻ります。実績を積み重ねた方が強いというヨーロッパスタイルがやっぱりサッカーには似合うのかもしれません。

では、また次回です。
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2016年の大相撲は九州場所が終わり、あとは冬巡業を残すのみになりました。本場所90日間の成績で争う年間最多勝は稀勢の里。綱取りへのチャレンジがありながらも優勝は0回なのに年間最多勝とは、Jリーグでステージ優勝できなくても年間勝ち点は1位になるようなものでしょうか。まぁ、今年は本場所の優勝者が5人出たという混沌とした状況でしたからね。

九州場所終了後の横綱審議委員会でも、稀勢の里の今年の戦いぶりを不思議がる意見が続出したそうです。九州場所で3横綱連破したのに平幕に敗れて優勝がフイになってしまいました。綱取り挑戦でもノープレッシャーの下位力士にあっさり敗れてしまうもろさが何度も問題視されてきました。「日本出身横綱になるためには負けるわけにはいかない」という稀勢の里のプレッシャーはノープレッシャーの下位力士を楽にさせてしまう力が起きるというのは本当に不思議なものです。

若貴のような非凡な精神力はどうすれば得られるものでしょうか? 稀勢の里に同じような精神力が必要と言い切ることはできないかもしれませんが、優勝争いを勝ち抜くサバイバル力がまずは必要なのは明白。漁夫の利を得るような展開でなければ優勝できないなんて言われてしまうと困りものです。自分の相撲を貫き通して圧倒的な強さを見せることを期待してやみません。
では、また次回です。
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