8月5日のサッカーから競技が始まるリオデジャネイロオリンピック。その直前にふってわいたのがロシアの集団ドーピング問題でした。国際アンチドーピング機関としてはロシア選手団すべてを締め出すべしとしましたが、IOCが出した結論は「ドーピングをしていないことを間違いなく立証できた人なら参加してもいい」ということになりました。

これが一番の着地点だと思います。一網打尽で締め出すよりも、間違いがないことを客観的に立証できたならば胸を張って戦いの場に立てばいい。やる方に立つ人たちの意見も大体そのあたりで一致しているようで、日本レスリング協会の会長は「ドーピングやっていない人ならどうぞ」というくらいです。

アンチドーピング機関がクロと言ってしまえば、IOCはそれを逆らうわけにはいかないという意見を持つ人は「連帯責任を取らせるべき」と主張しているように見えます。煙草を吸った未成年の部員の責任を部員全員でとるような、高校野球の論理をかざすようにも見えますが、高校野球の場合は制裁措置で対外試合への出場停止が下される場合もあれば、対外試合を自粛することもあるわけで、ケース・バイ・ケースなんです。

現実的にそうせざるを得ないという状況にもあるようです。もし一網打尽にロシア選手団を締め出したら、IOCを相手取りロシア選手団の選手がこれでもかと裁判を起こす可能性があるというんです。現に、一部の選手がヨーロッパ人権裁判所にもう訴えているそうです。訴訟額が天文学的な金額になるかもしれません。そうなってしまうと、オリンピックそのものの危機になってしまうかもしれません。

それでは、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
プロ野球は18日からリーグ後半戦に入りますが、コリジョンルールの再考についてはひとまず継続審議になったとか。一朝一夕にはやはりいきません。

コリジョンルールの扱い方で問題になっているのは、衝突防止ではなくて守備側がランナーの進路を阻むことを主眼においていることのようです。普通のクロスプレーが守備側の反則になっているケースが多くなっている印象があるみたいですね。こういう事態で思い出すのが危険球の問題です。頭にボールが当たれば投げたピッチャーは誰でも退場というのが問題視され、バッターが倒れこむようなデッドボールならばピッチャーは退場というふうに段階的に扱われるようになりました。

そもそも、コリジョンルールは「衝突禁止ルール」と訳されているものだし、清原和博元選手のような大男にキャッチャーが突き飛ばされてケガするのが問題視されたのがきっかけでできたルールであるはず。だから、危険球のときのようにキャッチャーの身体が傷むようなタックルがあったらルール適用というくらいで運用すればいいのではないでしょうか。

サッカーでもJ1セカンドステージからPKにつながるファウルに対するカードの出し方(イエローかレッドか)が弾力的になりました。シミュレーションになるような攻撃側に責任を求める場合はともかく、守備側の選手が攻撃側の選手を手ではたきおとしたとしても、状況的に仕方がないとレフェリーが判断すればレッドカードでなくてイエローカードにとどめることができるというものです。「三重苦解消」と俗に言われているものですが、これも明確な定義づけがされていないんです。こちらもベストな方法を見つけるのに時間がかかりそうです。

では、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
こういう決断、どこぞの国の元首か世界的な影響力を持つ大企業のトップの引き際に通じるようなものがあるのでしょうか? サッカーのコパアメリカ・南米選手権でチリに敗れて優勝を逃したアルゼンチン代表のリオネルメッシ選手が代表引退を示唆しているというんです。
 
メッシ選手はワールドカップでもコパアメリカでも母国を優勝に導けなかったことを重く受け止めて代表引退を決断したと報道されています。それに対して国民はもとより国の大統領まで「思いとどまるように」と呼びかけているとか。勝負をかけた選挙に負けて「もはやこれまで」と退陣を表明する政治家の潔さにも通じるような気がします。ただ、国民の気持ちも理解できます。せめて、ワールドカップロシア大会までの2年間は保留してもいいのではないかと、個人的には思います。それで上向かなければ「もはやこれまで」と考えても遅くはないでしょう。2018年でもメッシ選手は30歳か31歳です。総決算というか、すべてをかける思いで準備をすれば、このラストチャンスはものにできるかもしれません。
 
しかし、国民どころか国の大統領まで代表引退を思いとどまってほしいといわれるメッシ選手は何とも幸せですね。いろいろ恵まれないところがあってスペインに渡らなければならなかったという苦境もありましたが、それでも世界的な名声を得たからこそ、国民はまた期待を寄せようという思いがあるのかもしれません。ベストな結論を導けるかどうかはわかりませんが、後悔がないような結論を期待したいです。
 
ところで、アルゼンチンはメッシ選手の問題以上に大きな問題を抱えているとか。すでに出場権を得ているリオオリンピックの代表メンバー18人を揃えられず、出場できなくなるかもしれないとか。監督も解任されてしまったため、どうなるかわからないそうです。

では、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
未知なる敵っているものなんですね。今回から本大会への参加国数が16から一気に24にまで増えたサッカーのEURO2016。スペインは3連覇がかなわなかったりイングランドが確実に勝てると思われていた相手に負けてしまったりして、決勝トーナメントに入って波乱が相次いでいるようです。
 
「大舞台で歴史的な初勝利!」と北アイルランドが騒いだと思えば、ワールドカップ予選やEUROのような大舞台とは到底無縁だろうと思っていた東欧の小国が奮闘している。本当に今回のEUROは今までと全然違う雰囲気になっていますね。ワールドカップなら身体能力が高いアフリカの国々が出場枠が増えるたびに輝きが増してきて「アフリカのサッカーってこんなにすごいんだ!」と「未知なる大陸」を目の当たりにしたような興奮感が確かにありました。でも、EUROはヨーロッパ選手権です。出場国が増えても「強い国は強いんだ」と威厳を示しておしまいになるかと思っていましたが、ワールドカップと同じような興奮を感じるなんて。
 
野球でいえば、中南米の国々がアマチュア限定だったオリンピックでアメリカや韓国をなぎ倒したときに「こんなにすごいのみたことない」とおどろきました。キューバのメジャー以上のパワフルさは特にそうです。木のバットでも衰えることなくWBCで日本と決勝で激戦を演じていますが、金属バットで打球をスタンドに突き刺す様は忘れられません。今のEUROでの感覚はそれに近いのかななんて思います。野球もなかなか強いブラジルにも最近は驚いていますが。今度はヨーロッパの野球に驚く番でしょうか?
 
では、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL

4件中 1~4件目を表示


1