史上最年少14歳2ヶ月の若さでプロ棋士に認定され、プロ初戦から公式戦29連勝の新記録も樹立した藤井聡太4段。一番下のランクからのスタートであってもこれはすごいことかもしれませんが、騒ぎ方がすごいなという印象もあります。

ボクシングでたとえるなら最低ランクの4ラウンドで一定数勝ち上がり、次のランクの6ラウンド、8ラウンドと進んで、まだ日本チャンピオンに挑戦する資格を得られていない感じでしょうか。ロンドン五輪の金メダルでプロでの飛び級デビューが認められた村田惣太選手は8ラウンドからでしたが、藤井4段にはそういう特例はないようです。ボクシングと将棋の競技上の性格に違いがありますが、今回の連勝フィーバーは比嘉大悟選手が13試合連続KOで世界チャンピオンになったような、村田選手が11連勝で世界挑戦にうって出たような騒ぎ方だなと思うところもあります。藤井4段はまだまだこれからの人。今度はボクシングで例えれば「最年少世界チャンピオン」と言えそうな「最年少タイトル」が目標になります。

そういえば、藤井4段の最初の相手は加藤一二三9段。元名人、そう「元世界チャンピオン」です。名人経験者といえども成績が低迷したら「リストラ」が待っています。棋士の定年は原則60歳という規定がありますが、加藤9段は77歳になった今まで一定の成績を残せていたので公式の対局に参加し続けてきました。しかし、藤井4段に敗れてリストラの崖っぷちにたたされ、その後の対局でも敗れて「引退勧告」がつきつけられました。ボクシングでもライセンス失効年齢、いわば定年がありますが、世界チャンピオン経験者ならある程度延ばすことができます。最近だと内藤大助さんにこの定年延長が適用されました。「ひふみん」の愛称で親しまれ、独特なキャラクターが注目されている加藤9段ですが、もしかして、具志堅用高さんや輪島功一さんみたいな世界チャンピオン経験者とひふみんがだぶって見えるなんて思う人、いるかもしれませんね。

では、また次回です。
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