FIFAワールドカップロシア大会はもう折り返しを迎えます。オリンピックは3週間弱という大会期間であっという間感があるものですが、大会期間が1ヶ月というワールドカップもそれなりにあっという間感があるのかなと思うところです。

そんな大会で注目をいろいろな意味で集めているのが「VAR」。ビデオアシスタントレフリーといいます。今回の大会の場合、モスクワにある拠点に各会場の映像が集約され、各試合毎の担当者がその映像を見て主審に無線で助言し、場合によっては主審が映像を見て判定を確定させるというものです。日本的にいえば、大相撲のビデオ係の審判が「足が出た。勝負ありでしょ」と土俵下の勝負審判に手を挙げるように促すような感じでしょうか。ビデオ判定というと野球やバレーボールのチャレンジ制度を思い浮かべるでしょうが、VARでは戦っている選手や監督が判定の見直しを要求することはできません。スポーツライターの生島淳さんはチャレンジ制度とVARを比較して「VARはチャレンジ制度よりも主審の判断を尊重する制度」と説明していましたが、その説明で腑に落ちた感じがしました。サッカーはアメフトやバレーボールと違ってなかなかプレーが止まらないし、ファウルがあってもファウルを被った方が不利になるならアドバンテージとしてファウルを受け流すようなこともある。そういう性格から考えると主審の考えを尊重した方がいいのかなと。

でも、もしチャレンジ制度がサッカーで導入されると結果が変わってくるかもしれないし、劇的な展開がたくさん見られるのかなとも思うところもあります。主審がPKと判定したのに「ペナルティエリアの外のファウルだからPKにならない」と選手が主張してビデオを見たらPKなしになったなんてこともあるかもしれないし、キーパーがボールをつかんだ位置がゴールになる位置だったから点が入ったと思ったら「ゴールじゃない!」とキーパーが主張して…ということもあるかもしれません。やる方としてはたまったものではないでしょうが、見る方にはこういう劇的な瞬間を期待してしまうところもあるのではないでしょうか。やるとしたらこんなかんじでしょうか?
・要求できるのは監督のみ。要求は第4の審判にして、その意思を主審に伝える
・回数は前後半2回ずつ。延長に入ったら別に前後半1回ずつ。
・主張が通れば回数は減らない。主張が通らなければ回数は減る

では、また次回です。
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FIFAワールドカップロシア大会が始まり1週間ほどが経ち、19日に参加32チームが一通り予選ラウンドの初戦を終えました。

日本は19日にコロンビアに2-1で勝ち、2大会ぶりに予選白星発進となりました。開始3分でハンドの反則でコロンビアの選手にレッドカードが出て、その上香川選手のPKで日本先制という考えのつかない出だしになりましたからもう何が起きてもおかしくないと思うまでにいたりました。セットプレーで追いつかれてさもありなんと受け流し、後半に大迫選手が勝ち越しゴールを決めたらまさか…と思うようなところもあって、そして勝ったときには偉いことになったなと驚いてしまいました。
私は民放ラジオの共同放送を聞いていましたが、解説の金田喜稔さんの興奮ぶりで日本のすごさを感じてしまいました。でも、周りを見ると、スマホのワンセグを見る人はいてもラジオを聞いているように見えた人はいなかったんですよね。なんだか寂しい気が。

さて、ワールドカップの日本の試合が近づくと全国各地の動物園や水族館で勝ち負けを動物が占うことがおなじみになりましたが、ワールドカップ以外ではあまりこういう話を聞かないような気がします。この前の平昌オリンピックのアイスホッケーやカーリングでこういうことが行われても不思議ではないと思うのですですけどね(オリンピックだと公認スポンサーと選手を送り出す自治体以外が便乗することを制限する動きがあるので難しいかもしれませんが)。野球のWBCでもそういうことを聞いた記憶がないです。やっぱりサッカーのワールドカップでやるからこそ注目されるし意味があるということでしょうか? まぁ、きっかけはドイツの水族館でワールドカップやEURO(ヨーロッパ選手権)の勝ち負けを占ったタコのパウルだから、ワールドカップでないと意味ないと言えるかもしれません。

では、また次回です。
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8月に行われる夏の甲子園は100回の記念大会になるということで、これまでになかった大型プロジェクトがいくつか立ち上がることになりました。

中でも注目されているのが
99の始球式プロジェクト。全国を9つのブロックに分けてそれぞれの地域で共通のボールを使った始球式をやり続け、最後の100回目の始球式を甲子園大会の初日にやるというもの。第1回大会優勝校のOBが会場の豊中グラウンドの跡地で投じたのを皮切りに、一部の地域ではもう始まっているようです。また、今後プロのOBも参加するプランもあるとか。

別な方向で注目されているのがテレビ中継をする各局の動き。地上波のダイジェスト番組とBSでの生中継を行うテレビ朝日系列は例年よりも1ヶ月以上早く番組キャラクターとイメージソングを発表しました。番組キャラクターを務めるのは人気男性アイドルグループ嵐の相葉雅紀さんで、嵐の新曲がイメージソングになります。この対応についてはやや冷ややかな見方が一部にあると週刊誌が報じています。「人気があるからと言って嵐を起用するか?」という疑問の声があるらしい。テレ朝なら「アメトーーク」の甲子園大好き芸人の面々を番組キャラクターにしたっていいじゃないかという見方があるからそういう疑問が上がるのかもしれません。

一方、NHKは高校野球放送で初めてイメージソングを流すことになったとか。福山雅治さんの新曲が起用されるそうです。また、事前番組で過去の名勝負・名選手をとりあげるために視聴者からのエピソード募集も始まったようです。NHKを毎日のように見ている、民放よりもNHKがいいと思っている視聴者にとって、このプロジェクトってどう映るでしょうか? 「You Tube」のコメント欄にはNHKのスポーツには定番のテーマ「スポーツショー行進曲」しか似合わないと言い切る書き込みもあるし、もっと言えば嵐だろうが福山だろうがタイアップソングなんてスポーツに必要ない、原理原則に徹して古来からの各局のスポーツテーマ曲を使っていればいい、という風に考えている人が結構いるんです。曲にとどまらずプロジェクト全体が浮き足立っているように見ている人もいるのではないかとも思います。

記念大会と言っても普通に試合をして、普通に試合を中継して、普通にテレビを見れば良い。本質的に高校野球を楽しみたい人はそう思うでしょう。でも、100回の記念大会らしい何かがあってもいいじゃないかという気もするんですよね。盛り上がり方はワールドカップと同じくらいになるのかワールドカップ以上になるのか、100回目の夏の甲子園を楽しみにします。では、また次回です。
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FIFAワールドカップロシア大会まであと2週間を切りました。日本含め参加各国の代表メンバーが軒並み発表されています。日本のメンバーについてはいつもと違う方向でざわついているようですが。

予想通りの顔ぶれでサプライズはなかったというのが大方の見方で、若手の起用がなかったことに違和感を抱く人もあったようです。そこがざわつきの要因になっているようです。アジア予選で活躍して出場権獲得に大きく貢献した若手選手が切り捨てられ、コンディションの不安がささやかれている大物が残るのはいかがなものかとも言われていますが、スポンサーの圧力には抵抗できずに大物重用に傾くだろうという週刊誌の見解通りになったなと納得する部分もあります。西野監督は若手の切り捨てを経験重視の人選だったからと説明しているようですが、イキのいい若手が躍動してヨーロッパトップクラスのチームへの扉を開くのが楽しみだという人たちにはやっぱり物足りないと感じているでしょうか?

そういう見方をする人たちに寄り添うなら、2年後の東京オリンピックのためにも若手を登用しても良かったかなと思います。女子ならオリンピックに年齢制限がないから女子ワールドカップの代表メンバーから多少てこ入れしてオリンピック代表メンバーを決めれば良いですが、男子は基本的にU-23という年齢制限があるので同じ年代に先んじて世界の舞台を経験する人がいるべきだと思うんです。ましてや今度の東京大会はアジア予選免除ときています。だからこそ若手選手の登用が必要と感じるところがあるかもしれません。

人選を巡ってざわつきましたが、なかなか盛り上がらないような印象があるというジャーナリストの意見も聞こえてきます。大谷翔平選手の活躍や日大アメフト部の選手の反則行為に端を発した騒動がまだ収束しない(理事長が第三者委員会の調査が終わる7月下旬まで説明できないといわれているとか)ことが原因だと思いますが、考えてみれば平昌オリンピックも清宮フィーバーの前ではなかなか盛り上がらなかったのに始まった途端メダル続出もあって盛り上がったわけですから、本番での戦いぶりに期待するしかないのではないでしょうか。

では、また次回です。
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どちらにしようか迷っていましたがこの話を…ということで、一気に大関昇進まで駆け上がった栃ノ心についてお話を進めます。

初入幕からちょうど10年、60場所で大関昇進を果たした栃ノ心。5月30日に協会からの使者を迎えて昇進が正式に決定しました。特別かしこまった言葉を使わず、「親方の教えを守り力士の手本(と)なるように稽古に精進します」と素直な言葉で使者を前に決意を述べたように見えました。一時期親方に生活態度について激しく叱責され稽古が制限されたり膝の大けがで大きく番付を下げたりして、決して順風満帆ではなかったようですが、諦めずに戦い抜いて大関まで駆け上がりました。

データでも彼の不屈ぶりがいろいろと証明されています。
・一度三役に昇格も幕下55枚目まで転落した後に三役に番付を戻したのは戦後初
・三役に昇格も幕下まで転落した後に大関に昇進したのは昭和以降では琴風(現在の尾車親方)以来2人目
・初入幕から60場所での大関昇進は現在の6場所15日制が定着した1958年以降では増位山(現在の歌手・増位山大志郎さん)と並ぶ「最遅」タイ
・大関昇進までの3場所での通算勝ち星37勝は21世紀以降最多
逆境をここまで跳ね返してしまうということを考えるとポテンシャルは確かなものだと思います。ただ、これがゴールというわけではなくまだ横綱への道がつづいています。確固たるスタイルを得たことを強みにして横綱への道を突き進んで欲しいというものもあります。

ところで、新聞やテレビでは大関昇進、横綱昇進というときに四字熟語を使うかどうかを伝えたがっていますが、それって現在の貴乃花部屋のルーツにあたる藤島部屋の人たちが好んで使っていただけだろうと思うのは私だけでしょうか? 師匠の初代貴ノ花さんがそうしろと指示したという話を聞いたことはありませんが、四字熟語をつかいたがる空気は部屋にあったような気もします(「一生懸命」は一般的なフレーズだから「四字熟語使いました」感はありませんが)。

もう1つ迷ったテーマは例のアメフト問題ですが、これについては手短に。
選手は「言うこと聞かなければ後がない」という危機感があってありえない行動をとったのに、監督・コーチは「あいつ真に受けやがって」とせせら笑っているような構図が浮かんでいる気がします。そして、コーチと監督の間には忖度というか行間の読み合いが当たり前になっていることで恐怖支配が当たり前になっているような気もします。この主従関係が昔は当たり前だったかもしれませんが、対話を大事にする上下関係が重く考えられるような今はずれているのかもしれません。

では、また次回です。
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