21日に日本高校野球連盟の理事会が行われ、この春の県大会のローカルルールとして投手1人につき100球までという球数制限を採用することを発表した新潟県高野連に再検討を求める決議をしました。

大きな理由としては強豪校優位に触れる可能性があるからということ。部員数がある程度確保できてピッチャーをやりたい人がそれなりにいればいいけど、そうできない学校のほうが多いようでは…というわけです。日本高野連としては部員20人程度いれば100球の球数制限を回せると考えているようで、それを満たせる学校は全国の3割程度しかないとはじき出しています。チーム唯一のピッチャーがもし試合の途中で100球投げ切ってしまったら普段ピッチャーをしていない誰かをピッチャーに仕立てないといけなくなるわけで、甲子園が目標というより永遠の夢と思っている学校としては夢と考えることすらできなくなってしまうかもしれないと高野連は考えたのではないかと思います。だから「やるなら全国的に足並みをそろえてから」という提言に至ったのかもしれません。

肩やひじを酷使させるのを避けるための制度ということで球数制限をすべきという声はかなり前からありましたが、満遍なく浸透させるためのプロセスについてはあまり議論されてはいなかったのも確か。制度導入で恩恵を受けられる人が十分いないまま見切り発車でやってしまって「野球の魅力がそがれてしまった」とか「チームマネジメントが難しくなる」とか混乱が生じてしまったら元も子もありません。肩やひじを酷使させないためにどうするかという議論を行うための機関を設けるということなので、そこでの議論をまずは見てみたいです。なんというか、競技人口が多い種目で新しいことをやるのは本当に難しい気がします。

では、また次回です。
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12日に競泳の池江璃花子選手が白血病で闘病していることを本人のツイッターで公表したのを受け、日本全国を巻き込む大騒ぎになりました。「世界と対等に渡り合い勢い盛んな選手が突然こんな病に…そりゃぁもう大騒ぎさ!」といってしまえばそれまでかもしれません。ただ、その騒ぎ方が最近にないものになっているのが気になります。

白血病だということが明らかになった途端に骨髄バンクに登録するにはどうすればいいかという問い合わせや献血希望者が殺到しているとか。その一方で「支援を」とコメントしたタレントさんを「芸能人の傲慢」と糾弾する人が現れたり「これは試練かもしれない」と語ったキャスターに対して「あまりに軽率」という批判がネット上でザワついていたりするそうです。アンチがいない上に物凄い訴求力をもつ人が病床に伏せるようなことがあるとその病気についての興味が増してくるのは自然なことでしょう。でも、ただただ見守っているよりも何とかしてあげたいという気持ちにまでなる人がたくさん現れるようなケースは記憶にありません。

世界中の水泳業界関係者への衝撃も半端なかったようです。「ライバルが1人消えた。これはチャンスだ、シメシメ…」という下心は国内外の業界関係者に多少なりあるかもしれません。ただ、下心を忘れてしまうくらいの衝撃があったから「病気に打ち勝ってまたプールに帰ってこい」というメッセージの方が伝わってくるのだろうと思います。当事者がそういう思いに駆られている中、連続ドラマを見る感覚で競技を見ている身としては池江不在で自由形短距離やバタフライの勢力図がどう変わるか考えてしまうところですが、そういう行動が不謹慎に思われやしないか不安になってきました。

情報番組のコメンテーターとしても知られる内科医のおおたわ史絵さんは13日の「5時に夢中」(MXなど)で「一言に白血病と言っても種類がたくさんある。具体的な病状が公表されていない限り、池江選手の症状がどんなもので、どんな治療法があって、どれくらいの期間で復帰できるか、断定的なことは言えない。今は池江選手本人や周辺の人達が治療に専念するための環境を壊さないようにすることが重要。入院先を探ってパパラッチのように突撃取材することなど、あってはならない」とコメントしていました。積極的な支援ができないならこれくらいの配慮が妥当なのかなとも思っています。とにかく回復を望んでいることには変わりありません。

では、また次回です。
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マシントラブルで更新が遅くなりました。申し訳ありません。

1日に決勝が行われたサッカーのアジアカップで日本はカタールに1-4とまさかの大敗を喫しました。2022年に中東で初開催となるワールドカップに向けて強化を進めているカタールとしては3年後に弾みのつく優勝になるかもしれません(ワールドカップ前年に行われるリハーサル大会のコンフェデの出場権はどう扱われるのか気になります)。

中東の国々ではいろいろな形でスポーツを活用した国づくりを進めています。とりわけカタールは熱心です。2010年のアジア大会を成功させたりF1を中東で初めて招致したりして、ついには2022年ワールドカップ招致に至ったわけです。選手集めにもあの手この手を繰り出しています。カタールというのは国民の9割が外国出身者というお国柄ということもあってか、世界的に飛躍する期待できる逸材にカタールの国籍を取得させる動きがあります。今回優勝したサッカーの代表選手にもそういう形で国籍を取得した選手もいたとか。同じ中東のバーレーンではケニア出身のマラソン選手がバーレーンの国籍を取得してから成績を伸ばすようになって、世界の勢力図が大きく変化しています。

今回のアジアカップの舞台となったUAEではサッカーのクラブワールドカップをおととし、昨年と招致し、昨年の大会では地元のチームが見事銀メダルを獲得しました。そして毎年3月終わりか4月初めには世界的な競馬の祭典「ドバイワールドカップデー」が行われ、競馬先進地域のヨーロッパや日本の強豪が集まるようになりました。各部門の優勝賞金は世界最高水準で、日本のジャパンカップと双璧をなすまでになりました。首都のアブダビではF1も行われていますし、あらゆる種類の格闘技の大会「アブダビコンバット」も世界的な盛り上がりを見せています。21世紀は中東という場所もスポーツのホットスポットになるかもしれません。

では、また次回です。

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1月27日の夕方、NHKで大相撲初場所千秋楽が中継されている最中に「人気アイドルグループの嵐が来年いっぱいで活動を休止することをファンクラブ会員向けサイトで発表」と速報をうち、その日の夜にメンバー5人揃っての会見が行われました。特にNHKラジオでは夕方5時のニュースをこの日の全取組終了後に放送する予定でしたが、関脇・玉鷲の初優勝が確定したあととはいえ取組が2番残っている状態で速報をうつというドタバタぶりでした。

それにしても驚きました。2020年12月31日までということですから2年弱の猶予がありますが、活動休止という区切りへのカウントダウンが始まったわけです。去年9月に活動を終えた安室奈美恵さんの場合は「引退」へのカウントダウンは1年で経済効果は300億円といわれていましたが、嵐の場合は2年で500億円以上になるとか。他の周辺的なものを含めれば3000億円までに経済効果が膨らむという試算もあります。いやぁ、SMAPの解散や48グループの選抜総選挙での経済効果も足下に及ばないのではないかと。

2年という時間はスポンサーや放送局とのやりとりをスムースにできるようにするため、そしてファンへ感謝の気持ちをくまなく伝えるための時間と考えているとか。会見の中でこの時間設定について誠意に欠けるという指摘をした記者がいたことが話題になっていましたが、もしかしたら記者としては「安室ちゃんが引退までのカウントダウンで1年という時間を設定して十分な活動を出来たから2年のカウントダウンなんて長すぎる。活動休止の意思を翻意して芸能界全体を混乱に陥れるようなことがあったらどうするつもりか?」と考えていたのかなと思います。といっても、誠意を持って事細かに休止に至るまでのことを説明してくれたことで納得できた人が多かったのではないかなと。物騒な言い方をするならSMAPのようなハードランディングではなくソフトランディングできたのが良かったのかなと思います。

テリー伊藤さんは「これからも普通に嵐に接していればいい」とテレビ番組で発言していたそうです。私も同じ意見です。2020年12月31日がどんな日になるのか、とにかく迎えてみてから感じることでしょうから。

では、また次回です。
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