24日までの大相撲春場所で10勝あげ、直近3場所合計34勝で大関昇進ラインをクリアした貴景勝が27日、大関昇進を決めました。かつての師匠である貴乃花光司さんを上回る速さで大関に昇進し、貴乃花さんが横綱に昇進したときのように一度お預けになったあとに昇進を果たしたというのは何とも縁を感じます。

昇進伝達式では毎回口上がどんなものになるか注目されますが、今回の貴景勝の場合はいたって自然体だったように見えました。千秋楽の取組終了後に昇進に向けた手続きが始まったのを知ってから考えたといいますが、子どもから心の拠りどころにしていた言葉「武士道精神」と埼玉栄高校相撲部のスローガン「感謝」「思いやり」を盛り込んだ向上になりました。恩師の監督からは「やっぱり出たか」という言葉もありましたが、プロとしての心の拠り所を何も飾ることなく示すことでこれからの決意表明にしたのかもしれません。そういう心の拠りどころがあれば、四字熟語を何か入れようなんて考える必要もないし、そういう言葉を素直に出す方がファンに伝わっていいだろうと思うのは私だけではないでしょう。

来場所から新元号の下での大相撲となりますが、貴景勝は恐らく中心的な存在になるでしょう。ただ、横綱・白鵬は2020年までは少なくても現役でいることを公言していて、その上で千代の富士が達成した35歳での優勝も目標にしています。貴景勝と近い年齢の力士もたくさんいます。もしかしたら貴景勝に先を越されたと思った力士もいるかもしれません。平成以上に活発な大相撲界を期待してもいいでしょう。

では、また次回です
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20日・21日の2日にわたってMLB開幕シリーズが行われ、マリナーズ・イチロー選手の7年ぶりの凱旋も話題になっています。それに先駆け、17日と18日にNPBの巨人がマリナーズと、北海道日本ハムがアスレチックスとそれぞれ2連戦を行いました。プレシーズンゲームと銘打たれた試合ではありますが、普段の公式戦では得られない経験ができたかもしれません。

プレシーズンゲームはオープン戦と日本語で訳されるもので、メジャー陣営もNPB陣営も最終調整という位置づけでやるものではあります。ですが、若手選手としても主力選手としても、ビッグネームとガチンコ勝負ができることで普段以上の気合が入っていいプレーが見られるようになります。メジャー陣営も響くものを感じるのか、気合で応えてくれる雰囲気もあります。開幕してからのプレーでどう反映するかというのも楽しみになってきます。

プロ野球が絡む国際親善試合といえば、今回のようなMLB開幕シリーズの前座的にやるものか業務提携しているチーム同士で秋にやるものくらいで「オープン戦」といえるものですが、Jリーグではシーズン開幕前のプレシーズンマッチでやるものに加えておととしから「Jリーグワールドチャレンジ」という大会も加わりました。ヨーロッパの強豪とJリーグで上位を争うチームが対戦するものではありますが、あまり詳しくない人からするとプレシーズンマッチと同じような「オープン戦」みたいなものと思われるかもしれません。ですが、ヨーロッパのビッグクラブとしてはアジア圏での更なるビジネスチャンスをつかむためにとトップ選手を惜しげもなくつぎ込むので真剣勝負の色合いが強くなってきます。集客力も代表戦ほどではないにしてもかなりのものがあるということで、夏の恒例行事として定着してきています。プロ野球でもMLB公式戦の日本開催のありなしに関係なく、毎年秋にでも「NPBインターナショナルチャレンジ」とでも銘打ってやってみてはいかがでしょうか? 今回のMLB開幕シリーズのようにセ・パ代表1球団とメジャーの2球団が参加するような形で。

では、また次回です。
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MGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)の出場権をめぐる戦いが10日に大方終えました。これまで男子が30人、女子が14人それぞれ出場権を獲得していますが、4月までに世界記録が認定されるレースに出て一定要件を満たす結果を出せれば人数が増えるとか。

おととしの夏から始まったMGCですが、素人目に見てもかなりの成果があったかと思います。世界選手権でもオリンピックでも、一応の目安を出しても最後は選考レースでどれだけインパクトを与えたかどうかという話になっていましたが、要件を満たせば着実に目標に近づけるようになる仕組みはやる方にしても見る方にしてもスッキリするものとなりました。先駆けとなったのは競泳。選考会の決勝で2位以内になりかつタイムの要件をクリアしなければいくら実績豊富でも代表権確保はできないというルールが定着しました。これを見習ったかどうかはわかりませんが、やる方のモチベーションも見る方の興味も例年以上のものになったかもしれません。

見る方のリスクはあるかどうかわかりませんが、やる方のリスクとして心配なのは「使い詰め」。6週間でフルマラソン2戦というのは、川内優輝選手のような市民ランナー上がりで「練習はレースですればいい」という主義の人ではない限り選ばないやり方ですが、何とかしてMGCの権利を得ようと血眼になる陣営がそういうやり方をとるようになっています。9月に行われるMGC本番に悪い影響を与えてしまわないか心配なところもあります。まぁ、これをきっかけに使い詰めでも体力的なダメージが小さく済むようなやり方が見つかればいいですが。

では、また次回です。
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バスケットボールの男子日本代表が2月24日にワールドカップへの出場権を獲得し、東京オリンピックの推薦枠確保に前進したと大きな話題になっています。2リーグ分立を良しとしない国際バスケ連盟が代表戦を組ませない措置をとる異例の事態から見事に立て直したことも注目されています。

日本バスケ協会が提示したプロリーグ構想に反発したチームが日本リーグから脱退してbjリーグを旗揚げしたことに端を発した2リーグ分立。新日本からUWF、全日本からノアと、本家のやり方に反発して別の団体を旗揚げするプロレス界のように見えました。プロレス界もバスケ界も分立直後は交流する余地はまるでありませんでした。バスケ界では「bjリーグのチームと関わらないように」と都道府県のバスケ協会からバスケ教室などのイベント企画をする団体などにお達しがあったというし、プロレスではノアと全日本がほぼ絶縁状態になっていたといいます。しかし、徐々に雪解けが進んで団体間の交流が進んでいきました。そして、バスケ界はBリーグで再度統一を果たし、プロレス界も団体対抗戦や他団体の選手に門戸を開いたトーナメント大会を開催するようになりました。

女子バスケの方はアジア最強を常に争う位置にいるため、男子と違い「安パイ」にならないホスト国と考えられていました。ただ、男子の一連の動きが女子の足を引っ張るようなことになりかねないとも言われていました。ここは妄想ですが、プロレス的に言えば「こんなていたらくがいつまでも続いていたら天国の力道山先生に申し訳ない」という思いが働いたのかもしれません。それが実って、男子の立て直しに成功したので女子の方も推薦枠を得るのは確実となりそうです。1つになることは確かにすごいことです。

では、また次回です。
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将棋の女流名人戦で里見香奈名人が2月18日までに挑戦者伊藤沙恵女流2段を3勝1敗で破り、「V10」を達成したことが将棋界で大きな話題になっているとか。しかし、記事にあった表を見てみるとタイトル奪取したあと9連続防衛に成功したということ。つまりこれ、ボクシング的に言えば「V9」となるわけです。

将棋の「V」の回数の数え方ってボクシングやプロレスと違うところがいろいろあって興味深いです。ボクシングでもプロレスでもチャンピオンにタイトルマッチで勝つか該当者なしの状態を脱するための王座決定戦に勝つかすれば新チャンピオンになりますが、この時はまだ「V1」ではありません。その後の最初の防衛戦に勝って初めて「V1」となります。その後防衛を連続で重ねていけば「V」の回数は増えていき、敗れてベルトを失えばその数は止まります。その後ベルトを奪還できてもまた「V」の回数は振り出しに戻ります。プロレスだと通算成績を集計するためにベルト獲得回数を数えることがありますが、それはあくまでも奪取した回数のみ数えるのであって防衛回数を足すことはありません。ただ、将棋だとタイトル奪取回数も防衛回数も一緒にカウントして「タイトル獲得○期」と表現しています。

藤井聡太7段が8段になるための条件として「7段で通算190勝」「竜王位奪取(防衛できなくても可)」とともに「タイトル獲得2期」というものがあります。これ、ボクシングやプロレスなら「ベルトを奪取してその後2度防衛」と受け取られるでしょうが、将棋の場合は「タイトル奪取後防衛1回」でも「2つのタイトルを奪取」でも「1度タイトルを失った後に奪回」でもありなんです。ボクシングやプロレスは現状の強さを求めるのに対して将棋は実績の積み重ねが求められるのではと考えています。リストラ規定に引っ掛からなければ加藤一二三さんみたいに76歳まで現役でいられるというシステムもあるわけだし。

では、また次回です。
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