26日の大相撲夏場所千秋楽。アメリカのトランプ大統領夫妻が安倍総理夫妻とともに観戦し、前の日に優勝が確定していた朝乃山に大統領杯を授与したのが大きな話題になりました。ただ、当事者やファンの間では不評だった部分がいくつもあったとか。

まず入場。通常の手荷物検査に加えて金属探知機を使った検査をしたり、ペットボトルや瓶の持ち込みを禁止したために紙パックに入った飲み物が変なものでないことを証明するために警備員に飲んで見せたりしたため普段以上に入場に時間がかかってしまったそうです。トランプ大統領はともかく総理来場となるとこれくらいのことはあり得ると思っていましたが、ここまで大騒ぎになるとは思ってもいませんでした。2015年6月に東京ドームで巨人-広島戦に先立ち安倍総理が巨人の長嶋茂雄終身名誉監督と松井秀喜さんに国民栄誉賞を贈るセレモニーが行われるためこれと同じくらい大掛かりな手荷物検査がありましたが、巨人軍が当日の朝刊やウェブで時間に余裕をもって来場するよう呼びかけたためこのときは大騒ぎにはなりませんでした。

そして取組進行。これが一番不評を買った部分のようです。本来の予定では幕内の残り3番に合わせて大統領と総理が来場する予定だったのが到着が早まり2番前倒しして入場。入場から正面升席に取り付けたソファーに着席するまでの間、7分も取組が中断してしまいました。土俵に上がるはずだった力士がその間土俵下で待たされたため、ある力士は「集中力を削がれた」と困惑していたとか。午前のゴルフをハーフで終わらせて幕内前半終了の勝負審判交代の中断時間を使って入場していれば力士の集中力が削がれることはないだろうしファンの興味に水差すようなこともなかったかもしれません。ただ、座布団を投げて大統領や総理にぶつかるようなことがなかったのはよかったですが。

升席の仕切り枠を取り払うようなことができるとは思ってもいませんでしたが、周りの観客が見えなくなってしまうことを想定してのケアもしておかないといけないのではないかとも思うところもあります。今後に向けてどう対策をとるのか気になります。

では、また次回です。
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他山の石というのか、今回をきっかけに早い対処ができたのが何よりというのか。17日に行われたJ1第12節・浦和レッズ湘南ベルマーレ戦で誤審が起きてしまいました。

前半31分にベルマーレの杉岡選手が放ったシュートがゴールの右内側のサイドネットに突き刺さってゴールが決まったように見えたのが、副審はゴールの右から左へと両端のゴールポストに当たってゴールラインを越えないうちにキーパーが拾ったと判断しました。そのため主審は笛を吹いて試合を止めることはありませんでした。しかし、ゴールを許したと思ったレッズのGK西川選手はリスタートのためにボールを拾い上げ手で投げてしまいましたし、ベルマーレのちょう監督らは「入っているだろう」と審判団に抗議したり…と混乱してしまいました。元審判の方がサッカー情報専門サイトで語ったのを見てみると、どうやら副審としては「入ってない」と思い込みをしやすい当たりだったそう。ただ、次のプレーが止まった時に主審が副審と第4の審判を集めて話し合って確認した方が混乱しなかったのではとも付け加えています。

何度も言いますが、バレーボール、テニス、野球、アメフトなどのように頻繁にプレーが止まるわけではないのでチャレンジシステム(プロ野球でいうところの「リクエスト」)をそっくりそのまま導入できないかもしれませんが、国際大会で一般的になっているVARとゴールラインテクノロジー(シュートが決まったのを主審が身に着けている端末に知らせる)をJリーグにも導入することはできるかもしれません。ただ、J1からJ3までくまなく導入するには何億ものお金がかかるし、設備を整える工事が必要になるとすると簡単にはいきません。ですが、Jリーグは8月から試合を裁く審判員を増やす方向で調整を進めているそうです。どこを増やすかというとゴールの真裏でシュートが決まったかどうかを判断する追加副審。つまり6人制にするわけです。そして主審と副審は2週間の出場停止処分を受けたそうです。少しでも間違いが起こらないようにするため、すぐにできることを取り組むことは誠意の現れと思い、期待します。シーズンが終わるまで待つことが当たり前な感があるプロ野球よりも対応が早いような気がするし。

では、また次回です。
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中央競馬は6月下旬までGⅠが続き上半期のクライマックスと言える時期ですが、特に5月は重要な大レースが組まれます。そんな中で5月後半のGⅠの優勝争いを大きく左右するような出来事が5日に起きてしまいました。

2000m以上の距離適性がない3歳馬が目指すGⅠ・NHKマイルカップで、圧倒的な1番人気に推されたグランアレグリアに騎乗したクリストフ・ルメール騎手がゴール直前でほかの馬の進路を妨害したとして5着に降着となりました(実際は4番目でゴール)。ルメール騎手は3月にも同じような妨害行為をはたらいて2週間の騎乗停止処分を受けていたため、JRAの規定(加重制裁)により3週間の騎乗停止処分を受けることになりました。騎乗できない期間中にはGⅠの中でも特に重要と考えられているオークスと日本ダービーが行われ、ルメール騎手はいずれのレースでも有力馬に騎乗する予定があったため勢力図が変わるだろうかと気になっているファンが少なからずいるようです。

進路妨害による降着、失格は5年ほど前の制度改正で大幅に減っているようです。昭和の頃は他の誰かの進路を妨害したら即刻失格で着順繰り上げ、平成になれば被害を受けた馬の次の着順まで降着というというのが当たり前になっていました。しかし、現在のルールでは進路妨害を受けた馬がもし妨害を受けなかったら着順を逆転できただろうと判断されたところで、初めて進路妨害した馬が降着になります。4月の皐月賞ではトップでゴールしたルメール騎手騎乗のサートゥルナーリアが2番目にゴールしたヴェロックスの進路を妨害したのではないかと審議されましたが、ヴェロックスは進路妨害がなくても逆転できないと判断されたため降着なしとなりました。この判断が下ったとき会場は騒然としていたようです。

ルール改正で降着が減ったのを世界標準に追いついたと評価する人もいれば、世界的に高いといわれる日本競馬のフェアプレーに対する意識が低下してしまうのではないかと不安を口にする人もいます。ちょっとでもおかしな進路の取り方をする騎手がいたら会場にいる観客がざわつくことが今もあります。馬券的に自分の思い通りにならないことへの当てつけもあるかもしれませんが、まだこういう光景があるのは日本競馬のフェアプレー意識が高いことの証拠ではないでしょうか。

では、また次回です。
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UEFAチャンピオンズリーグ、いつの間にか佳境に差し掛かっていたんですね。それも大変なことになっているようで。

4連覇を目指したレアルマドリードが早々敗れ、バルセロナはまさかの逆転負けでベスト4どまり。そのバルセロナを破ってイングランドのリバプールが決勝に勝ち進みました。「スクールウォーズ」の滝沢先生のように誰にはばかることもなく涙を流し、選手を鼓舞し続けたベニテス監督(岡崎選手がいるレスターを率いてチーム創設から100年以上経て初めて優勝した監督でもある)が率いてACミランを破って優勝して以来14年ぶりの決勝進出だったんです。ウェイン・ルーニーやスティーブン・ジェラードといったイングランド代表の常連が中心になって全盛期を迎えていたころでしたが、その後はチェルシーやマンチェスターシティのように湯水のごとくお金を投じて大物を獲得したチームが幅を利かせたおかげで低迷期に陥っていました。決勝はオランダのアヤックスとイングランドのトットナムの勝者との対戦になります。14年前は3点ビハインドを追いついてPKに持ち込んで優勝に至ったとか。果たして今回は…。

とはいっても、今シーズンのチャンピオンズリーグ、何となく遠くのものになっている印象があるんですよね。やっぱりテレビでの露出が少なくなり放送がDAZN中心になってしまったからでしょうか? 一時期は試合日が来るごとに地上波でもダイジェスト番組が放送されていてチャンピオンズリーグの存在がぐっと近くなった印象があります。ただ、DAZN中心になるとテレビの情報番組で使える時間がスカパー!放送時より少なくなり、ダイジェスト番組もなくなって…で。DAZNにも魅力があるのはわかりますが、何となく遠く感じてしまいます。テニスでも錦織圭選手の試合はBS・CSでも放送できる状況ですが、大坂なおみ選手の試合はDAZNが優先的に放送しているため錦織選手より生中継を見られる回数が少なくなくなります。せめて大坂選手の試合も錦織選手と同じようにBS・CSでもれなく放送できるようになってほしいと思いますが。

では、また次回です。
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4月に入り高校野球の球数制限に関する議論が日本高野連の諮問委員会で始まりました。元メジャーリーガーで早稲田大学の小宮山悟監督やソフトボール女子日本代表元監督の宇津木妙子さん、甲子園優勝経験がある学校の監督や球数制限をローカルルールで導入しようとした新潟県高野連の代表などいろいろな立場の人たちが参加したそうです。ただ、簡単に結論を導けることではないようです。

年内をめどに意見を取りまとめることになっているそうですが、初めての会議では現状把握を行ったそうです。その中でまず意見が一致したのは見切り発車では実行するわけにはいかないということ。けがを抱えている人なら歓迎するかもしれないが、導入がエラい迷惑に感じる人もいる。いろいろと考えのあるところで着地点を見出さないといけませんが、簡単なことではありません。

選手の負担についてテコ入れが行われた例として思い出すのは高校サッカーです。関東圏での開催が定着し出場校が48校にまで増えた年末年始の全国高校サッカー選手権。1993年度までは元日の天皇杯決勝の前座イベントとして開会式をやったあと1月2日に1回戦、3日に2回戦、4日にベスト16と3連戦したあと1日休み、6日のベスト8から決勝まで3連戦という日程でした。Jリーグなどのトップリーグはもちろん、ユース世代の試合でも連戦はありえないとされるサッカー界。FIFAが主催する世界大会では試合と試合のインターバルをかならず48時間はおくようにと明文化された規定もあります。こういう規定があるくらいだから3連戦を2つもやるような大会形式はFIFAから何かしらの警告かペナルティが課せられてもおかしくないと判断したようで、12月30日開会式・31日1回戦と前倒しし、更に2002年度からは成人の日決勝が定着するに至りました。サッカーの場合は世界基準があったから制度改革がスムースにいけたのかもしれません。しかし、夏のインターハイについては手が及ばず、あるサッカーライターは「世界一過酷なユース年代のトーナメント」と呼ぶようになったとか。

さて、野球の場合は世界野球・ソフトボール連盟という統括団体がありますが、そこが主催するワールドカップではU-18年代でも球数制限という話を聞いたことありません。ワールドベースボールクラシックのようにマイナーリーグのオープン戦を下敷きにした球数制限がはっきり明文化されているようなら、世界基準に追いつくためという理由で導入ができたかもしれません。ただFIFAのような強制力が世界連盟にないようだと混乱するような気もします。世界基準においつくためには選手の健康状態、戦力均衡など超えるべきハードルはたくさんあることを忘れてはいけません。

では、また次回です。
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