24日に千秋楽を迎えた大相撲初場所。前頭筆頭の大栄翔が初優勝を果たし幕を下ろしました。初場所の初優勝は4年連続、前頭筆頭の優勝は1991年名古屋場所の水戸泉以来30年ぶり、埼玉県出身の力士の優勝は初めて…と記録づくめの優勝となりました。

大栄翔は埼玉県新座市出身で埼玉栄高校卒。高校卒業の年の初場所でプロデビューを果たしました。高校スポーツだと他県からの「留学」か地元かということがよく言われます。野球では特定地域出身の中学生が各地の高校に進む傾向がいろいろな意味で注目されているし、サッカーでも野球ほどではないにしてもそういう傾向が見えていると指摘する人もいます。

翻って相撲を見るとどうでしょうか。全国大会常連と言われるような学校ではやはり「留学」の生徒が多いようです。そんな中で大栄翔は埼玉の相撲少年の希望になるはずです。地元中学で頑張り、県内の栄高校でまた技を磨き、そしてプロになりついには優勝。他県にわざわざ行かなくても強くなれる土壌はあると思うのが何よりの励みになるのではないでしょうか。中卒でプロ入りするのが当たり前だった時代とは違いますが、地元で磨かれたものを手に出世の道を進んでいく相撲らしさが見直されるきっかけになってくれるかもしれません。アマチュア相撲のすそ野が広がることにもつながればなおさらうれしいことです。

では、また次回です。
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新型コロナウイルスの問題による特例が今年も採用されるプロ野球。それに加えてセリーグでは限定的なDH制が浮かんでは消えているとか。

巨人の球団代表が手を変え品を変え提案しているようなんです。まず1年限定という形で巨人サイドが提案するも却下され、その後公式戦開幕から30試合か60試合と期間を狭めた上でやろうとまた提案しているようです。巨人の主張としては投手を中心にした選手の負担軽減、試合内容の充実などを理由としています。

ただ、否定的な声も根強いようです。セ・パ交流戦で毎年のようにパリーグに敗れていることや日本シリーズが7年連続でパリーグが日本一になっていることが直接の原因だろうから安直だというのが主な意見。原監督や球団代表など巨人の関係者ばかりが提案していることを快く思わない人もいます。何というのか、感情論が混じっているようにも感じるのは私だけでしょうか?

セリーグのアイデンティティを失うかもしれないと思うとDH制には後ろ向きになってしまいますが、負担軽減の限定的なものならばやむを得ないと私は思います。一軍登録やベンチ入り人数の増員を考えたらDH制は活用できるのではないかと思います。ただ、それはあくまでも限定的なものです。それに、DH制採用前と採用時、終了後の選手のパフォーマンスの検証も必要かもしれません。野手・投手の守備、投手の打撃などどう変わったかとか。

結論は簡単に出ないかもしれませんが、事の推移は見守りたいです。では、また次回です。
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J3アスルクラロ沼津の中山雅史選手が昨年限りで退団し、今年から古巣のJ2ジュビロ磐田のコーチを務めることになったとか。13日にテレビ朝日系で放送された「報道ステーション」で「プレーヤーとしてのトレーニングをひとまずお休みさせていただきます」と独特な言い回しで報告するのはゴンさんらしいです。

ゴンさんは2012年に北海道コンサドーレ札幌を戦力外になった時にはメディアは引退するものと決めつけにかかりましたがゴンさんはそれを否定。あくまで次のチームを探しているだけと「浪人」であることを強調していました。解説者としての活動をしつつリハビリ・トレーニングを重ね、3年後にはアスルクラロに加入。引退と決めつけていたメディアは「現役復帰」とはやし立てました。ただ、以前傷めたひざや臀部の影響が残りJ3参入後は公式戦出場はかないませんでした。それでも「引と退の2文字は使いたくない」とあくまで選手活動を休業するという姿勢でいるようです。自分が燃え尽きたとはまだ思っていないようです。

ゴンさんのようなキャリアの積み方ができるのはJリーグとNPBの契約の仕方の違いがあるかもしれません。制度上変わっているところがあるかもしれませんが、私の知る限りでは、JリーグではNPBのようにストレートな戦力外通告ができず「年俸0円」を提示して、引退かJの他のチームへの移籍かそれ以外のカテゴリーのチームへの移籍かを選ばせるような形になっています。NPBの場合は戦力外通告を受けると「任意引退」で完全にユニフォームを脱ぐか「自由契約」で現役復帰の余地を残すかというのが基本線。新庄剛志さんが現役復帰の意思を示した時に最終所属の北海道日本ハムが「任意引退」から「自由契約」に切り替えています。

野球界もNPB以外のカテゴリーのチーム(社会人野球や独立リーグ)へ移籍する道筋がここ20年ほどでできつつありますがまだサッカーほど柔軟とは言い切れません。ゴンさんがここまで頑張り続けています。小宮山悟さんや川崎宗則選手のような人がもっと増えてくれると野球界の形がいい方向に少しずつ変わるかもしれません。

では、また次回です。
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2020年度のスポーツ、特に学生スポーツは新型コロナウイルスの感染拡大に大きく翻弄されました。夏のインターハイが中止になった影響で競技連盟が代替大会を実施したケースもありました。陸上は普通に競技会をしていましたが、競泳は都道府県ごとのレースタイムを集計して全国ランキングを決める現代版「通信大会」を行いました。

そんな中で興味深かったのが相撲です。日本相撲連盟(アマチュア相撲の統括団体)が2021年の元日に立川市のステージガーデンで「立川立飛元日相撲」を開催。当日はウェブ配信の他にTOKYO MXが生中継ということでかなりの注目度があったようです。この大会、個人戦のみではありますがインターハイと全国中学校総合体育大会の代替大会として行われたもので、優勝者には高校横綱、中学横綱の証である横綱が例年通り贈られます。ネットで翌日に大会の様子を見ましたが結構盛り上がっていました。関係者しか集まっていないようでしたが熱気が伝わってきました。

望まざる形で実施された大会ではありますが、新春恒例のスポーツイベントとして成長すると面白そうな気がします。高校年代では毎年3月に他の種目と同じような選抜大会が行われているそうですが、これを団体戦のみにして個人戦を「元日相撲」として行うというのはどうでしょうか。選抜大会の優勝者には高校横綱の称号は与えられませんが、夏のインターハイと並び立つ大きなタイトルに育てることは可能かもしれません。

何度も言ってしまいますが、望まざる形ではあってもアマチュア相撲界が盛り上がるきっかけはできるかもしれません。かつてはインターハイと国体もNHKの地上波で放送されていましたが現在放送されているのは全日本選手権(アマチュア横綱を決める大会)だけ。これに加わる存在になれば、と思うのは私だけでしょうか? では、また次回です。
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いよいよ2021年。コロナ禍で大きな混乱があらゆる分野でおこりましたが、その混乱が収拾でき日を待ち望みたいところです。

2020年の夏まではことごとく中止が相次いだ高校スポーツの全国大会。しかし、年末年始の恒例イベントは順次開催されています。どれだけ対策をとればいいのかが見えてきたからといえばそれまでかもしれませんが、モチベーションを取り戻す端緒が見えたともいえるのではないでしょうか?

12月20日には全国高校駅伝。スタート・フィニッシュ地点のたけびしスタジアム京都(西京極競技場)には運営スタッフとチーム関係者しか入れませんでしたが沿道には観戦自粛が呼びかけられたにも関わらず地元の人たちがちらほら(とはいっても例年と比べれば人数は少なかったですが)。「頑張れ」の声はなくても風や日差し、車が走る音の中で走れたことは幸せかもしれません。特別な環境の中で行われた大会は、世羅高校の男女ダブル優勝という快挙でも歴史に残ることになりました。

29日にまで行われた高校バスケウインターカップは無観客開催。会場には関係者だけが立ち入りできる状況だったようですが、その分、会場の装飾が派手だった印象があります。メインスポンサーが、観客が入らないのをいいことにユニークなコピーが書かれた特大の幕を2階席に広げ、対戦チームの関係者が座る席にはソーシャルディスタンスを作るためのパネルも用意していました。「諦めたらそれで圏外」「5Gより速く」「3分あればカップ麺(スポンサーの商品名)も逆転もできる」など、バスケファンならわかる名言をスポンサーの商品と掛け合わせたパロディに仕上げるとは、何とも今風な感じです。

年またぎで行われる高校ラグビーは100回の記念大会。参加チームは埼玉・愛知・福岡の増枠のほか、各県の次点チームの中から勝ち抜いたブロック代表も加わり史上最多の66。1回戦は例年より5分短い25分ハーフとして行われていますが史上5位の129得点という記録も生まれています。年越しを果たす16チームが例年通り決まりました。100回大会のチャンピオンはどうなるでしょうか?

年またぎといえば高校サッカー。例年より1日遅い大晦日からスタート。入場行進は事前に参加校のグラウンドで収録した映像を流し、選手宣誓は大みそかの1試合目を戦うチームの代表がそのチームが試合をする会場で行うという「リモート開会式」で幕を開けました。一般客も準決勝以降受け入れる予定でしたが「新型コロナ第3波」の影響で取りやめになり、選手の父母を含めた関係者だけの入場という対応がとられました。ですが、関係者席からの拍手やベンチからの指示の声がまた新鮮に聞こえました。

これらの大会で得た経験がスポーツの日常を取り戻すためのきっかけ、ヒントになることを祈ります。では、また次回です。
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