22日に福岡県の小倉競馬場で行われた第56回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)で熊本生まれのヨカヨカが優勝。熊本生まれの馬が中央競馬の重賞で優勝するのは初めてということで、翌日のスポーツ各紙はこの快挙を競馬面で大きく取り上げたようです。

競走馬の生まれ故郷である生産牧場は北海道に全国の9割が集まっていますが、他に青森、茨城、鹿児島、宮崎、熊本の各県などにあります。かつては千葉県成田市の下総御料牧場周辺が全国屈指の馬産地になっていましたが、成田空港建設をきっかけにこれらの牧場が北海道に移転したために馬産地が集中したと言われています。岩手県の牧場からは戦前ダービー優勝馬が何頭も生まれたし、茨城県生まれの馬が平成最初のダービー馬になっていますが、昔ほどの勢いはあまりないかもしれません。

一方、鹿児島、熊本、宮崎の九州各地では引き続き競走馬の生産が継続されていて鹿児島生まれの馬には重賞優勝馬もいます。しかし、熊本からはなかなか重賞優勝馬が生まれませんでした。そんな中でのヨカヨカの快挙です。地元の熊本日日新聞も大きく取り上げられています。
「ヨカヨカ」熊本産初のJRA重賞制覇 競馬・北九州記念 | 熊本日日新聞社 (kumanichi.com)
ヨカヨカは2歳でデビューしたころから注目されていました。北海道うまれの馬を相手に新馬戦を勝ち、オープンクラスのレースに牝馬としてはかなり重い57kgというハンデを背負わされながら勝利をおさめたことで熊本生まれ初の重賞制覇への期待が高まり、競馬メディアはヨカヨカがレースに出るたびに特集を組みました。熊本といえば地震から5年という節目を迎えました。そんな年に重賞制覇を果たしたわけですからメモリアルな意味合いが強くなるかもしれません。

今年はソダシが白毛馬として世界初のクラシックウィナーになって話題になりましたが、ヨカヨカの活躍も更に注目されるかもしれません。では、また次回です。
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前線が西日本に居座り雨が降り続いている影響で開催日程がかなり狂っている第103回全国高校野球選手権(夏の甲子園)。4試合日を予定よりも増やして大会を進行させようと運営側も躍起になっているようです。また、変異株の流行で新型コロナウイルスの猛威が強まっている中、今回限定の大会規定に抵触して事実上の失格になった学校や失格の要件を満たしていなくても学校側の判断で出場を辞退する学校が現れおり、今までにない大会になっています。

豪雨に振り回されている103回目の夏の甲子園。こうなった原因の一つに高校野球独自のルールもあるのではないでしょうか。それはコールドゲームを宣告できるイニングです。NPBでもメジャーリーグでも5回が終わっていれば試合は成立して、6回以降に雨や風が激しくなって試合続行不能と審判団が判断すればコールドゲームになって勝ち負けが付きます(同点なら引き分け)。そして打点やホームラン、奪三振などの個人記録も残ります。しかし、高校野球の場合は7回まで終わらないとコールドゲームを宣告できないんです。ですから、5回終わって激しい雨が降ったら試合不成立で得点も個人記録もご破算。試合も振出しに戻ってしまいます。中等野球時代の昭和初期には一時5回で成立する通常ルールを適用していたこともあったようですが、現在は7回成立の方をとっています。12日にあった明桜(秋田)-帯広農業(北北海道)は4回、19日の近江(滋賀)-日大東北(福島)は5回でノーゲームになりましたが、近江-日大東北は後攻の近江がリードして5回表が終わっていたので、NPBなどの通常ルール通りで行けば試合は成立して近江の勝ちになっていました。もしかしたら、明桜-帯広農業も5回で成立のルールが適用されていたらもう少し我慢して5回まで終わらせようと審判団が考えたかもしれません。

17日の大阪桐蔭(大阪)-東海大菅生(西東京)のコールド決着を受け、ある著名人が「コールドゲームは教育の一環と考える高校野球の理念に矛盾する。9回まで絶対に試合ができるようにするためには翌日以降(天候が回復した時点で)サスペンデッドにすべき」という意見を述べたそうです。理解はできます。ただ、今回は関係者とマスコミしか会場に入れていませんが、通常の大会は興行の側面もありますし、新学期までの期間を考えると試合をどんどん消化させないといけない事情もあります。そう考えると努力を踏みにじることになってしまうとしても、大会を少しでも早く進めることが大事になるでしょう。そのためにも、試合成立は7回でなくてプロ野球や大学野球同様5回でいいのではと思ってしまいます。では、また次回です。
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8日に東京2020オリンピックが終わりましたが、感慨に浸る余裕が特にヨーロッパではないようなんです。日本では昨年の中止を経て2年ぶりの開催になった夏の甲子園が始まってまた違う盛り上がりを見せていますが、ヨーロッパ、特にスペインでは「オリンピックどころではない!」とやきもきしている人が多かったようです。

アルゼンチンから13歳の頃に渡り21年に渡ってバルセロナで成長、活躍し続けてきたメッシ選手がついに離れることになったのです。6月ころから退団か残留かと情報が錯綜していてバルセロナの人たちばかりか、スペイン中の人たちがメッシ選手の動向を見守っていました。それが今月になって退団決定、そして9日にフランスの名門であるパリサンジェルマンに移籍することが明らかになったのです。バルセロナの人たちはメッシ選手を悪く言うことはあまりなかったようですが、手放してしまったクラブに不信感をいだいているらしいですね。メッシ選手は21年に渡ってお世話になったクラブに感謝の気持ちと別れの寂しさがあったか、退団発表の時には大泣きに泣いていたそう。年俸が高すぎてさすがのバルサでも抱えきれなくなったのではという噂もありました。アメリカのメジャーリーグなどにあるような年俸高騰球団に対する「サラリーキャップ」(ぜいたく税)制度があるわけではなさそうですが、高額年俸は大きな負担になったかもしれません。

それに対して移籍先になったパリの人たちは大熱狂。「密」になってしまわないか心配になるくらいのファンが加入会見が行われる会場の近くに殺到したそう。テレビのニュースでもかなり大きく扱っていたそうです。オリンピックが終わったから興味はメッシ一色になっていたかもしれません。秋からのシーズンでメッシはどんな働きをするのか…。今は想像つきません。大谷翔平選手をめぐってアメリカでこれくらいの大きな騒ぎが何年か先に起こるのでしょうか? では、また次回です。
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1年遅れで開催されている今回の東京オリンピック。遅れたことで出場のチャンスをつかむ奇跡的なひとたちも現れました。

まずは1年遅れで年齢制限が満たされた人。昨年では下限に満たなかったのに1年遅れたおかげでそれに達したのが男子高飛び込みの玉井陸斗選手。驚異的な技を連発して日本選手権を史上最年少の若さで制すも、年齢の下限に達していないことが明らかになると落胆の声が上がりました。しかし、今年に延期されたことで出場資格を得ることになり、選考用件をクリアし高飛び込みの代表となりました。同門の先輩で飛び板飛び込みの代表になった寺内健選手は「同年代の中国選手は陸斗にかなわないはずだ」と絶賛するくらいですから、この1年は吉に出たかもしれません。

もう一人1年遅れでチャンスを掴んだ人といえば池江璃花子選手です。白血病が発覚したのが2019年の1月終わりごろ。いつ回復するかのめどが立たず「2020年は目指さず2024年を目指す」という声明を一度出したくらいでした。しかし、回復のペースがすこぶる早く、練習を再開させると着々と調子を取り戻し、ついには代表権獲得となりました。個人種目の出場権を得られなかったとはいえ、東京オリンピックで泳いだ事実は残ります。岩崎恭子さんはじめ水泳関係者は次のパリではものすごいことになると予想しているとか。まだ完全回復の途中と考えれば、これからへの期待はまだまだ続きそうです。

1年遅れになってチャンスをふいにしてしまった人ももしかしたらいるかもしれませんが、チャンスを掴んで更に次へ踏み出す人がいることを考えると、1年遅れてもオリンピックがやれたことは間違いではなかったといえるかもしれません。では、また次回です。
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