4日まで大阪の長居スタジアムで行われた東京五輪代表選考会を兼ねた陸上日本選手権。男子100mは1位になった多田修平選手と3位の山縣亮太選手が要件を満たしたため代表に内定しましたが、9秒台を出して日本記録を樹立したサニブラウンハキーム選手も桐生祥秀選手も内定に至らずということで波乱含みの結末になりました。

そんな中で注目を集めたのは男子100mで2位になったデーデーブルーノ選手です。大学陸上を取材している人たちの間では「何かやってくれるかも」と注目されていた存在だったそうですが、9秒台を出した人たちと比べれば知名度はあまりありませんでした。しかし、五輪代表権を争う舞台で大物食いをやってのけて一躍時の人となりました。しかも陸上を始めたのが高校2年のころからということでも話題を集めました。デーデー選手は高校1年まではサッカーをやっていました。それも全国大会の常連だった長野県の創造学園で、です。サッカーを続けていれば、もしかしたら高校選手権なりインターハイで活躍してどこかのJクラブに入ってレギュラーになっていたかもしれません。ですが、陸上に転向してそれ以上の活躍をしてしまうとは! 高校時代までの自分にとっては想像できなかったかもしれませんね。

そういえば、他の競技と陸上を経験した人というと、プロ野球で注目された人がいましたよね。今シーズンのドラフト2位で北海道日本ハムに入団した五十幡亮汰選手は「中学時代にサニブラウンに勝った男」として注目を集めています。中学で全国大会に優勝した才能を陸上の有力校は無視するはずはなく、スカウトは来るし陸上部の顧問の先生は陸上で進学することを進めていたそうです。しかし、小学生の頃に亡くなった母親との約束を果たすために高校からは野球に専念したといいます。もう1人は「甲子園を目指さなかった男」として注目された千葉ロッテの和田康士朗選手。中学卒業で一度野球をやめて高校に入学して陸上に転向しました。しかし、友人の活躍に触発されて陸上を1年で辞めて社会人のクラブチームに入って野球を再開させたそうです。更に時代をさかのぼると、阪神の大エースとして、そして南海、広島などでは「優勝請負人」と言われる存在で活躍した江夏豊さんも一度陸上の投擲競技をやっていたといいます。中学時代の野球部の先生と考えがなかなか合わず、野球部を辞めて陸上部に転向したとか。

人間、転機は思わぬところでやってくるものかもしれません。デーデー選手がこの先どんな活躍をするのか、これから楽しみです。
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大阪のABCテレビが制作・放送している「パネルクイズアタック25」がこの秋限りで終了するとの報道が24日、スポニチのウェブ版でありました。いわゆるオセロの要領で25のマスを4人が奪い合うというシンプルであっても奥深いゲームが人気を集め46年の長きにわたって放送されましたが、ついに幕を下ろすことになりました。

スタートしたのは1975年。初めはテレビ朝日系列ではなくTBS系列で放送されていました。毎日新聞資本のMBSが朝日新聞資本のNET(現在のテレビ朝日)の系列に入り、朝日資本のABCが毎日資本が比較的多く入っているTBSの系列に入っているという、いわゆる腸ねん転といわれていた時代でした。ただ、46年のほとんどはテレビ朝日系での放送。「新婚さんいらっしゃい」と共にテレ朝系の日曜午後の定番として親しまれました。日曜日にテレビを見られるときはいつもこの2つの番組を欠かさずみていましたね。

問題は極端に難しいわけではないですが、パネルの取り合いで緊張のあまりに想像もつかない獲り方をしたあとに他の人が逆転するのが面白かった。その中で司会を務めた児玉清さんが「なぜそこに?」と正直に疑問を抱いたりクイズに間違えた人に「うーん…」と一緒に悔しがったりするのも魅力の一つだったかもしれません。開始から36年に渡って司会を務めた児玉さんが亡くなり、浦川泰幸アナ、谷原章介さんが児玉さんが残したレガシーを引き継ぎ、魅力を損なうことなく放送が続きました。番組の雰囲気や空気感だけでなく、児玉さんが参加者を思いやる行動も歴代司会者やスタッフによって引き継がれたそうです。そんな番組が終わりを迎えるとは信じられません。コロナ禍で一般視聴者に募集をかけられなくなってもタレントによるゲスト大会をやってつないでいきましたが、とうとう力尽きてしまったということでしょうか?

視聴者参加型のクイズ番組は地上波ではフジテレビの「99人の壁」だけになったとか。ただ、この番組は平成初めに放送された「カルトQ」のような特定のジャンルに秀でた人たちが集まるような番組で、「アタック25」のようないろいろな知識が問われるクイズ番組はとうとうなくなったといっても良いかもしれません。その一方で日テレの「高校生クイズ」やTBSの「東大王」のおかげで高校の部活としてのクイズ研究会が増えてきているらしい。クイズの魅力を知った高校生がこの先いつまでもクイズを楽しめる環境が残ることを今はただただ祈るだけです。では、また次回です。
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去年は予定より3か月も遅い6月19日にプロ野球が開幕したため「日本生命セ・パ交流戦」も「マイナビオールスター」も実施できませんでした。ですから20週間のレギュラーシーズンが一気に過ぎ去ったような印象もありました。しかし、今年はオリンピックによる中断前までは平年並みのペースが消化されるので交流戦は無事に終わりました。そして、オールスターも控えています。

今年の交流戦はオリックスが11年ぶりに優勝しましたが、セリーグのチームが軒並み上位に食い込んだおかげでリーグ対抗ではセリーグが12年ぶりの勝ち越しを果たしました。特にDeNAは開幕直後は出遅れて断トツの最下位でしたが、交流戦に入った途端に手ごまが揃ったところもあって最下位脱出。交流戦では最後まで優勝争いに絡み3位で終えることができました。今年も「交流戦がターニングポイントになった」と言われるようになるでしょうか? 逆に広島はわずか3勝という交流戦ワーストタイ記録を作って最下位転落になってしまいました。コロナ陽性反応の選手が何人も出てしまった影響があったとはいえ、大変な交流戦となりました。同一リーグ同士の対戦で巻き返すことができるでしょうか?

日程的には例年通りですが、今年はオリンピック対応で一部チームのホームグラウンドが使えない期間が発生しているようです。横浜DeNAが東京ドームや神宮でホームゲームをすることになったし、北海道日本ハムはしばらく札幌を離れないといけないとのこと。交流戦でいい流れをつかめたDeNAですが、なかなか慣れない場所でホームゲームをこなさないといけない状況にどう立ち向かうでしょうか? どこかしらまだ特別なシーズンはまだ続きそうです。では、また次回です。
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3日に札幌で日本A代表とU-24日本代表(五輪代表候補)の直接対決がありました。チャリティーマッチと銘打たれた試合でテレビ中継もされるという前代未聞の試合です。本来であればA代表がジャマイカ代表とキリンチャレンジカップをやることになっていましたが、ジャマイカ代表の一部の選手のPCR陰性証明が間に合わず来日を断念したため、ガーナ代表との強化試合に臨むため福岡にいた五輪代表候補を急きょ呼び寄せて試合をやることにしたというわけです。

野球では大学侍ジャパンと高校侍ジャパンの強化試合がU-18世界選手権や世界学生選手権の壮行試合として有料公開されますが、無観客とはいえ地上波テレビの全国生放送がある中で別々の世代の日本代表が対戦するサッカーの試合は記憶がありません。なでしこジャパンが身長が高い外国勢対策で男子U-17代表と練習試合したことはあったようですが、本番的なものはなかなかありません。ただ、今回は望まざる形で実現したものといっていいでしょう。もしかしたら今後もあり得ることかもしれません。外国のチームと親善試合をやる際、コロナの陽性反応が出た選手がいたり今回のように陰性証明が間に合わない選手がいたりして来日できなかった場合のセーフティネットとして五輪代表候補やU-20代表もすぐに呼べるような体制をとりそうな気がします。

代表対代表というわけではないですが、日本代表が国内のチームと試合をしたことがあります。記憶に新しいところでは2011年の東日本大震災復興支援マッチ。日本代表(正規の代表ではない)とカズ率いるJリーグ選抜が対戦しました。そしてJリーグ誕生前には日本リーグの読売クラブが日本代表と対戦したこともあったそうです。単独チームや国内選抜チームと代表が対戦するのは楽しみがあるかもしれません。純粋に楽しめる時代がいち早く来てほしいものです。では、また次回です。
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日本時間の5月30日に始まったテニスの全仏オープン。昨年秋の前回大会同様、地上波のテレビ東京はプライム枠で放送せず深夜中心の編成になっているので見にくくなったなと嘆いている方がいるかもしれません。ただ、そんなことはどうでもいいと思ってしまうような衝撃的な出来事が起こりました。

今年最初のグランドスラムである全豪オープンで優勝した大坂なおみ選手が「選手のメンタルヘルスに対する配慮ができていない」と試合後の会見を拒否することを表明。主催者が規定に従って罰金を命じるとそれに応じました。しかし、それだけでは終わりません。1日になって2回戦を棄権し、グランドスラム初優勝になった2018年の全米オープンの後からうつ病を抱えていたことを告白したのです。会見拒否の時には「会見に応じるのもトップアスリートの仕事。それを放棄するとは…」と突き放す人もいましたが、うつ病だったことを告白したら「そんなことがあったのか…」と驚きの声が世界中から沸き起こりました。

私は最初に大坂選手がアクションとった時にも大変だなと思いましたが、うつ病というところまで話が及ぶとは思いませんでした。課題と言われ続けたメンタルの弱さを克服しつつあるかなと思っていましたがそういう次元ではもはやないのかもしれません。後々考えると、会見拒否を表明した後に「質問があったらマネージャーを通して」と提案するようなくらいですから耐えかねていたのでしょう。女子テニス協会では今回のことを受けて、大坂選手の要望通りアスリートのメンタルヘルスに寄り添ったメディア対応などについて話し合うことを約束したそうです。これが不毛な議論にならないことを今は祈るだけです。

では、また次回です。
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