暗闇の中を駆け巡る二つの影

外灯の薄い灯りが 

時々ぼんやりと その白い

胸毛を映し出す

日中の暑苦しさから開放された

犬達は若いパワーで

追いかけあう

私自身、心穏やかにしてくれる

この瞬間が好きだ

世話をするのは人間だが

それ以上に犬達から

なにか心温まる時間を

貰っている

ほら、その屈託の無い笑顔

ひとしきり遊んでは

飼い主の傍に駆け戻ってきて

一緒に遊ばないの?

と首を傾げて見上げている


「ほら、今日はボール持って

来てないから二人で遊んでおいで」


彼らの散歩をしている私は

傍から見ると独り言の

多い人に映るだろうが

本人は本人で一生懸命

先に生まれたものとして

いろんな事を教えている

車の前に飛び出してはいけない

拾い食いをしてはならない

困るのは自分だ

など 教える事はたくさんある

きっと煙たがられることも

あるだろうが 

私が喋ってる間は

私の顔をじっと見ているから

彼らなりに理解している事を

望む。

母は母で、先日の散歩で

「これはカナブンだよ」

と彼らに向って言っているので

「わざわざ食べるように

仕向けないでよ。」と言ったら

「教えているのよ、これは

カナブンだよって。母として」

と言い放った。

似たもの親子である

容姿は年々似てくる

どころか母娘逆転かという

怖れも否めないが

いや、それはあり得ないが

遺伝子とは凄まじい

母にも父にも私の要素が

ある

父は、明日から北海道遠征

すっかりプレイヤー復帰

とはいかないだろうが

楽しみを見出してしまったようだ

母は仕事の多さと

今までブランクとのギャップに

バテ気味だ 

此処で娘から冷たい一言が

くれば疲れが倍増、救急車

になり兼ねないので

愛情一本チオビタを渡すのではなく

愛情マッサージでも

お見舞いしてこようか


明後日に迫ったアメリカ出発への

パッキングもしなければならないが

明日はやっと来たオフなので

いい一日を過ごしたい












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