KAIENTAI DOJOとして、初の新木場大会。
この記念すべき大会を、滝澤 大志とのシングルマッチなんかでむかえるとは…

あいつとは、同期入門、同期デビュー。

デビューした時から、あいつは頭一つ抜けていた。

身長のデカさもそうやけど、身体能力も自分やランディを圧倒していた。

そんな滝澤に、最初は何とか追い付こうと、躍起になって自分の出来ることを磨いた。

それが、地味ながら一点集中した腕攻めのスタイル。

それを磨き続け、一時は滝澤と並んだと、思ったこともあった。

だけど、滝澤は欠場を重ねても、直ぐにトップ戦線に絡んでいった。

それは、あいつの成長だと思い、またあいつに並ぶように、あいつより努力しようと頑張った。

そして、自分の一時の飛躍のチャンスとして巡ってきた、滝澤とのタッグ。

自分はとにかく、勝ち続けるしかないと思い、攻撃の矢面に立つのは自分。
試合を決める、ポイントゲッターは滝澤という、"勝つ"ためにフォロー側に回る決意をした。

しかし、何時までたっても結果はでない…

皮肉にも、唯一のタイトルとして取ったタッグリーグも、勝ったのは自分だった。

その後も、タッグを組続けて、一つの大きな間違いに気付いた。

「こいつは、勝つことにこだわってないんとちゃうか?」

滝澤は、団体一の長身を誇り、身体能力も優れている。

だからチャンスが幾らでも巡ってくる!

だからこいつは、勝ちにこだわりがないんや!

自分みたいなレスラーは、一試合一試合が勝負掛け。

タイトルマッチとかのチャンスは、絶対に落とせない。

そんな自分と滝澤の気持ちのズレがわかってきて、一番それが分かったのは、あいつが自分のTシャツを作ってからが酷かった。

あいつは試合よりも、Tシャツ販売ばかりに集中しだした。

もう自分の中で滝澤に対する、タッグの気持ちは完全に冷めていた。

そして滝澤に三行半をつきつけ、その後もシングルが決まっても、あいつは相変わらず。

襲撃をした後でもあいつは変わらなかった。

きっと今日もあいつは、自分をなめきってTシャツ、Tシャツやろう。

だからあいつとは、これで終わり。

どんな手を使っても、俺はあいつを倒す。

でも、あいつは負けても何も変わらないんやろね。

それが滝澤 大志というレスラーやから。
[Web全体に公開]
| この記事のURL

1件中 1~1件目を表示


1