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Strikeforce:FEDOR vs WERDUM
2010/6/26@カリフォルニア州サンノゼ・HPパビリオン
●エメリヤーエンコ・ヒョードル[1R1'9" タップアウト ※三角締め]ファブリシオ・ベルドゥム○



まさかまさかのヒョードルがタップアウトとは・・・


ファブリシオにとっては人生最大の大殊勲。


あそこまでがっちりハマったトライアングルでさすがのヒョードルもタップを選ぶしかなかったということだが、タップという負け方が何よりショックだった。


決してUFCのトップではなかったファブリシオにヒョードルが敗れてしまったという事実は、ヒョードルのリアルなポジションを自ずと証明してしまうのか・・・


相変わらずの無表情で試合後のインタビューに答える姿に寂しさを覚えてしまったのは私だけではないだろう。
ヒョードルから悔しさも見えないのは無表情ゆえか、それとも・・・?と勘繰ってしまったりもする。


“常勝チャンピオン”への憧れを一身に集めていたからこそ高い価値を保っていたヒョードルが、この敗戦により、逆にUFC出場に傾いていくなら大歓迎だし、これから本当の現在なヒョードルの強さを知っていけるというもの。


一方でUFCのことだから“ヒョードルに勝った男”ファブリシオと再契約、なんて力技をやってのけたら面白い。


次の対戦が半ば約束されていたアリスターのモチベーションも気になるところだが、UFCに対抗できていたヒョードルというリーサルウェポンが不発の事態に陥ってしまったことで、今後のMMAヘビー級の行方が気になるのであった。


ヒョードルはこのまま噂される政界進出でフェードアウトしてほしくはないが・・・
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Strikeforce - NASHVILLE
2010/4/17@ケンタッキー州ナッシュビル
○ギルバート・メレンデス[5R 判定]青木真也



アメリカ現地ではフリーテレビで生中継されたUFCのコンペティタープロモーション『Strikeforce』の映像を日本ではインターネットを通じて視聴ができたので、コアな格闘技ファンはほとんどが今回の歴史的一戦を自分の目で確認していることだろう。なぜ“歴史的”だったのか。日本人選手がアメリカを含めた海外プロモーションに出場することは珍しくないが、今回は日本最強の現役王者であり最後の砦がアメリカと直接対決し実力を証明する機会だったからだ。


日本代表のDREAM王者・青木真也が挑んだ相手はStrikeforce王者・ギルバート・メレンデス。日本でもお馴染みのメレンデスは今やアメリカで成功を手にしている。アメリカの市場規模が日本より大きいゆえに、MMAという新興スポーツの広がり=ビジネスの大きさが日本を凌駕してしまうのは無理もないが、ファイターの強さまでも比例しているわけではないはず、という期待を日本人の多くが抱いていたはずだ。かく言う私もこの一人だった。
しかし現実は甘くなかった。


UFC王座を失ってしまったがBJペンに次ぐ世界トップランクの評価をプレスやファンから得ていた青木は、日本国内でのライト級カテゴリーで国内外の強豪を軒並み撃破し、もはや敵なし状態。アメリカに新たな敵探しに赴く流れは必然だった。


初参戦でいきなりチャンピオンシップという待遇は青木への高評価とDREAMへの敬意の表れと捉えたい。
UFC包囲網を作るべく日本を巻き込んだStrikeforceは積極的にDREAM系ファイターを参戦させ、今回と同様の王者対決も実現させている。ウェルター級ではアメリカが完勝しているが、まさかまたしても同じ結果が待っていようとは。
ショックであるが、現実を受け入れないことには先にも進めない。


5ラウンド、フルマークの判定で、青木敗れる。
得意のグラウンド&サブミッションに持ち込めなかった。つまりメレンデスがその局面に至らせなかった。
メレンデスこそKOを奪うことはできなかったが、終始自分のペースでゲームを進められた時点でルール上の勝利、完勝だった。


面白いか、つまらなかったか、という感想になれば観た者それぞれだろうが、ここでは結果が全てである。
青木が負けたことで、現時点でDREAMはStrikeforceより弱かったことになる。
思っていた以上にアメリカと日本との間には進化速度の差を感じさせられた。


ケージとリングの違いなのか、ルールの違いなのか。青木自身が否定したようにそれらは関係ないと思う。
日本では総合格闘技だったものが、アメリカではNHB→MMAとなり、世間に浸透し、プレイヤーが増え、技術が進化し、業界そのものがビジネスとして成長していることが決定的な差を生んでいるのだ。
片や日本ではPRIDEショック以降の状況はご存知の通り。


しかし、こう考えていけばいい。
もはや、アメリカが“メジャーリーグ”なのだと。プロ野球やサッカーと同じく、日本国内のメジャープロモーションはセ・パ・リーグやJリーグの機能を果たし、インディーがイースタン・ウエスタンリーグやJ2・J3になればいい。
外国人選手は助っ人ガイジンのごとし、王座争いまでのしあがるといつしかアメリカに舞台を移してしまう。でもそれでいい。
日本でまずは堂々とトップを獲り、期待を一身に背負って世界メジャーに進出する。そこでイチローや松井のようにアメリカっ子が認める活躍をしてみせ、名声と共に多額な収入を獲得することが真の成功となる。
格闘技で億万長者になることができる土壌がアメリカにはあるのだから、本気ならそこを目指すべきだ。


日本<アメリカと、MMAのパワーバランスが変わってしまった以上、ファイターたちにとってアメリカは目指すところにならなければならない。
PRIDE時代は日本>世界だったということ。あの頃の栄光を再び、とするためには結局マネー次第なのだ。


プロフェッショナルファイターであるならば、マネーを追求して何ら悪いことはない。それどころかお金を払って観たい対象にならなければプロとは言えない。
強さに裏付けられた人気を得て、ファンの数は日本のみならず世界規模になる・・・それに応じたマネーがついてくる。


日本発アメリカ行きのワールドツアーに出でよ、ジャパニーズファイターたちよ。
強い日本人が観たいに決まっているが、それを証明するにはアメリカで勝たねばならない。
大いなる目標を持ったファイターたちが日々磨き鍛える道を応援したい。


青木がアメリカリベンジに燃え上がる姿が見たい。
他の日本人も青木の敵討ちの気持ちでアメリカに挑んでほしい。


もはやアメリカなくしてMMAは語れない。
しかしこれが世界的発展の健全な形なのだ。
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青木真也のStrikeforce参戦決定!
初戦でギルバート・メレンデスとタイトル戦!



このニュースを素直に喜びたい。日本のMMAマーケットがワールドスタンダードと一線を画した極東の独立地域となってしまわないために、日本を主戦場としたファイターたちが正当な評価を受け価値を持ってもらうために、日本のトップ選手である青木が先陣を行くことには大きな意味がある。


では“ワールドスタンダード”とは何か?
PRIDEの栄光時代を共にした日本人ファンはなかなか認めたくないだろうが、こればかりは仕方がない。MMAを牽引しているのはアメリカでありUFCである。
“UFCアレルギー”を持つ日本のファンは実は少なくないと思う。その気持ちは分かる。PRIDEを買収してもブランドは存続させ、“MMAワールドシリーズ”を実現すると高らかに宣言したにも関わらず実態はご存知の通り。
しかしPRIDEブランドは映像アーカイブとマーチャンダイズで生きていたりする。PRIDEは殺されてはいない。これがアメリカ流なんだと理解するしかない。


PRIDEの晩年から国内二大メジャー体制に変遷した現在に至るまで、日本総合格闘技界の立役者の筆頭格に挙げられるのは間違いなく青木真也である。
常に話題の中心に位置し、誰よりもシビアかつワールドクラスなマッチメイクを強いられながらも劇的な印象と共に結果を残してきた。
昨年の大晦日こそ立ち振舞いでクレームを集めてしまいはしたが、肝心のファイトではグーの音も出ないほどの内容と結果を残した以上、青木が進むべき道は“枠”から外れていくしかなかったはずだ。


日本から世界へ、もといアメリカへ・・・“日本国内最強”のままで満足するなら別だが、もはや日本に留まっていては交じることさえできない評価されたファイターたちがアメリカの地に集まっている現状、世界レベルの実力を証明するならばその争いに参入するしかない。


UFCで敵なし状態の王者に君臨しているBJペンが事実上のライト級世界一と目されてはいるが、この階級に関しては必ずしもUFC=No.1というわけではないところに、今回の青木=DREAMの選択の可能性がある。
ビジネス規模ではまだまだUFCの足元にも及ばないが、質では決して決定的な格差ないファイターたちを抱えているアメリカNo.2プロモーション『Strikeforce』とのパートナーシップにより、今年は日本人トップファイターがアメリカで名を売り始める大きな一歩となるべきである。


BJペンが独走状態に陥ってしまっているUFCに対して、Strikeforce&DREAM連合軍は名前あるタレントが揃っている。しかもUFC未経験者ばかり。ペンに敗れてきたUFCのトップコンテンダーたちとStrikforce勢の実力に開きがあるのか拮抗しているのかは実際に闘ってみないと分からないが、少なくともUFCにとっては日米同盟のライト級人材は喉から手が出るほど欲しいはずだ。


一見UFCが独走状態のアメリカMMAシーンだが、各階級別によく見ていけば第二陣にも大いに浮上するチャンスがある。
ライトのみならず、ウェルター、ミドル、ライトヘビー、ヘビーの各王者の顔ぶれを見ればStrikeforceはUFCにとって脅威になる対抗勢力である。あとはプロモーション方法次第か。


ニック・ディアズ、ジェイク・シールズ、ゲガール・ムサシ、エメリヤーエンコ・ヒョードル。さらにダンヘンやアリスター・オーフレイム、ジョシュ・トムソン、ロビー・ローラーがひしめき青木が絡もうとしている。
名前を羅列しながら興奮してきた。
DREAM出場組のトップファイターがすでにStrikeforceに上がっていることから日米のリンクはスムーズだ。
ジャカレイ、メイヘム・ミラー、ザロムスキー、マヌーフ・・・ビッグネームがうようよ。
日本から見ればStrikeforceはDREAMの海外支社だと都合よく捉えてしまえばアレルギーなくアメリカに心を持っていけるのではないか。


いよいよこの非UFC勢力に日本から青木真也の名が加わることになる。
青木は日本国内では問答無用の頂点にいることをここ数年で証明してみせた。
青木にとって日本国内でやらねばならない残された仕事は一つ、川尻とのチャンピオンシップだが、昨年大晦日の機を逸してしまった上に、アメリカ進出も決まったことで、しばらくは必然性あるタイミングを見ていくべきだろう。
今、青木がやるべき最重要課題はStrikeforceで勝利し、王者となること。そうなれば一気に日本総合格闘技界の明日が開けていく。


王者の青木を追ってアメリカ側がDREAMに乗り込んでくる。
さらに青木に続く日本人ファイターにも期待が及び、川尻や桜井マッハ、長南たちの渡米機会も増えていくだろう。
アメリカのメディアを通じて日本人ファイターの名前を売っていく。ようやく日本のMMAが真の世界戦略を始める第一歩となるべく、青木のアメリカ初戦は大きな重みを持つ。


しかしこれまで青木は誰よりももシビアな闘いを強いられ、結果を残してきた。
青木ならアメリカの地でも必ずやってくれるはず。
青木のマジカルサブミッションにヤンヤの大喝采が飛び交う様をまずは妄想しておくとしよう。
日本との歓声のボルテージの段違いぶりに青木本人がアメリカに病み付きになってしまえば、ますますジャパニーズMMAの未来は明るい。
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Strikeforce:MIAMI
2010/1/30@フロリダ・サンライズ・バンクアトランティックセンター



DREAMではあんなに圧倒的だったザロムスキーが、ニック・ディアズに完敗。
ニックのあのリーチから繰り出されるフック系パンチは決してパワフルに見えないのに”グサグサ”と当たるんですよねー。
いやはや、ニック・ディアズ、強いはこりゃ。


メルヴィン・マヌーフはバシバシにローで攻勢だったのに、絵に描いたような一撃大逆転をやってのけたロビー・ローラーにも驚き。
こんな試合、なかなかないです。神がかってます。


ファイトのクオリティと会場のボルテージと、やはり本場はアメリカであることを痛感し、現地で体験しなければ始まらないと確信したのでした。
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