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UFC110:Nogueira vs Velasquez
2010/2/21@オーストラリア・シドニー・エイサーアリーナ



UFCがオセアニア地域に初進出。時差は日本を含むアジア圏とさほど変わらぬ同じエリア。となると、いよいよUFCは格闘技興行発祥の地=日本を視野に入れたのかと期待せざるをえない。


瞬殺的にソールドアウトになったと言われるシドニー大会の会場を埋め尽くすオーディエンスの様子をテレビ越しに一見しただけで興奮状態になる自分がいた。


さらに日本のファンにとってはいつも以上に気持ちが引き寄せられる要素が用意されていた。
ミノタウロ、ヴァンダレイ、ミルコの揃い踏み・・・誰が何と言おうと日本のファンにとってはかけがえのない絶対ヒーローたち。PRIDEのありし日を牽引した看板ファイターたちが金網オクタゴンで苦戦していようが、あの頃に我々に焼き付けてくれた比類なき強さの数々と感動と興奮と感嘆は消え去るものではない。だから我々は彼らがUFCのアルティメットファイターだと称されても、違う捉え方で彼らをリスペクトする。
そう、彼らはPRIDEファイターなのだと・・・


ミルコは直前で変更になった代役を相手にUFC仕様のヒジで勝利したものの、最前線レベルでは厳しいであろう闘いぶりを露呈してしまった。
それでもミルコが勝ったことで次に向けて首の皮一枚繋がったことに胸を撫で下ろしている。次は日本でミルコに会えるのだと・・・トランクスに縫い付けられた日の丸がミルコからの予告と捉えたい。


ヴァンダレイは初めてミドル級に絞った姿を披露した。
かつて無差別級でミルコや藤田やハントと闘ったときと比べるとまるで別人のシェイプ。さらに整形手術を施してあの大きく垂れた瞼がなくなり、どことなくアメリカナイズされた風貌も別人度合を増長していた。


決定打こそなかったものの難敵に競り勝ったシウバは目を潤ませて全身で喜びを露にした。
これで戦前の約束通りなら、次は秋山戦となる。これぞ日本で大会が実現するための公約的カードである。


ノゲイラがまさかのKO敗戦はショックだが、UFCでは二度目。
PRIDEでのヒョードルやミルコとの激戦を含むダメージの蓄積か、それともUFCの最前線レベルがノゲイラを上回っているのか、いずれにせよPRIDEファンが心を痛める現実を思い知らされた。


PRIDEがUFCに2勝1敗。
でもこの結果でPRIDEリバイバルの機運は繋がった。
シウバ、ミルコ、ノゲイラ、さらにショーグン、ランペイジ。これに五味も加わればいい。


PRIDEの象徴たちが一同に会せば日本大会が成立する・・・果たして主催者とファンのニーズは合致するだろうか。
まだPRIDEのブランド名を保有しマーチャンダイジング展開をしているが、“別ブランド”としての大会を行うつもりもあったりするのだろうか?


PRIDE勢と再会しつつ、今のUFCをダイレクトに感じたい。それが私の日本大会への願い。
ミルコとシウバの勝利という結果が日本への道を開拓することを信じたい。
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