格闘技コラムメディア『STAND』のコラムがSPORAでも読める! STAND代表・シンジニシムラが日米を中心とした世界の格闘技シーンをタイムリーに斬っていきます!
格闘技通信が休刊することで、これからの格闘技クラスメディアは『ゴング格闘技』と『kamipro』の二頭状況になるわけですが(技術系雑誌は割愛しています)、雑誌が売れない時代と言われていても業界的にも、コアファンのニーズからも、両誌には業界を背負うくらいの気概で踏ん張ってもらいたいものです。


両誌の色はある意味真逆なだけに、それぞれのアプローチで格闘技を伝え語り尽くしていくことが格闘技業界の存在を支えていくことになるはずです。


“真面目系”と“いじり系”のニ強体制になる中で、前者にあたる『ゴング格闘技』にしかないグッドポイントを一点挙げておきたいと思います。


それは、選手プロフィールデータ欄で、“通常体重”を記してくれていること。


昨今、試合直前の急激減量が主流になっている中で、選手は一体どれだけ落としているんだろうと興味を持つファンは少なくないのではないでしょうか。
そんなマニアックな疑問にゴンカクは答えてくれています。


傾向を見ると、総合系ファイターは10kg以上落とす者が珍しくないのに対して、立ち技打撃系は意外と落としている量が現実的な範囲だと感じます。


もはやナチュラルウェイトでリングに上がるのはヘビー級かミノワマンかくらいなっていますが、MMAは大幅な減量をすることがマストになり、減量のスキルも求められる過酷な競技であることをクローズアップすることが格闘技のスポーツ化を推し進めることになるのではないでしょうか。


やはり、格闘技がまっとうに世間に認められるには、何よりもまずブレない絶対的ルールのもとに行われるスポーツになることが必須です。


プロモーション・団体ごとにルールが違い、階級設定も違うようでは、永遠にプロモーション・団体の小さな枠内のプライベートイベントでしかなくなってしまいます。
それを“エンターテイメント”の一言で片付けてしまうのは宝の持ち腐れです。


宝とはもちろんアスリートたる選手たちのこと。
メジャーイベントが大同団結した次は、完全なる競技化への道を作ることです。


でもよほどの革命がない限り無理でしょうね。
せめてその運動を専門誌を始めとしたクラスメディアが引っ張っていってほしいですし、専門誌だからこそできるはずです。


格闘技を真のスポーツカテゴリーに昇華させるために・・・ゴンカクがその先端を走って欲しいものです。
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『格闘技通信』休刊問題を早くも座談会形式で記事化いた『ゴング格闘技』に拍手です。


(コアな)格闘技ファンなら気にならざるを得ない話題を、カクツー執筆経験ライターを集めてしまう企画に飛び付いた読者が多かったのか、私がチェックした都内約10の書店店頭では軒並みゴンカクな品切れか普段より品薄状態でした。


その座談会では各人による冷静な近況・現状の意見が交わされていて興味深かったですが、格闘技活字媒体が直面している大枠の現状打破に繋がる具体的処方箋案までは至っていなかったのが少々残念。
ビジネスに関しては経営陣に委ねるしかないのでしょうかね。


でもこれはたしかに!と同感したのは、格闘技雑誌といっても昨今はMMAが中心になってしまって、キックや空手など立ち技打撃系の記事が圧倒的に少なく、そっち系の選手は立ち読みすらもしないという話。
これは今後のヒントになるかもしれません。
MMAはMMA、キックはキックとよりジャンルに特化したクラスマガジン化したほうがコアニーズを開拓できるのかもしれません。


しかしながら、紙媒体を購入してまで・・・という購読層の数をベイラインに持っていくのも今の時代には正直しんどいかもしれません。


カクツーはモバイルは継続するそうなので、やはりウェブかモバイル、そして今後はアプリなど電子化していくほうが確実なのではないでしょうか。アプリとかも。


でも雑誌に求められているのは、やはり写真と試合レポートだと思います。
たしかにウェブやモバイルでは活字と写真でどこよりも早く速報されますが、雑誌なりの誌面のレイアウトやコピーの配置など、特別なビジュアルはあるはずです。


でも雑誌でやってきたことをあくまでも有料化して、雑誌以上のライブラリーやアーカイブを見せて行くことこそ、アプリでできてしまうはずです。
誌面に載せきれない写真をアプリではできるだけ多く見せて、大会の全ての試合を撮影しているならその全てを載せていけば、個人的選手目当てに来場した親族・友達・職場系応援団にもニーズが出てくると思います。その写真のダウンロード販売なんかも可能でしょう。都合がつかず、または遠方で見に行けなかった近しい人だってターゲットになります。
誌面では取り上げられないところがビジネスになるという視点で考えれば格闘技というコアなジャンルこそこれからはビジネス化の宝庫だと思います。


こうやって書いていてポジティブな勝算ばかり思い浮かぶので、この内容のサービスを自分で始めてしまおうかな、なんて。取り敢えず言っておきます。


形式にとらわれない著作物の有効最大限活用ができる時代の今こそ、格闘技メディアが格闘技サービスになる転換期だと思います。
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昨年大晦日のメジャー対抗戦を終え、今年に入ってから戦極サイドから3月の両国大会開催が発表されてはいますが、一方のK-1サイドからはまだ今年について何も正式発表されていません。


その傍ら、独立系プロモーションは新年第一弾興行をはじめ機敏よく情報を発信しています。
格闘技界を支えるのはこうした土台となる力の積極性に他ありません。


そんな中、私の琴線に引っ掛かりまくったニュースを一つ。


修斗のリングで、勝村周一朗選手が“里帰り”第二戦目にして、修斗フェザー級世界チャンピオンシップに挑戦!


これはランキングを重んじる修斗にとっては異例の大抜擢であり大英断ですが、王者の上田選手は目下敵なし状態で防衛記録を更新中。修斗の枠の中で新しい血であり、修斗での実績もあり、何より昨年11月の修斗復帰初戦でランカー相手に最高のタップアウト勝利のインパクトを残してみせたことが今回のチャンスに繋がったと言えるでしょう。


勝村選手は個人的に大好きなファイターの一人で、ファイトスタイルだけでなく、指導者としての丁寧さ、分かりやすさ、またジョーク好きのキャラクターなど、人間性も惹かれる尊敬すべき選手です。


勝村選手のブログから、その人柄は存分に伝わってきます。
http://blog.livedoor.jp/zst_katsumura


修斗からZSTに乗り込み、所英男選手とのライバル関係から盟友へと昇華し、いつしかZSTのプロモーション自体を担う役にまでなっていました。
その流れで階級を越えてDynamite!!やHERO'Sにも出場を果たしました。


やがて本人が願った修斗復帰。有言実行を果たし、勝利を掴み、チャンピオンシップへ・・・


3/22@後楽園ホール、勝村選手の檜舞台をライブで共有したいと思います。


以前勝村選手にもらった“Sensational”Tシャツは宝物コレクションの一つです。


勝村選手と同じPENTAX一眼レフカメラを持っています(笑)


テクニカルでエキサイティングな試合を期待しています!
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噂は本当だった・・・ということですね。


プロレスではあったものの格闘技的アプローチで一世を風靡したUWFをフォーカスする形で創刊された『格闘技通信』、“カクツー”がなくなってしまうとは何とも寂しいものです。


しかしここ数年はカクツーの“色”が薄れていたのもたしか。
独特の表現アプローチで等身大以上の伝達力を生む『kamipro』、海外取材の充実ぶりととことんコアな文字数でお腹いっぱいにさせてくれる『GONKAKU』と比較すると、老舗のブランドネームはあるものの肝心の中身に“熱”も“気持ち”も見えなくなってしまったかなーというのが正直な気持ち。
カクツーは定期購読していますが、届いた号を二回流し読みするくらいになってしまっていました。


と、定期購読の更新を今月したばかりだったではないか!
タイミングいいのか悪いのか、来月から一年分の購読料がすでにカード引き落とし対象になっているではないか!
ちゃんと払い戻してもらわないと。


カクツーは雑誌は辞めても現行のモバイルは続けるんですかね?
せめて続けてもらいたいものです。
時代に合わせてメディアサービスの形が変わるのはよいことですから。


記事も写真も動画も通販もあらゆる格闘技のサービスが詰め込まれたアプリなどでビジネス化再出発していければいいのではないでしょうか。


格闘技通信は谷川編集長時代のインパクトがやっぱり強いですねー。
結局“人”なんですよねー。
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Dynamite!! 〜勇気のチカラ2009〜
2009/12/31@さいたまスーパーアリーナ
デビュー戦完敗の石井はどうすれば光るのか


戦前にあれだけ幻想に包まれながらデビューする選手の数は決して多くない。というか、そんな“大物”の格闘技デビューなど滅多にあるものではない。だから、あくまでも、石井慧は特別だった。現役の、最新の、オリンピックゴールドメダリストの格闘技転向である。それはそれは日本格闘技界にとっては世間的話題になる待望の存在だった。視聴率は取った。石井の試合が民放中、最高を記録した。注目を集めていたことは数字で証明した。しかし、問題はその内容である。せめて善戦はしてほしかったものの、まったく何もできずに完敗。野球で例えれば一点すら取れない完封負け、しかもノーヒットノーランに等しい。こんな石井の現実にさぞかし落胆した者は大多数を占めるはず。石井のビックマウスからかけ離れた闘いぶりを知らしめてしまった今、石井に残された機会は戦極との契約が残っているあと一回のみ。さて、石井に何を望むべきか、列挙していってみよう。


1)何より勝利すること。
日本、アメリカ、ブラジルと、名門ジムを武者修行・・・と言えば聞こえはいいが、逆にこんな贅沢な海外遠征をできる格闘家がほかにいるかと言えばいない。誰もが羨ましいに決まっているトレーニングを続けながら、いざ実戦で何が見せられたかはご覧の通り。
石井は戦前、Dynamite!!で組まれてきた“イロモノ”マッチを否定したが、実は石井にこそ白星を確実に獲るための相手をあてがうべきだったのではないか。
奇しくも吉田が挙げたボブ・サップだったならば、もっと石井がポテンシャルを発揮して、勝ちもできたのではないかと思う。
もしくはホンマン、ボビー、カンセコ・・・この中の誰かでよかったと思うのは私だけ?
金メダリストが負けてはいけないし、負けさせてもいけない。


まあ、石井のデビュー戦は当初、戦極大会のメインだからこそ吉田になったわけで、Dynamite!!に移管された時点でバラすべきだった。
石井vs吉田という黄金カードはそれ自体が絶対的なメインとして扱われるべきだった。
その点、吉田にはプロモーター感覚があったということになる。


2)もっと人前に出ること。ファンを作ること。
デビュー戦を前に、契約になかっただのとの理由で石井は公開記者会見に姿を見せなかった。敗戦後もバックステージのインタビューにやってこなかった。
契約云々はいかにも芸能事務所的感覚であるが、少なくとも大会の目玉的存在なのだからマネージメントが止めたとしても自分から振り切ってでも出席すべきだった。
金メダルの実績はあっても格闘家ではグリーンボーイの最年少。言動が身勝手に映り、肝心な実戦があの内容では、ファンも総すかんだ。
残念ながら私のまわりに石井ファンはまだいない。
選手生命にとってファンは何よりも大事なサポーターである。
石井の天真爛漫さなら、まずはキャラクターでファンを虜にすべきだ。この辺は、日本の格闘技界はある意味芸能界でもあるのだから。


3)石井らしさ=必殺技を体得する。
昨今のMMAは“MMA”としての技術体系化が進みトータルバランスが必須条件になっているが、それでも、ファイターごとに得意分野=フィニッシュムーブがあり、それがファイター自身を表すものとして認知される。
例えば、青木から変幻自在のサブミッションであり、川尻ならテイクダウン&パウンドであり、所ならクイックムーブ&サブミッションである。
もちろん総合格闘技ゆえに何でも全てできる上での秀でたものが明確にあることで、観る者にイメージを植え付けやすくなり、選手としての個性を確立することになる。
ならば石井は何で自分を表すのか、ということである。石井が目標とするヒョードルはスタンドパンチ、パウンド、サブミッションとオールラウンドに武器を身に付けている。石井も全てをマスターし、どの局面でも対応し優勢を取れるようになりたいのだろう。しかし、デビュー戦を観る限りまだまだ時間はかかりそうだ。


時間がかかるのは当たり前だ。
しかし時間の過程の中で石井ならではのパターンを身に付けていく必要がある。
それがそのまま石井らしさになるのは言うまでもない。


4)アマチュアで経験を積む。
これが実は一番の本音である。金メダリストの価値はそのままギャラの高さに繋がっているのだろうが、初戦はとてもじゃないが金メダリストの片鱗すら見せられなかった。
石井が総合格闘技界で着実に経験と実戦を重ねていくつもりなのならば、アマ修斗やアマチュアパンクラス、DEEPのフューチャーキングトーナメントなどで実戦を重ね、実績を積み、一歩一歩階段を上がっていくべきだ。柔道時代こそそうだったはず。金メダルを投げ棄てて、正真正銘ゼロからの出発をしていったほうがよっぽど好感度もよくなる。
政治的エレベーターでひとっ飛びしても内容がついてこなければ評価も人気もついてこなくなってしまう。


以上4つのポイントを提言してみたが、石井には“バケモノ”になってもらいたいのだ。それなのに、「MMAをかじってみました」的なリング上での所在なき佇まいに失望させられた。
でも、格闘技界なら、これからもう一丁!と言ってくれる土壌がある。


続くデビュー二戦目が三月になるのか先になるのかまだ定かではないが、プロモーターは石井の実力に合った相手を用意し、石井に適切な経験を積ませてもらいたい。日本人でも外国人でもいい。そこで初めて石井の実力を知ることになる。


石井vsヒョードルが実現する日を待ちたいではないか。
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