戦極 第七陣
2009/3/20@代々木第二競技場
“違い”ははっきり見えた。日本で二つ目のフェザー級GPは、決して二番煎じではなく、独立した別物の価値を有するものであった。そう思わせる十分な内容と質を披露してくれた。戦極が追い求めるもの、戦極がこれから作り上げようとしているもの、それは日本格闘技業界全体の連携と底上げ。そう確信させてくれる采配も明らかになったことで、戦極という舞台が今後重要な役割を果たしてくれそうだ。
まずはメイン企画のフェザー級グランプリ。16名のエントリー選手の中で堂々と“ピン”の主役扱いだった日沖発が、与えられた立場をまっとうする完全ファイトでアピールしてみせた。
立ち合いから、流れるようにグラウンドからサブミッションへ移行し、観る者のため息を誘う。日沖らしさをダイジェストしたパーフェクトゲーム。日沖の次が観たくなったことは言うまでもない。
「日本の65kg級を引っ張る」と力強く宣言した日沖がどれだけやってのけるのか、このグランプリで日沖の実力査定包囲網は出来上がっている。
対抗馬となるのは現パンクラス王者のブラジリアン、マルロン・サンドロだろう。
階級ばなれした力強さが際立ち、なんと立ちながら肩固めを極めて落としてみせた。
サンドロを本命に挙げる声も多い中、「日本人が活躍するための舞台」というコンセプトで始まった戦極では主役たる日本人に勝ってもらいたいところだろうが、そう簡単に希望通りにはいかなさそうだ。
勝ち上がった外国人勢はまたまだ大きな潜在能力を感じさせてくれる。
中でも特に気になった存在は、MMAでは珍しいベトナム系アメリカンのナム・ファン。柔術家ながらもスタンドの攻防だけで試合を終わらせてしまった。
最近急激な成長ぶりを見せる韓国勢もフィジカルとハートで尋常なき強さを見せ付けた。
戦前は無名で地味なラインナップに一株の不安はあったが、終わってみれば次の期待に繋がった。結果、新たな人材発掘という格闘技界の命題に応える舞台として戦極への信頼度も増した。
早くも二回戦の組み合わせも発表された。開幕戦と同じく“日本vs世界”。
もし3人の日本代表が敗れようものなら、日本のための舞台が外国勢に占拠されてしまう恐れもあるが、そんなリスクは日本への試練とし、マッチメイクしてみせた戦極の心意気は本物だ。
さらに特筆すべきは、提携団体、ジム、道場の独立活動をバックアップする采配である。
リング上で挨拶した五味は、戦極の次回大会ではなく、修斗への“里帰り”参戦を発表した。その足で同日開催していた修斗大会にも駆け付け、アピールを果たした。
時の人となった北岡は王者のままホームリングのパンクラスに凱旋する。
廣田はCAGE FORCEで王座防衛戦に挑んだ。
中村和裕はアブダビコンバットに出場し世界大会出場の切符を得ている。
戦極という中立な大舞台を軸に関係プロモーションにも同時進行で旬な選手が勇姿を見せる。格闘技業界全体が数多くの組織の集合体で成り立っていることを鑑みた、縛りのない底上げ戦略は大いに好感が持てる。
リング上の闘いと業界の仕組み作り。「リアルを追求する」という宣言通りに戦極が軌道に乗ってきた。
2009/3/20@代々木第二競技場
“違い”ははっきり見えた。日本で二つ目のフェザー級GPは、決して二番煎じではなく、独立した別物の価値を有するものであった。そう思わせる十分な内容と質を披露してくれた。戦極が追い求めるもの、戦極がこれから作り上げようとしているもの、それは日本格闘技業界全体の連携と底上げ。そう確信させてくれる采配も明らかになったことで、戦極という舞台が今後重要な役割を果たしてくれそうだ。
まずはメイン企画のフェザー級グランプリ。16名のエントリー選手の中で堂々と“ピン”の主役扱いだった日沖発が、与えられた立場をまっとうする完全ファイトでアピールしてみせた。
立ち合いから、流れるようにグラウンドからサブミッションへ移行し、観る者のため息を誘う。日沖らしさをダイジェストしたパーフェクトゲーム。日沖の次が観たくなったことは言うまでもない。
「日本の65kg級を引っ張る」と力強く宣言した日沖がどれだけやってのけるのか、このグランプリで日沖の実力査定包囲網は出来上がっている。
対抗馬となるのは現パンクラス王者のブラジリアン、マルロン・サンドロだろう。
階級ばなれした力強さが際立ち、なんと立ちながら肩固めを極めて落としてみせた。
サンドロを本命に挙げる声も多い中、「日本人が活躍するための舞台」というコンセプトで始まった戦極では主役たる日本人に勝ってもらいたいところだろうが、そう簡単に希望通りにはいかなさそうだ。
勝ち上がった外国人勢はまたまだ大きな潜在能力を感じさせてくれる。
中でも特に気になった存在は、MMAでは珍しいベトナム系アメリカンのナム・ファン。柔術家ながらもスタンドの攻防だけで試合を終わらせてしまった。
最近急激な成長ぶりを見せる韓国勢もフィジカルとハートで尋常なき強さを見せ付けた。
戦前は無名で地味なラインナップに一株の不安はあったが、終わってみれば次の期待に繋がった。結果、新たな人材発掘という格闘技界の命題に応える舞台として戦極への信頼度も増した。
早くも二回戦の組み合わせも発表された。開幕戦と同じく“日本vs世界”。
もし3人の日本代表が敗れようものなら、日本のための舞台が外国勢に占拠されてしまう恐れもあるが、そんなリスクは日本への試練とし、マッチメイクしてみせた戦極の心意気は本物だ。
さらに特筆すべきは、提携団体、ジム、道場の独立活動をバックアップする采配である。
リング上で挨拶した五味は、戦極の次回大会ではなく、修斗への“里帰り”参戦を発表した。その足で同日開催していた修斗大会にも駆け付け、アピールを果たした。
時の人となった北岡は王者のままホームリングのパンクラスに凱旋する。
廣田はCAGE FORCEで王座防衛戦に挑んだ。
中村和裕はアブダビコンバットに出場し世界大会出場の切符を得ている。
戦極という中立な大舞台を軸に関係プロモーションにも同時進行で旬な選手が勇姿を見せる。格闘技業界全体が数多くの組織の集合体で成り立っていることを鑑みた、縛りのない底上げ戦略は大いに好感が持てる。
リング上の闘いと業界の仕組み作り。「リアルを追求する」という宣言通りに戦極が軌道に乗ってきた。
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2009年04月07日 16:36 |
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