天下統一目前のこえだめ一家は、蝦夷の地にいました。しかし、そのまま天下統一はできませんでした。何故なら、便所三郎は知ってしまったからです、世界には、食べる事にも困っている子供たちがいる事を、明日生きて行くことが困難な子供たちがいる事を。自分は、なんと小さい世界で生きていたんだと恥じて、「今日から、こえだめ一家は、世界平和の為に活動する。嫌な奴は出て行って構わない」と声高に宣言しました。まず、今まで父親替わりに育ててくれた柏さんにあやまる事から始めました。しかし、便所三郎は中学に入ってから、勉強という勉強をしておらず、世界平和と言っても、何からやればいいのかさっぱり分からなかったのです。ここから、便所三郎は、苦しい勉学の道を志すのですが。時、既に遅し。中学三年の十二月から、受験勉強をした処で、焼け石に水。便所三郎は、家から近い定時制の高校に進学する事に決めたのでした。さあ、便所三郎は高校に行き、何を学び、考えるのでしょう。

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