「月を目指す」

夜の街灯に引き寄せられた一匹の蛾
月と間違え 幾度も街灯にぶつかり続ける哀れな蛾
たぶんその蛾は あとは死ぬまでその街灯にぶつかり続けるのだろう

(僕の月は、果たして本物だろうか)

もう 今更だ
例え 死ぬまで街灯にぶつかり続ける事になろうとも
他の哀れな蛾と同じ様に街灯の足元に屍をさらそうとも
それが本物だと信じて 飛び続けるしかない
どちらにせよ 所詮 僕らには気付きようもないのだから
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