「それが真実」
空が青いことを知りたけりゃ 外に出るしかない
地球が丸いことを知りたけりゃ 海に出るしかない
世界の広さを知りたけりゃ 旅に出るしかない
いつだって 真実は自分の目で見るしかない
いつだって 行動を起こした者にしか真実は見えない
「十六夜の風に吹かれ」
満ちたりない月を眺め
くしゃみをひとつ
良い風だ
丸が削がれた月を見上げ
くしゃみをもひとつ
湯上がりの熱った体を
ジンワリと冷ます
良い夜だ
夜が明けたら
また明日の中に身を投げる
人の中にもみくちゃにされにゆく
けれど今は
とても穏やか
良い月だ
少し欠けているくらいがちょうどいい
そんな夜だ
「神だのみ」
てるてる坊主を作ろうが
雨が降るときには雨が降る
てるてる坊主を作るまいが
雨が止む時には雨が止む
わかっちゃいるけど
作らずにいられない
わかっちゃいるけど
何かせずにいられない
なるようになる
わかっちゃいる
けど
「旅立ちを見送る人へ」
誰だって 旅立っていく
ある者は 夢を追いかけて
ある者は 夢を探して
ある者は 夢を失って
ある者は 夢を忘れて
そしてある者は 旅に憧れて
皆 旅立っていく
だから いつまでも泣いてないで
笑顔で見送ってあげて下さい
帰るべき故郷には
どこからでも解るような目印が
必要なのですから
「異国の夢」
あなたが眺めていた朝陽を
十数時間遅れで僕は眺めている
でも僕はまだ夢から醒めていない
いつか あなたが十数時間後に再び出会う
夜明けの太陽のように
あなたの元へ帰って行けることを
眩しい光に包まれながら
今僕は 夢見ている
※2007年メキシコシティにて