月夜の散歩

帰り次第なる早でインコちゃんの元へ。

肩へ飛び乗るインコちゃん
からの耳軟骨ガブ。

待ち兼ねたが故の
痛みを伴う愛情表現。

お待たせしました。

足を厚めの靴下でガードし
その上から毛布を巻き込み
脚を伸ばして座り
爪先をヒョコヒョコ動かすと
ピィピィ♪ともれなく
足指に恋するインコちゃんが寄ってくる。

足と足の間の毛布をたゆませると
ハンモックの如く間に
すっぽり収まるインコちゃん。

足指を小刻みに
高速で動かすとピィピィピィ♪
と喜びに震えはしゃぐインコちゃん。

嘴を擦りつけたり
ガシガシ甘噛みしたり
スリスリしたり。

動きが止まると
キラキラした期待の眼差しを
こちらに向けるインコちゃん。

バランスを取りながら
根性であやし続ける
可愛くてたまらないが
両足がつりそうです。

ユラユラと揺りかご状態を
何とか保つ。

飽きずに遊ぶインコちゃん。

可愛いから頑張れる
対インコちゃん専用
自力アトラクション。

嫌な予感がしていた。

帰宅すると可愛いインコちゃんが
チャーチャー呼んでいる。

少しゆっくりしてから会いたい。

ゆっくりした後で行くと
ヒョコっと可愛い顔を
覗かせるインコちゃん。

私が近づくと引っ込んで
私が引っ込むと近づく。

ヒョコヒョコと
そのやり取りを繰り返した後
ヒョイと肩に乗るインコちゃん。

直後の唇へのガブが
クリティカルヒット。

貫通したかと思った。

血はでないけど
ぷっくりし出す唇。

悲しい顔をすると
離れたところで
すんすんするインコちゃん。

何故解り合えないのか
おふざけがいけなかったのか。

此方も其なりに
不貞腐れてると
いつもより距離を取るインコちゃん。

暫くしてふと思う
インコちゃんは嘴で
感情を伝えるしか
方法が無いんじゃないかと。

そういう様な事を
ニギコロされてるインコちゃんに
伝えると興奮し出して
首をブンブン
今にも吐き戻しそうに。

寝る？って聞いても
寝る！って言わないし
ケージに連れていこうとしても
飛んで逃げる。

髪の毛を繕ってくれて
手の中で顔をカキカキ。

するとインコちゃんの
目の上の羽が二枚逆立ち
偶然にもハートマークに見えた。

私から離れないインコちゃん。

尾羽を広げてコココッと
威嚇しながら首回りを
うろちょろされると
ちょっと怖い。

間も無く噛まれる
予感がする。

ま～噛む噛む
血はでないけど
痛いは痛い。

其以上に可愛いので
噛まれながらそっと手包み
どうしたの～ってなる。

どうもこうもない。

怒ってるのに
全然離れないインコ心理。

嘴と羽を広げて
手の平に迫って来るのを躱す。

何か言ってる文句を言ってる。

カミカミしながら
ピタッとくっついて離れない。

ガブガブされてると
何故解り合えないのかと
何だか悲しくなってきた。

悲しい顔をしていると
インコちゃんがスッと離れて
すんすんと首を傾けて
落ち込んでいる。

様に見える。

でもまた噛むんでしょう？
って思っていたら噛まない。

どんだけ賢いんだと思う。