11月下旬の某日 千葉に住んでいる姉から連絡が入ったんすよ なんでも、泉太郎と二人で昼のうちに舞浜駅まで来いとのことなんですが・・・ 「舞浜て?・・・ちと意味がわかんね〜な」 「まぁ、でもおれらを呼び出すくらいなんだから、立ち呑み屋くらいはあんじゃね〜か」 「めんどくせぇから酒呑みながら行くか?あのネズミで有名なとこだけに、これがほんとの“缶チューハイ”なんつって」 「ククク、てことは急性アルコールチュー毒で、ぶらり途チュー下車したりしてな」 「それ、ぶらりじゃね〜だろ」 阿吽のジョークで、軽い動揺をやり過ごして数日経過 当日、まさに行楽日和の快晴の中、舞浜駅到着 そこは平日の駅前なのに、ま〜ずいぶんと浮かれたテンションの人たちが大勢いましてね 小脇に抱えたおれの東京スポーツが、問答無用で浮きまくるのなんのって! どうやら、ここにいる人たちは、清武元代表(この日の東スポ一面)の動向や街頭淫タビューに、まるで興味がないらしい みこすり半劇場には、人生のすべてがつまってんのになぁ あ〜もったいない そんなまわりにいる人全員が外国人に感じるほどのアウェイの中 なるべく人と目を合わせないよう若干白眼気味に歩く泉太郎とおれを、軽やかな足取りの姉が、やたらとメルヘンチックなモノレールに導きました なんでも今日は泉太郎の誕生日を祝うため、2つ先の駅にあるホテルのビュッフェを予約してあるとのこと ひゃ〜、池袋の北口か新宿のしょんべん横丁が専らの二人が、あの舞浜でビュッフェですって マジで大丈夫すかね? つ〜か泉ちゃんが誕生日だったとは、こりゃうっかりですわ なんとな〜く11月っぽかったような気はしてたんだけど、それが何日だったのか今までよく知んないまま、39年過ぎちゃてましたよ ま、いっか 泉ちゃん、おめでとう あと15年おれの酒に付き合ってくれたら、そんときゃ風俗奢るんで そんでコトが済んだら、また呑もうよ 家族連れでごった返すメルヘンチックモノレールの中で、そんな親子ならではの心あたたまる会話のキャッチボールをしつつ、ホテルに到着 ロビーでは、お菓子のお家がお出迎え その手には乗らないぞと ビュッフェと聞いてビビるわけないだろと 未だアウェイの中、いよいよホールに突入したんですが な〜〜〜ぜおれは、ここに至るまで東スポを捨てずに持ってきてしまったのかと、あっさり白旗あげてしまうほどの場の演出の見事さに、即圧倒されましてね 取り放題のメニューも明らかにグレードが高く、他のお客さんも食事を思う存分楽しみに来ているのがみてとれて、とてもお酒を呑むどころじゃない雰囲気なんですわ くっそ〜、ここまで来たのに酔っ払えないのね・・・ ここは大人しく飯だけ食って帰るしかなさそうだと諦める前に、一応店側に小声で確認 「あの〜ひょっとして、呑み放題なんてやってたりしちゃったりします?」 「はい、大丈夫ですよ」 なんとプラス¥2,000で呑み放題が可能だとの、思いもよらない回答が! へ〜、あの超メジャー遊園地が乗り物に乗らなくても楽しめるとこだったなんてねぇ 生きてて良かった(泣) なのでこの日 おれと泉太郎は 料理らしい料理にはほとんど手をつけずに チーズをつまみに、気がつきゃ他のお客さんが誰もいなくなるまで しこたまやっちゃいました 宴も終わり、姉に土下座気味の礼を言うベロベロのダメ親子 夕暮れどきの帰りのモノレール そこそこ混雑していたにも関わらず、おれらのまわりだけすいていたのは、やはりそこには似つかわしくないアルコール臭が漂っていたからなのでしょう 乗り合わせた皆様 その節は、大変失礼いたしました も〜二度と伺うことはないと思うので、これからも贔屓にしてやってくださいね て言うか、これで反省すれば良いのですが 確かこの帰りの道中で、こんな会話をしていたような・・・ 「次はさ、テレビで有名なあのシェフのイタリアンレストランあるじゃないですか」 「えぇ」 「数ヵ月待ち覚悟で予約入れて、待つだけ待っていよいよ店に行ったらですね」 「はい」 「席につくなりホッピー頼んで、ない言われて怒って帰りましょうよ」 「はいはいはい」 どんだけ暇なんだ!

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