心に効く

ふと思い立ち。

幼少期を過ごした
商店街はまだ残って
いるのだろうか。

ネットで調べたら
シャッター商店街化していて
それでも幾つかの
店は残っているらしい。

近場でも冒険気分で
バスに揺られる。

降り立った途端
不思議な気分に陥った
胸が痛むような後悔するような
悲しい気持ち。

シャッターが降りている
と言うよりは
そのシャッターすら
半開きで風雨に晒されていて。

建物はこんなに
低かったか
文房具を買った店は
駄菓子屋は
ケーキ屋は
中華店は
米屋は
酒屋は
鮮魚店は
何処いった。

単に寂れただけじゃない
物悲しい雰囲気。

滅びに滅亡。

そんな言葉が過り
気が滅入る。

盛り返しているんじゃないかと
思っていたけれど
盛り返すには一旦
更地にしないと
どうにもならないかもしれない。

100%余計なお世話
だと思うがベンチに座る
年配の方々に勝手に感じる悲哀。

自分が勝手に悲哀を
感じられたら
そこんとこどうなんだと
自らを戒める。

レトロ感は大好きだけど
そういう問題じゃない
侘しさを感じる。

そんな中変わらず
営業を続けていた
昔からある惣菜店。

コロッケ40円で
変わらぬ味に時間が戻る。

当時から10円しか
値上がりしていない奇跡。

なるべく同店で
夕食を買い込んでみる。

歩く程悲しみと
淋しい気持ちが増す商店街。

目を閉じればあの時の
ざわめきや夜店の
賑やかさを鮮明に
思い出す事が出来て
自分にこんな芸当が
出来たのかと感心。

シャッターの間に
ポツリと開いている
定食屋があったが
惣菜買い過ぎて寄れない。

悲しい気持ちで後にして
地元に帰ると
まだ賑やかで安心する。

見付けてから足繁く通う
八百屋と豆腐屋の
爺ちゃん婆ちゃんが
今日も元気で嬉しい限り。

1個150円程のフジ林檎は
パリッとしていて蜜入り
果汁たっぷり。

有り難く噛み締める。
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