ども、大石真翔です。

ちょっと昔の話をしよう。


ボクがまだ大学生で、サンボとプロレスだけが生き甲斐だった頃の話。

ボクの記憶がたしかなら、今から12年前…1998年、あの人に出会った。


その日ボクは大学の仲間達と、みちのくプロレスを見に行った。

年に数回八戸にやってきていたみちのくプロレス。ブルーシートに座り、すぐ目の前で見るコトが出来るプロレスを、ボクらはいつも待ちわびていた。


その日は見馴れないレスラーがいた。

バトラーツから参戦していた若手レスラー、日高郁人だ。


ボクとそんなに身長が変わらない彼は、まさに"等身大"のヒーローだった。

生意気だったボクは、試合を見ていた彼に話かけた。

当時、絶賛失踪中だった大日本プロレス、藤田穣(現藤田ミノル)の話をしたと思う。

彼はこんな迷惑なガキの話を聞いてくれて、藤田選手とは連絡を取ってるから大丈夫、すぐに帰ってくるよ。と笑ってくれた。

そして、このガキはさらに迷惑なコトに自分の話をしはじめたのだ(!)。

ボクは大学でサンボをやっていてうんぬん。

サンボのトーナメントで優勝してうんぬん。

すっかりテンションの上がったぼくは思わず、大学を卒業したらプロレスラーになりたいんです!なんて…。

すると彼は、いいね!じゃあバトラーツにおいでよ。とまた、笑ってくれた。

素敵な笑顔だった。

その日の試合のコトなんかまったく覚えていないのに、この出来事だけは忘れられなかった。


この日から日高郁人はボクの憧れになった。


大学を卒業したボクは、いろいろあって、なぜかプエルトリコへ。

一年後、プエルトリコでデビューしたボクにTAKAみちのくが聞いた。日本に帰ったら誰と試合がしたい?

日高さんです。ボクは即答した。

すると、お前と日高だったら良い試合、出来そうだな。と笑った。

いやらしい笑顔だった。

帰国後、先に日本デビューをしていた柏大五郎が、日高さん、お前のコト覚えてたよ。と言ってきた。

!!!!?

柏大五郎が言うには、日高さんがあのみちのくプロレスでの出来事を覚えてくれていたそうだ。

よかったな。柏大五郎は笑った。

不細工な笑顔だった。


実は一度だけ、シングルマッチをしたコトがある。

KAIENTAI DOJO旗揚げ前、ボクがみちのくプロレスで日本デビューして、何戦目だったか。

そうだ、ボクが日高郁人のファンだったことを知ったテッド田辺さんが、ボクの日本デビュー祝いにプレゼントしてくれた、シングルマッチだった。

しかし残念だが、この試合の記憶はほとんど、ない。

巡業中、日高さんは時間が出来るとスパーリングの相手にボクを選んでくれた。試合後にアドバイスをくれることもあった。


ボクはずっと、日高郁人を想い続けてきた。


日高郁人に憧れて。日高郁人を目指して。日高郁人と戦いたくて。
日高郁人に勝ちたくて。


あの日から12年たった。

2010年2月14日。バレンタインデー。

ボクは日高郁人に今までの想いを伝えようと思う。

ボクはプロレスラーだから、気持ちを伝えるのにチョコレートはいらない。

思いが伝わったなら…その先が、きっとあるはずだから。

今年のバレンタインデーは、きっと最高のバレンタインデー。

一世一代の告白を、しようじゃないか。


すっかり気分は女子高生(ハート)。


画像は永遠の女子高生、シャケ美。チョコレートは食べる派です。
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