ヒロトウナイの話です

ヒロトウナイと聞いてピンとくるプロレスファンがどれくらいいるでしょう？

KAIENTAIDOJOを見たことない人にどれだけの知名度があるか？

キャリアは五年くらいになるがまだまだKAIENTAIDOJO外での知名度は低い

デビュー戦も同期の二人に滝澤、ランディに出遅れてスタート

地味で何の特長もない若手レスラーだったトウナイ

様々な転機があったが怪我に泣かされなかなか浮上することなかった

運動神経がいいわけでもなくでかいわけでもないトウナイ

地味ながら地道にコツコツやってきた自力がここにきて開花した

今でも決して派手さはないが得意の腕攻めのバリエーションは無限大

あらゆる体勢、流れから腕を決める

さらには一瞬の丸め込みも持っていて先日の大阪大会でタッグチャンピオンになったばかり

そんなトウナイと久しぶりに真っ向勝負

実はトウナイのデビュー戦は俺が相手している

しかしまったく記憶にない

まるで印象に残らなかったのだろう

あのときのトウナイを知るものからすれば感慨深い

徹底した腕一点集中

無駄な動きが一切ない

勝負どころでの変化球で蹴りがくる

戦前はまだまだトウナイには負けるわけないから少し楽しもうと余裕があった

しかしそんな思いは試合途中で飛んでいた

早く殺らなきゃヤられる

焦れば焦るほどトウナイの術中にはまる

攻め続けられた腕の感覚がなくなり始めた

トウナイは腕関節を決め逃げようとするとその動きに合わせて次の関節に入る

しかし後半勝ちを焦ったんかなその流れるような動きにある一定のパターンがあることに気付かされた

そこに隙ができた

その瞬間に一気にフェースロックで締め上げる

これを逃したら俺には勝機はない

そう思い一気にいく

辛勝だ

俺の腕はどす黒く腫れ上がる

まさかここまで苦戦するとはね

あのトウナイがここまできたか

ロープワークもフォールも一度もない

まさにKAIENTAIDOJOスタイルの究極系

切り返しの攻防のみで決着

いま一番KAIENTAIDOJOスタイルを体現する男かもな

これからのヒロトウナイが楽しみである