少し前ですが、大阪の朝日カルチャーセンターで「監督術」という
タイトルの講座を聴講しました。 講師役は神戸女学院大学教授で
合気道の指導者でもあられる内田樹先生、韓氏意拳教練の守伸二郎
さん、びわこ成蹊スポーツ大学野球部監督の高橋佳三さん、
元ラグビー日本代表で神戸親和女子大学助教の平尾剛さんの
4方で、それぞれの立場、経験から、多くの興味深いお話を聞かせて
くださいました。

先生方のお話を踏まえて、コーチとしてアマチュア野球に携わる
僕が心に刻んだのは、「すべての鍵は選手自身が握っている」と
いうこと。 僕らができることは、選手が知らず識らずのうちに、
あるいは分かっていながら、自分自身を封じ込めている見えない檻
(技術的限界だとか、恐怖、遠慮などの心理的な縛り)を開放する
ための鍵の在り処を見つけてあげたり、扉を開けて背中を押して
やったりすることくらいなのだ、ということです。

指導者と呼ばれる人たちは(僕も含めて)、往々にして、過去に
自分がやってきたことや理想と考えてきたことを、至上のものと
して選手の心身に詰め込もうと試みます。 でも、それではたとえ
上手くいったとしても自身のコピーを生むだけ。 自分で考え、
行動し、自分でも想像もしなかった風に成長していく、選手から
そんな醍醐味を奪ったりしないように、指導者の側も縛りを
ほどかなくてはならないと思います。 そして、忘れてはならない
のが、周りの人々を尊重し、互いに感謝する気持ち。自分至上主義
では決してよい結果は生まれません。 僕自身、若いときには
この気持ちを欠いていた、という戒めを胸に、精一杯選手たちに
伝えていきたいです。

大切なことにあらためて向き合う機会を与えてくれた先生方に、
心から感謝します。
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大阪市立大学硬式野球部の夏合宿に最終の2日間、臨時投手コーチと
して招かれました。 市大野球部の合宿に参加するのは、春に続いて
今回が2度目。 選手たちの成長ぶりを楽しみに、大雨の中、手に
汗握るドライブの末、徳島県阿南市に到着。 あいにくの悪天候の
ため、室内練習場での再会です。

まずは、投手陣の球速、制球力が格段にアップしているのに驚きまし
た。 しかし、まだみんな高い潜在能力を持ちながら、練習量や試合
経験が足りないために、本来の力を出し切れていません。 
「プロでも通用する」 と思わせる逸材だっているのです。
お互い、前回のような緊張や警戒もなく、リラックスして一人一人
投球フォーム、身体の使い方、トレーニング法など、より有効な
方法を一緒に探していきます。 選手達は、変わることを素直に
楽しんでくれ、僕も大きな充実感を感じるとともに、責任の重さを
肝に銘じます。
雨の上がった夜には、グラウンドに出てナイター練習。 
街の蚊とは比べものにならないパワーを持った、田舎のヤブ蚊の
猛攻撃には、ほとほと参りました。

翌日はうって変わっての晴天。 あなんアグリスタジアムは周りを
自然に囲まれ、聞こえてくるのは蝉や野鳥の声と、風や木々の
ざわめきだけ。野球に集中するにはもってこいの環境です。
前日出来なかった走り込み、実践形式のピッチングを行い、
達成感に満たされて、最終日を締めくくりました。
選手達からは「自分の殻を破れた」「目指すスタイルがみえてきた」
といった感謝の言葉をもらいました。 僕も色々な可能性をみせて
くれた選手達に心から感謝しています。

次回の交流を楽しみに、秋のリーグ戦での健闘を祈ります。 




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