柏さんが、ネグレクト(育児放棄)の意味を知ったのは、だいぶ先の事になるが、話は進んで、便所三郎は小学生になりました。柏便所三郎。こんな名前だから、当然の如くいじめられた。しかし、持って生まれたうたれ強さと明るさで、時間が経つに連れて友達もできた。ついたあだ名が[こえだめ]だ。柏K便所三郎。KKBなんて呼ばれたりもした。クラスで人気者になった便所三郎は、学級委員長にまでなった。しかし、人気者になって、煙たがる人間もいた。上級生のガキ大将ヨシヤだ。昼休みに、便所三郎のクラスまで来て、「オラの姉ちゃんは、こえだめに落ちて死んだんだ。お前を見てると虫酸が走るんだ」と凄んできました。当然ながらヨシヤの姉は、こえだめに落ちて死んでなどいない。ただ因縁をつけたかっただけだ。先生に相談する事もできず一人で悩んでいた便所三郎にクラスメイトの一人が「一人じゃ何も出来なくても、仲間がいるじゃないか。KKB戦おう」と言ってきた。その言葉に「これは、泣いてるんじゃない。嬉しくて目から汗がこぼれてるだけバイ」と泣きながら強がって見せました。そうして上級生ガキ大将グループとの戦争を心に決めたのでした。

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