昨夜は大阪のホテルで、久光製薬さんの講演会に講師として呼ばれました。
整形外科医のみなさんが集まる講演会で、みなさん、やはり体に対する意識が高いせいか話の理解度も深く、ボク自身も勉強になる、非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。









さて夕方、会場であるホテルに向かう車中で、NHKの社会部から電話が。
「高校のゴルフ部の練習中に、コーチの打ったボールが生徒にあたり、頭蓋骨陥没の……」

まずは驚き、やがて嘘だろうと耳を疑い、コーチがPGAのライセンスを持ったプロゴルファーだと聞くに及んで、開いた口がふさがらないというか呆れるというか、なんだか悲しくなってしまいました。

報道によれば、生徒を60m先に立たせ、ドライバーで打ったボールの球筋を見せていたのだとか。生徒には万が一の場合を想定してか、ミットを持たせていたとも。

ゴルフは老若男女が楽しめる国民スポーツであることは確かですが、同時にスポーツである以上、常に危険が伴っていることを忘れてはなりません。しかもこの世に存在する球技と呼ばれるスポーツの中で、投げるより蹴るより、どんな道具を使うより、最も飛距離が出る球技が他ならぬゴルフなのです。クラブの中で一番小さなウェッジで打っても、東京ドームの外野席に打つことが可能なのです。

そうしたゴルフの本質をわきまえず、これからのゴルフ界を担う子どもたちを、飛球線方向に意図的に立たせること自体、ボクは罪ではないかと思うのです。ましてドライバーで打った球筋を60m先で見せるなど、殺人行為と呼んでも過言ではないでしょう。だいたいドライバーで打ったボールの威力は、60m先の人間がミットで捕れるものではありません。その辺のイマジネーション不足はプロとしては致命的だし、打ち損なった現実からみても、子どもたちに理解させる球筋を見せるだけの技術があったかどうかも疑問です。

少なくとも指導者と呼ばれる者は、その分野の楽しさや喜びを教えることが最低限の義務ではないでしょうか? まして清々しさや潔さ、美しさや感動を伴うスポーツの指導者であればなおさらのことです。そういう観点からして今回の事故は、なんだか虚しさとやるせなさと、後味の悪さだけが残ってしまった気がします。

ケガをされた生徒さんの1日も早い回復と、ゴルフが嫌いになることのないよう心から祈るとともに、周囲の方々のサポートに期待しています。


そんなこともあり、今日はジュニアたちを集めて、「いい汗を流して、ここに来て良かったなあ。ゴルフができて楽しかったなあ。そんな1日にしよう!」と、そんな当たり前のことをスタッフ、生徒たちと再確認しました。









さてさて夕方には、しのぶのキャディのために北海道入り。
腰痛が気になりますが、スポーツマンシップでみなさんに感動を与えたいなぁ、と思っています。

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