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第二次UWF時代、博多スターレーン。
レガースを外したほぼグラップリングマッチで「スパーリングじゃないんだから」と先輩レスラーからは責められるもファンには受け入れられた。


パンクラス時代、両国国技館。
互いに信じた”理想郷”で遂に雌雄を決し、ブランドイメージ通りのハイスパート&ノンストップな秒殺劇に満足度は最高潮に達した。


それから15年。


純粋なプロレスの舞台でまさか両者が再会する。
この間、複雑な関係になったことがなんとなく分かる。


船木はヒクソンに敗れ、現役引退。そしてパンクラスからも離れる。
やがて格闘技に復帰。しかし目立った結果は残せていない。


鈴木はパンクラスの名を背負いながら、プロレスラーとして各団体を股にかけた。
ベルトを腰に巻き、年間MVPにもなった。大物の地位を掴んだ。


船木の選択は全日本プロレス入団。
まさか、どうして、鈴木との接点ができた。


久方ぶりの交わりの地は両国国技館。
タッグながらも大方の興味は2人に集中していた。


3度目のシングル戦、全日本プロレス、横浜文化体育館。
鈴木のお膝元で、プロレスらしく反則暴走の不透明決着。


以来タッグでは何度も相まみえ、船木が王座奪取という付加価値ができた。
鈴木は船木に対して暴走をエスカレートさせた。


そこで鈴木が持ち出したネタが”金網”である。
逃げ場のない完全決着のため。


パンクラス時代にUFCに出撃していたなら・・・の金網ではない。
俗に言う”金網デスマッチ”。流血戦は必至だ。
しかしその血は凶器によるもの。


なんという振り幅。
あの頃の理想郷とは真逆の世界で、プロレス〜格闘技移行期の象徴的存在同士が一騎討ちとは。
ところも同じ、両国国技館。


私はこれも、ハイブリッドのひとつとして捉えたい。
”ハイブリッドレスリング”という響きがとてつもなく好きだった。


船木と鈴木のハイブリッドストーリー。
こんなことができてしまうのがプロレスの魅力である。
パンクラスもプロレスなのだ。


ならば、その筋を貫いている者のほうが強い。
今度は鈴木が船木に白目をひんむかす番だ。
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