「十六夜の風に吹かれ」

満ちたりない月を眺め
くしゃみをひとつ
良い風だ

丸が削がれた月を見上げ
くしゃみをもひとつ
湯上がりの熱った体を
ジンワリと冷ます
良い夜だ

夜が明けたら
また明日の中に身を投げる
人の中にもみくちゃにされにゆく

けれど今は
とても穏やか
良い月だ

少し欠けているくらいがちょうどいい
そんな夜だ
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