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UFC FIGHT NIGHT:FLORIAN vs GOMI
2010/3/31@ノースカロライナ



すでにネット動画で視聴済みだったファイトも、改めて大きなテレビ画面で見直すと、新鮮な発見があったことが嬉しい。テレビというハードの力はまだまだ絶対だ。


視聴率は4%と、民放最下位だったが、ここでは数字を語るつもりはない。
テレビ東京にとっては普段通りの数字であるゆえ、初めて放送した格闘技番組で通常時をキープできただけで十分ではないか。
ライブ中継されるならまだしも、放送時間にリアルタイムでテレビの前にいなくても容易に録画できる時代に、視聴率調査対象世帯の4%がチャンネルを合わせてくれたのだから、ここからどうやって観た人の興味を広げていくかを考えていくべきだ。


放送をそのまま映画館で観ようというパブリックビューイングのような試みは地道にやっていくべきだ。
番組提供スポンサーでもあった新宿バルト9とバーター的なお付き合いだったのだろうか?


肝心の番組は一時間枠、CM枠を含めて正味50数分でできる限り無駄なくコンパクトな作りに好感が持てた。


日本の格闘技中継やメジャー系イベントではいわゆる“煽りビデオ”が定番メニューになっているが、今回の番組では必要最低限の紹介ビデオに抑え、試合にフォーカスされていた。
もちろん番組尺の都合もあっただろうが、実はUFCこそ煽りビデオに頼らぬ中継番組&イベントスタイル。金網オクタゴンの中で雌雄を決する2人のファイターに余分な装飾は必要ない、というブランドクオリティへの自信がUFCの血となり肉となっているのだとすれば、現在進行形の隆盛状態に納得がいく。


UFC日本版地上波中継は、宇野〜岡見〜五味とスムーズに進んでいった。五味戦はラウンド間にCMブレークも挟まず一気にフィニッシュまで放送。この構成にかえって驚いてしまったが、試合に集中できたことは確かだ。
流れよく進んだ番組だが、そこで大きなエッセンスとなったのが秋山の喋りまくり解説だった。


実況アナウンサーとプレイヤーゲスト解説の2人というシンプルな構成も、秋山の“まるでセコンド” トークが大勢の印象を残す斬新ぶりだった。
賛否両論あると思うが、私はいまだにヌルヌル事件の嘘つきぶりは許せないが、秋山のゲストトークはありだ。
実際のセコンドぶりに限りなく近いトークで、番組を観る者に試合の臨場感が伝わったはずだ。


そーっ、そう、そう、そう!


回れ、回れ、回れ、回れ!


立て、立て、立て、立て!


オッケー、オッケ、オッケ、オッケ!



ナーイス、ナイス、ナイス、ナイス!


なんだか盛り上がってきませんか?


UFCのオーディエンスの盛り上がりっぷりと重なり合った秋山のトークっぷり。両者の相性は実はマッチしていたのかもしれない。
日本の格闘技ももっと盛り上がればいいに決まっている。テレビ東京でのUFC中継に次回があるか分からないが、なるべくプレイヤーゲストを活かした、今回のようなまるでセコンドトークを他局も副音声でいいから導入して、新たな角度から格闘技の魅力を一般層に広げていく工夫を続けて行って欲しいものだ。


まずは手っ取り早くWOWOWの中継に秋山導入はいかがだろうか?
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