日本昔ばなしで私が一番覚えている話です。
私の恐怖概念はこの話で構築されたと言っても過言ではありません。さくらちゃん10才の時。

以下、日本昔ばなし〜データベース〜からリスペクトを込めて抜粋参照させていただきます。


崖の途中に取り残された、哀れな一人の男の話
ある山に、岩茸(いわたけ)を採って暮らしている「吉作」という若者がいた。独り暮らしの吉作は山の男らしく、身も心も清くたくましい立派な若者だった。

ある晴れた日、初めて入った傾山(かたむきやま)のある岸壁で岩茸を採っていた。岩茸はそそり立つ断崖絶壁の壁面に生えているため、綱一本に捕まりながら採るという大変な仕事だった。岩茸はたくさん採れ、ふと崖の途中に人が座れるくらいの小さな岩棚があるのに気が付いた。苦しい姿勢が続いていた吉作は、岩棚に降りてしばらく休憩する事にした。

岩棚に座って十分に休憩しそろそろ上にあがろうとすると、今までぶら下がっていた綱に手が届かない。吉作の体重を支え伸びきっていた綱は、吉作が手を放した際にずいぶん上の方まで上がってしまっていた。吉作は、岸壁の途中に一人で取り残されてしまった。

吉作は声を限りに何度も叫んだが、その声は岸壁にこだましまるで化け物の叫び声のようになった。何日か経ち、吉作は飢えと寒さのためほとんど意識を失いかけていた。おぼろげな意識の中で、「鳥のようにふんわりと飛んで着地できるかもしれない」と錯覚し、崖の岩棚から身を踊らせた。吉作は、美しい紅葉で赤く染まった谷間に消えていった。

後に、この事を知った村人達はあの岩場を「吉作落とし」と名付け、山に登る人々の戒めとしたという。

これは大分県の伝説のお話だそうです。HPには、“吉作落としの場所ココ”と地図も載っていました。恐怖再襲。

補足ですが、「鳥のようにふんわりと飛んで着地できるかもしれない」と思ったのは、岩棚から小石が落ちた時、その小石がゆったりと落ちていく様をみて“自分もあんな風に・・・”と錯覚したのです。

また市原悦子さんのナレーションがしびれるのよ〜。

日本昔ばなし、『吉作落とし』機会があれば見てください!




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