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黒スーツの男からOKをもらい、
いさんで搭乗口へ向かおうとする私をお姉さんが呼び止めました。

お姉さんは「もし荷物検査で引っかかったら、今度こそアウトです。
そうならないようペットボトル、化粧水の類があれば、今ここで私が没収します」
と、私のカバンをチェックしはじめました。
“そういえば機内への持ち込みが厳しくなったんだっけ…?”
と、ここでも無知を全開しつつ、私は液体系の小物類をお姉さんに渡しました。
没収は惜しいですが、ここは仕方ありません。

ペットボトル、化粧水、日焼けジェル…

そしてこの時、悲劇が起きました。

「これは…なんでしょう。とりあえず預かって破棄しておきます」

お姉さんは有無を言わさずカバンの底にあったひとつの缶を没収しました。

缶の正体…それはラーメン缶。

そう、先日ブログで紹介したアレです。
私はラーメン缶をタイに持っていき、
現地の人たちに「これが今の日本の最先端文化です
と、紹介しようと考えていたのです。
しかし、ラーメン缶は液体とみなされてあえなく没収。
私の異文化交流の夢は絶たれました。

両腕にラーメン缶と化粧水と日焼けジェルを抱えたお姉さんに
「これらは私が責任もって破棄しますから〜」と見送られながら、
私はまたダッシュで搭乗口へと走りました。

そして出発5分前、無事に飛行機に搭乗し、座席へと座ることが出来ました。

ようやく訪れたかに思えた安息の時。

しかし、私が無事眠りにつけたのは、もう少し先の事でした。

→続く
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大幅に遅れながらも空港に到着し、集合ゲートへと走ると、ゲート内で
「広田さんですかー!急いで下さい!」と叫んでいる女の人が見えました。
電話で話していたお姉さんです。
私たちは合流し、一緒に走り出しました。

二人で航空会社“チャイナ・エアライン”のゲートへ走る。
成田空港ロビーを人を掻き分け走る。
しかしお姉さんは、走りながら「きっともう無理だと思います」と、
とても冷静に言いました。

「気をつけてね」と送り出してくれた事務所の人たちの顔が思い浮かびました。
ここまで来て“乗れませんでした”なんて許されない話です。
そうなったらもう、性転換してスキンヘッドにして、指紋とか焼きつぶして、
誰にも知られぬよう、別人としてこの国で生きていくしかありません。

ようやく空港を走りきると、チャイナエアラインのゲートが遠くに見えてきました。
「あそこをくぐれば、憧れのタイに行ける…!」

ところが、黒スーツの支配人らしき外国人の男が
突然ゲートの前に立ちふさがりました。
黒スーツの外国人の男は、私たちに向かって
“もう無理だ”とジェスチャーしています。
それもそのはず、時計はすでに9:15を回っていました。

それでも私たちはゲートに駆け込み、
「どうかお願いします。この馬鹿な日本人女を乗せて下さい」と懇願しました。
黒スーツの男は苦い顔をしながら無線機で管制塔か何かに連絡を取り、
面倒くさそうに「ヘイ、開けてやってもいいか?」とか何とか話していました。
私たちは、そのやり取りを祈るように見守るのみです。

黒スーツは無線を切ると首を左右に振り、
目をつむったまま下を向いて深いため息をつきました。

「……!」

私はショックで言葉を失いました。

しかし次の瞬間、スーツは顔をあげ、笑顔で親指を立てました。

「OK、GO!!」

さすが外国人。
頼んでもいないのに芝居がかっています。

こうして、タイへの門はようやく開かれたかに見えました。
ところが…

→続く
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こんばんは。

『誰ウル』初回の今日は、まだタイに飛び立つ前の段階です。
だって、事件はすでに飛び立つ前に起きたんですから。

何度も言いますが、私は海外一人旅は初めてで、仕事で数回行っただけ。
いわゆる“旅の心得”はありませんでした。

だから“海外の場合は搭乗時間の2時間前には搭乗手続きのため、
空港にいなくてはいけない”という大事な事を、すっかり忘れていました。

というか、そういう注意が全部書いてある
“必ずお読みください”という『旅行案内書』を読まなかったのが、
そもそもの原因です。

9:40に成田発の飛行機なのに、
「まあ1時間みて、9:00に空港着でいいだろう」と、
私は本来の空港集合時間である7:00に家を出ました。

そして電車の中でやっと『旅行案内書』を読んでみると、
「2時間前には空港に…」とか書いてあり、
「ふーん…2時間も前から受け付けやってんだ」と思いました。

しかし、読んでいくと
「2時間前に間に合わない場合、必ず下記に連絡ください」と書いてあり、
さらに「遅れた場合、搭乗できない場合がございます」と書いてあり、
ここでようやく血の気が引きました。

速攻で電話をかけましたが、なんていうんでしょう…
ヒザがガクガクして、皮膚がチクチクして、
電話を持つ手も震えるっていう状態でした。

電話に出たお姉さんは
「あんた馬鹿じゃないの?案内書に集合時間書いてあっただろうが!」
と言いたいのを、多分ぐっとこらえて
「とにかく急いでください」と冷静に対応してくれました。

その時点で8:00。
まだ空港までは1時間かかるところにいます。

乗り換えの駅に降りるたびお姉さんに連絡して、進行報告をしました。
お姉さんも「今そこなら、上野まで戻って京成線特急に乗った方が早いです」
とアドバイスをくれたんですが、
そういうときに限って電車がこなかったり、
駅員のおじさんがのろのろ道案内してくれたりと、私の行く手を阻みます。
また、JR上野駅に着いても、京成線上野駅までの乗り換えの遠いこと。

「もう無理だ…」

私は半ばあきらめて半泣きになりながらも、
周りの人に悟られないよう、こぼれる涙をこらえて通路を走りました。

そしてなんとか京成線上野駅に着くと、
電車がくるまで5分あったので、菓子パンを買って食べました

こんな状況なのに、余裕こいてしまう自分が心底嫌いです。

しかし、空港ではそんな私の余裕すらをも奪う、
更なる出来事が待ち構えていました。

続く
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