続:稽古ブログです。

窪あつ:「あれ、渡されて読む前は「冗談じゃねえよ。今日は台本があるからって
言われたからそれを受け取りに来ただけなのに、それ読んだら声に出して読み合わせしなくちゃ」って気になったからね。最悪のコンディションで」

広田:「そうですよ。窪あつさんはあの日、前歯を矯正するために二本ごっそり根本から抜いてきた直後だったんですよね」

窪あつ:「とてもじゃないけど、普通の会話だってできない状態だったんですよ。で
も、その書かれている台詞を口に出して読みたくなるような素敵な台詞の数々だったんですよ。だから、もういいやと。どうなってもいいと、口の中もう二度と使い
物にならないようにぐちゃぐちゃになってもいいから、とにかく読もうって思った
んですよ。あの四十分の台本を見て」

広田:「これでアタイの口が潰れても構わないと」

窪あつ:「そうそう、口潰れてもいいやって思ってやったの。出来はね、前歯二本
抜いたばっかりだからアレだったんだけど、それにしては全力で立ち向かったつも
りなの、私は」

じんの:「全力でかすかすだったよね」

広田:「でもね、久しぶりに見た。口から血を吐いている人。ああ、コレ懐かしいな
あって」

じんの:「だって広田、じゃあ本読みやるかって言ったときに「やめなよ」ってマジで止めてたもんね」

広田:「だって、普通の人間はやっちゃダメでしょう、そんなこと」

窪あつ:「ノスタルジーを感じたわけね、あの私を見て」

広田:「血ってねえ、やっぱりアドレナリンが上がるよね」

じんの:「あ、そう、いろいろ思い出した?」

広田:「いろいろ思い出しました。血っていいなって。血流しながらやっている人っ
て、なんかいいなって」

じんの:「血を流すってことは大事なことだからね」

広田:「血を流すのは大事ですよ。ある時は血を流さないと」

窪あつ:「あの日のね、私の食事は全部、己の血だからね」

広田:「鉄分取ったねえ。いいよ、鉄分」

じんの:「でも、それは取ったっていうか、自分の血が循環しているだけだからさ。おまえら、ダブルボケか」

窪あつ:「ちがうんですよ、そういうのを流してあげるのも、ツッコミなんですよ」

広田:「そうそう、お笑いには窪あつさんは厳しいですからね」

窪あつ:「厳しくはないよ」

広田:「そうですね、厳しくはないですね」

じんの:「どっちなんだよ、広田。流して会話するのもいい加減にしろよ」

広田:「はははは・・」

じんの:「どうでもいいんだろ」

広田:「今のはどうでもよかったです」

じんの:「どうでもいいの、うまいよね、広田さくらは」

広田:「そこはね、自信あるんですよ。自分で言っておいて、自分を全否定できるんですよ。それは慣れてますね、それで十年間やってきた部分はありますから。そうでないと、私が血を流すことになりますから」

じんの:「それだけは避けないとね」

広田:「本当にもう、あっという間に自分の意見なんてどっかいっちゃいますからね」

じんの:「そうか、そうなんだ」

広田:「そうですよ。でも、そんな昔の状況を思い出しつつも、新しい物がどんどん来て、自分的には色んな意味でなんかこれからすごいことになっていきそうなわけですよ、この舞台を期に」


何がすごいのかよくわかりませんが、稽古日記は続きます。
タイ在記もね。



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