「ドコイクノ?タクシー、安イヨ」

空港内をフラつく私に声をかけてくるタイ人。
それも1人や2人ではありません。
ヤツらは片言の日本語と英語で次々と声をかけてきます。

あるタイ人は「バス乗リ場マデ案内スルカラ」というので着いて行くと、
ちゃっかりその人のタクシーまで連れて行かれました。

そうか…タイってそういうことか。
早く切り替えないとぼったくられる。
この時点でそう思い知らされました。

なおも空港内を行ったり来たりしているうちに、
ようやくバスターミナルに辿り着きました。
やっと外に出られたのです。
やっとタイの空気を感じることができたのです。
でもいかんせんバスターミナルだったので、
腕を伸ばして深呼吸しても排気ガスのニオイしか感じませんでした。

それにしても路線が多い…一体どれに乗ればいいのか?
「30バーツ(約120円)でカウサンまで走っている市バスがある、
みたいな事が『地球の歩き方』に書いてあったんだよな…」と探すも見当たりません。
ようやくバス総合案内所を見つけ、
「カウサン、カウサン」と連呼する哀れな日本人と化して乗り場を聞きました。

ところが、教えてもらったバスは
“なんとかエクスプレス”みたいなやつで400バーツとかなり高め。
本に出ていたのの10倍以上です。
日本のバスと比較しても高いです。
もしかして、案内所にもぼったくられてる?
ですが時間的な問題もあったので、
このカウサンまで直行するっぽいバスで向かうことにしました。

待つこと30分。

その間、不安になり案内のお姉さんに聞きに行くこと3回。

3回目にはお姉さんにウザがられ、私がベンチを立とうとしただけで
「まだだから黙って待ってろ、このヘボ日本人」と、手で制されました。


バスには様々な人種が乗っていました。
もちろん、日本人は私1人です。
バスに揺られ、窓の外の景色を見る私。
その時、またも恐るべきタイの魔の手が襲い掛かりました。

「君、どこのホテル?君と一緒のホテルに泊まりたいんだ」

……あんたダレ?

次回へ続く。
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