こんばんは。今日は小林幸子コスプレのお話です。
このコスプレは、1999年12月27日後楽園、年内最終戦の植松・広田組対永島・中山組でやりました。
この日の試合は勝ち抜き戦で、勝利チームは、第2試合で当時のヒールユニット“チーム・ノストラダムス”と戦うという、嫌がらせのようなマッチメークでした。

http://image.blog.livedoor.jp/gaea_sakura/imgs/c/d/cd21ad25.jpg" target="_blank">http://image.blog.livedoor.jp/gaea_sakura/imgs/c/d/cd21ad25-s.jpg" width="159" height="86" border="0" alt="小林幸子" hspace="5" class="pict" align="left" />http://image.blog.livedoor.jp/gaea_sakura/imgs/c/d/cd21ad25.jpg" target="_blank">http://image.blog.livedoor.jp/gaea_sakura/imgs/c/d/cd21ad25-s.jpg" width="159" height="86" border="0" alt="小林幸子" hspace="5" class="pict" align="left" /> 年末のこのタイミングに小林幸子コスプレをやった理由は、いわずもがな“紅白歌合戦”だったのですが、この試合のポイントはもう一つあり、私は99年いっぱい、つまりこの日で、コスプレを辞めると宣言していたのです。
なぜ辞める事になったかというと、イマイチ記憶が曖昧なのですが、確か何かの雑誌の取材で「来年、ヒール対ベビーの抗争に参加するために、コスプレは今年で終わりだ」みたいな事を言ってしまい、後に引けなくなったからだったと記憶しています。
そんな訳で、このゴージャスなコスプレには、最後の幕引きの意味も込められていたのです。

ところで、いつもそうなのですが、コスプレ作りにはマニュアルというものがありません。何の素材を使うか、どう工夫するかは、買い出しをしながらその場で練りだすものなのです。
だからこの時も、デカイ・長い・豪華というイメージだけはありましたが、具体的にどうすればいいか、行き付けの東急ハンズの4階Aフロアで悩んでいました。
とりあえず両手に長い棒を持ち、それに金色の何かを垂らそうと思い、素材を検討。
紙はもろいし重い。布は値が張るし…。軽さと安さを考えて、ビニール袋を金スプレーで塗装し、豪華に見せるために、左右で60枚分のビニールを繋ぎ合わせることにしました。

ちなみに、スプレーを使用する場合、気を付けなければいけないことがありました。
それは「風下で行う」ということです。道場には犬や猫もいるし、選手も練習しています。そんなところで、スプレーの有機溶剤を撒き散らしては体に毒です。だから、スプレーは、いつも道場裏の端っこでやっていました。でも、あそこは風通しも悪く、空気がこもりました。そんな中、私はビニール袋60枚に永遠とスプレーをかけ、有機溶剤をたらふく吸い込んでいたので、途中何度か気持ちよくなったりしました。

そして当日、そのコスプレの巨大さに従来の花道からは入場できるわけもなく、私は普段は締め切りになっている後楽園ホールの最上段・南側非常口から、ゴージャスに入場しました。お客さんも、そのスケールに何事かと驚いてくれ大成功でした。でも、ゆっくりとリングへ降りていくうちに、お客さんたちの顔つきが豹変しました。
なんと、ビニールに吹きかけた金スプレーが、風に舞って剥がれ落ち、お客さんの頭、体、荷物、会場備え付けの椅子など、あらゆるところに付着し始めたのです。
歓声は、私が通り過ぎると悲鳴に変わっていきました。そして、私が近づいて来るのを待っているお客さんは、降臨してくる悪魔に怯える顔をしていました。

後日スタッフから聞いた話ですが、結局、椅子に付いた金粉はとれず、会場からは「二度と小林幸子はやらないでくれ」と、怒られたそうです。
その後しばらくしてから、後楽園の椅子が新しくなったことがありましたが、あのリニューアルは、もしかすると私のせいかも…。
今思うと、罪悪感を感じます。

試合は1試合目で、運悪く私が中山選手に勝ってしまい、ノストラダムス組と対戦するハメになりました。 「1試合目豪華だったから、うちらのときは、さぞ凄いコスプレやってくれんだろうねぇ。ノストラダムス全員の人形バージョンとか、期待してるわ」と、尾崎選手がバックステージで、すれ違いざま呟いてプレッシャーをかけてきました。
とにかく勝つなんて思っていなかったし、コスプレ卒業のつもりで、すべての力を小林幸子に注ぎ込んだので、ぶっちゃけ2試合目の事は考えていませんでした。
でも、そんな脅しを受けたので、すぐさま全日本バレーボールの時のような人形を即席で作りました。
ただ、全日本バレーコスプレは、何日もかけたからあの出来栄えになったのであって、同じ難易度のものが5〜6分で出来る訳もありません。案の定、完成品は目も当てられない無様なものに仕上がりました。
そのあまりの出来のひどさに、尾崎選手には「コスプレないんだったら、勝つなよな」と、突っ込まれました。
余談ですが、試合はなんとノストラダムスを場外に置き去りにし、リングアウト勝ち。パートナーが植松選手だったのが奇妙な縁を感じます。

http://image.blog.livedoor.jp/sakurahirota/imgs/4/e/4eaf79d6.jpg" width="142" height="222" border="0" alt="4eaf79d6.jpg" hspace="5" class="pict" align="left" />

ちなみに、年明けから何もなかったようにコスプレを再開しましたが、これは意志が弱いのではなく、むしろ尾崎選手の言葉の逆を取り「勝たなくていいから、コスプレをやる」という強い信念が芽生えたからなのでした。
観客からはウソツキ呼ばわりされましたが。
それでは、また次回。

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