こんばんは。
今日は、長年の夢がかなったので、その喜びを皆さんに分けてあげます。http://image.blog.livedoor.jp/sakurahirota/imgs/5/1/51c8e5f6.jpg" width="176" height="144" border="0" alt="51c8e5f6.jpg" hspace="5" class="pict" align="left" /> この季節になると、石焼芋屋さんが街を徘徊しているのをよく見かけます。
私は小さい頃、車売りの焼き芋が食べたくて、家の近所に回ってくるたびに、 母・世津子にねだりましたが、そのたびに世津子は「あんなん高いだけだわ」と言って、代わりに家でサツマイモを蒸かしてくれるのでした。
それなりにおいしかったんですが、車のおじさんから買うことに意味があるんだし、買わない理由も“高い”というところが、子供ながらに家庭事情を垣間見た気がして、切なさを感じたものでした。

当時の焼き芋の相場は知りませんでしたが“車売りの焼き芋は高い”という固定観念は、この頃しっかり植え付けられました。お陰で、きっとエライ高いんだろうと思い、食べたくても手が出ないまま20数年経ちました。そしてつい先日、あまりにもあっけなく、車売りの焼き芋を食べることが出来たのです。

夜、街を歩いていると「ちょっと食べてってよ」と、焼き芋売りのおじさんに声を掛けられました。「タダであげるから、トラックの前で食べて」と言うおじさん。見ると、私の他にも1人トラックの前で食べている人がいました。その人は、おじさんに言われて1時間もタダで食べ続けているらしく、どうやら私も“サクラ”役にスカウトされたようです。

「ほんとにタダでいいよ。きみ高校生?」と、おじさん。
そこまで言われちゃぁ断る理由はありません。
「はい、女子高です」と、別にいらない情報提供をして、頂くことにしました。
初めての石焼芋。初めての“サクラ”。しかもタダ。
私は精一杯、トラックの前で石焼芋をほおばる女子高生を演じました。
でも味は、演技がいらないほど美味しかったです。
芋は綺麗な黄色をしていてホクホク。あぁ、幸せ。
思い募ったからこそ、こんなに美味しく感じるんだと、幼少時代に私の芋願望を断り続けた、母・世津子に感謝すらしました。
相変わらず、人に伝わりにくい感動話でしたが、私は満足しています。
それでは、また。
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