CHAMPION OF STRONGEST-K選手権試合
<王者>○真霜拳號(19分52秒 体固め)稲松三郎●<挑戦者>
※垂直落下式ブレーンバスター。第11代王者が3度目の防衛に成功

稲松の武器は、その尋常ならざる打たれ強さとタフさ。
そして、kAIENTAI DOJO唯一のデスマッチファイターでもある。

一ヶ月前には最悪と言ってもいい状態だった左肩亜脱臼も、問題無いレベルにまで治してきており、他のレスラーには無い、その二つの武器を最大限に活かした戦いぶりで、大苦戦を強いられることに。

稲松から仕掛けてきたイス攻撃を迎撃し、逆に流血に追い込んだものの、それがデスマッチファイターとしての部分に火をつけたか、そこからの逆襲が凄かった。

流血はレスラーに様々な気持ちの変化をもたらす。
簡単に二つに分けると、それによって気持ちが萎えるタイプと昂るタイプだが、稲松は間違い無く後者である。
流血前よりも、むしろ流血後の方がイキイキしていたくらいだ。

要所々々で的確に決めてくる、重い36ハンマー。
文字通り頭と意識を刈り取るような延髄斬り。
頭から流血しているのも関係無しに放たれる、強烈な頭突き。

全てがいつも以上に気持ちが乗っており、いつも以上のダメージだった。

特筆すべきは、エプロンからイス盛りにした場外へ向けて放たれたブレーンバスター。
仕掛けた側にも少なからずダメージが残ってしまう大技であり、これをやる勇気はデスマッチファイターならでは。

普段は隠れがちではあるが、稲松三郎は、デスマッチファイターならではの怖さを秘めたレスラーなのである。
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