CHAMPION OF STRONGEST-K選手権試合
<王者>○真霜拳號(24分4秒 エビ固め)石川修司●<挑戦者>
※垂直落下式ブレーンバスター。第11代王者が2度目の防衛に成功

怪物がいた。

普段から戦っている火野も怪物だと思っていたが、また別種の怪物がいた。

石川修司は、その尋常ならざる体の大きさと、そこから生み出されるパワーによって、怪物となってリングに立っていた。

これまでの対戦経験から、最大の脅威になると考えていたヒザ蹴りに加えて、身長差を利して上から振り下ろす頭突きにより、大苦戦を強いられた。

明らかな体格差がある場合、小さい者が大きい者をコントロールするのは、かなり難しい。
リーチの差による不利に加え、組みついてもパワーの差によってどうしても体力の消耗が激しくなるし、プロレスのルールでは、グラウンドに持ち込んだところで、長い手足で簡単にエスケープされてしまう。

加えて、頭突きで額を割られ流血してしまったことで、視界も悪くなり、意識も朦朧…中盤は攻められっぱなしだったように思う。

が、流血によるダメージと引き換えに、自分の中のリミッターが外れた。

通常ならば絶対に持ち上げられ無いであろう巨体を完璧に持ち上げ、垂直落下式ブレーンバスターを決めることに成功。

石川選手の怪物っぷりが、普段は出せない力を引き出してくれた。

どうやら自分には、まだまだ眠っている力が存在するようである。
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