○真霜拳號&KAZMA(23分34秒 体固め)火野裕士&稲松三郎●
※垂直落下式ブレーンバスター

チャンピオンというのは、特別な存在だ。

強いだけでもダメ。
巧いだけでもダメ。
人気があるだけでもダメ。
知名度があるだけでもダメ。

他のレスラーよりも多くのものを求められ、それに応えねばならない。
その責任は大きいのである。

さて、そこでこの試合。
火野とのタイトルマッチに向けて、本格的な前哨戦のスタートだった。

タイトルマッチ自体は、この試合の三週間前に決まっていた。
そして、この試合までにも毎週、大会は開催されていた。
にも関わらず、この試合がスタートとなったのは、GWから二週間、右腕の負傷で火野が欠場していたため。

どれほどの負傷だったかは知らないが…右腕という負傷箇所と、二週間で復帰出来る程度のものということを考えると、どうしても試合が出来ない程のものだったのか?という疑問を持ってしまう。

レスラーであれば皆、多かれ少なかれ負傷を抱えて戦っているものだ。
だから、負傷で欠場するのもある部分仕方ないことでもあり、普通のレスラーが欠場するのには何も文句は無い。
だが、チャンピオンは別である。
そう簡単に欠場してはならない。

それだけの責任のある存在なのだ。

タッグベルトを持っている現状、個人的にはシングルのベルトに興味は無かったのだが…この欠場に代表される、責任という部分でのチャンピオン・火野裕士に疑問を感じたからこその、このタイミングでの挑戦表明でもあったのだ。
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