ステロイドを減量しつつもチョビチョビ下血するわ腹痛に襲われるわで、闘病しながらの仕事はいつもおっかなびっくりだった。
でも、円華ちゎんのことを考えていさえすれば何とかなった。
絶対入院したくない、という決意で毎日面倒ながらも自分なりに勉強して食生活を送り、悪化を防いだ。
毎日だるくてホントは仕事になんか行きたくなかったが、不思議なことに円華ちゎんのことさえ考えていればむしょうに力が湧くのだった。
虚像に対してとはいえ、これって凄いことではなかろうか・・・?!
円華ちゎんがインフォメーション番組で自分を語る回が3回あったが、話し方が何だかおしとやかで可憐な感じがした。男の子にこんな感想を持つのはおかしいのかもしれないが、ホントにおしとやかなんだもん。
きっと円華ちゎんは「ババァ」だの「殺す」だのの悪い言葉なんか口にしないんだろうな・・・と思った。
それにあれだけの美貌でいながら、自分で自分のことをかっこいいと思っていなさそうなところもいい。
『プロレスKING』でタッグリーグ戦決勝戦が放送されたときにアフレコ解説で拳號様と共に出演した円華ちゎん。火野についてどう思うか味方さんに尋ねられて「ゴリラです」と言い放ち、重ねてKAZMAについて尋ねられたときも「ゴリラですゴリラ!!」と即答していた。
君に比べたらみんなゴリラだよ・・・俺はまた画面に向かって囁いていた。だが、円華ちゎんは顔ばかり狙われて相当頭に来ていたのだろう。ムキになって可愛いな・・・と思ってしまった。
何故だか円華ちゎんを見ていると、カッコ良くてドキドキするだけではなく、たまに見せるチャーミングな表情や言動が、俺の胸の中にポッと小さな暖かい灯りが点るかのような感覚を起こさせるのだ。
そうこうして過ごすうちにまた秋が来て、K-DOJOの試合を観られることになった。 (続く)