『ありがとう,トニ・エルドマン』のネタバレ感想記事の続きでつ。
ヴィンフリートがようやく帰ってくれたので,寂しいとは思いながらも元の生活リズムを取り戻したイネス。
だが,ある夜女友達と連れ立って有名&人気レストランに並び空席を待っているときに,むさくるしい,おだやかではない長髪のいかついオヤジがシャンパンを一緒にどうかと声をかけてくる。
イネスは「ひっ」と息を飲んだ。
トニ・エルドマンと名乗るそのオヤジはどう見ても自分の父親ヴィンフリートで。
一目でヅラ&入れ歯と判るバレバレの変装で,寒いオヤジギャグをキャリアウーマン3人に連発。
自分の父親だとはとても言い出せずに,友達2人に合わせて適当に楽しむフリをする。
だが,『トニ・エルドマン』はその翌日からも,イネスの周囲に現れた。
まさに神出鬼没。
真剣な表情で同僚と仕事の相談をするイネスの向こう側に,ぼんやりとエルドマンが映ったシーンには笑ってしまった。
ブーブークッションを使ってベンチに腰掛け,相変わらずの悪ふざけぶり。
ヅラと入れ歯だけでもおだやかじゃないのに,陽の光が当たると赤に見える素材のスーツという,いかがわしいいでたちで,「フリーでコーチングをしている」とか何とか言って近づいてきた。
同僚の手前,イネスはひたすら他人のフリで話を合わせる。
エルドマンは会社にもパーティーにも現れ,イネスの友達との飲み会では一緒になって白い粉までキメる(笑)。
とにかく,まるでストーカーのようにどこにでも現れるのだ。
しまいにはどこかの国の大使だと言ってパーティーで自己紹介するばかりか,イネスのことを勝手に秘書という設定にする(笑)。
一度ドイツへ帰るときにマンションの合鍵を返してもらうのを忘れたため,勝手に部屋へ入り込んだエルドマンがクローゼットから出てきたときは,さすがにイネスも発狂してつかみかかる。
おまけにフザケてイネスにかけた手錠の鍵を失くしてしまい,そうこうしているうちに会社の車が迎えに来たので,仕方なく一緒に乗り込む。
途中,そのスジの仕事人のところに寄って手錠を外してもらい,油田の見学に。
イネスが油田を見学している間に一人草むらに分け入り,ズボンを下ろすエルドマン。
青空の下,力いっぱい野グソをしようとしていたら,現地の外国人労働者にトイレを貸してあげると身ぶり手振りで家屋に案内される(笑)。
労働者たちと何となくウマが合ってしまい,採れたリンゴやイモなどをもらうエルドマン。
そのリンゴを持って油田からの帰り道,パーティーで自分は大使だと言って顔見知りになった婦人の家に立ち寄る。
社交辞令なのだからやめましょうよ…と慌てるイネスを尻目に上がり込むと,屋敷の中ではイースターのパーティーの真っ最中。エルドマンの強引さはとどまるところを知らない。
イースターエッグの描き方を体験させて(だが,2人とも途中で投げ出す)もらった感謝の印に…と,エルドマンはこれまた勝手にピアノの前に座る。
「秘書が1曲歌います…曲は"Greatest Love Of All(ホイットニー・ヒューストンの)」
ちょ,ちょっと…ダメよ,私,そんな…!!とか何とか言って拒否っていたイネスだが,イントロが始まり歌い出しに突入すると,渋々歌い始める。
この曲がまた,この映画に合うしみじみいい歌なのだが,イネス…歌,上手い…!!
しかも,歌が進むにつれてノリノリの大熱唱(笑)!!
皆が感動し,大拍手。
結局,そのご婦人,エルドマンが大使でも何でもないことなどお見通しで,楽しい人だと思ってつき合ってくれたらしいことが判る。
歌が終わるや否や一人でさっさと帰ったイネスだが…
押し掛けたパーティーで歌ったことで,何かがふっきれたようだった。
続くよ。
ヴィンフリートがようやく帰ってくれたので,寂しいとは思いながらも元の生活リズムを取り戻したイネス。
だが,ある夜女友達と連れ立って有名&人気レストランに並び空席を待っているときに,むさくるしい,おだやかではない長髪のいかついオヤジがシャンパンを一緒にどうかと声をかけてくる。
イネスは「ひっ」と息を飲んだ。
トニ・エルドマンと名乗るそのオヤジはどう見ても自分の父親ヴィンフリートで。
一目でヅラ&入れ歯と判るバレバレの変装で,寒いオヤジギャグをキャリアウーマン3人に連発。
自分の父親だとはとても言い出せずに,友達2人に合わせて適当に楽しむフリをする。
だが,『トニ・エルドマン』はその翌日からも,イネスの周囲に現れた。
まさに神出鬼没。
真剣な表情で同僚と仕事の相談をするイネスの向こう側に,ぼんやりとエルドマンが映ったシーンには笑ってしまった。
ブーブークッションを使ってベンチに腰掛け,相変わらずの悪ふざけぶり。
ヅラと入れ歯だけでもおだやかじゃないのに,陽の光が当たると赤に見える素材のスーツという,いかがわしいいでたちで,「フリーでコーチングをしている」とか何とか言って近づいてきた。
同僚の手前,イネスはひたすら他人のフリで話を合わせる。
エルドマンは会社にもパーティーにも現れ,イネスの友達との飲み会では一緒になって白い粉までキメる(笑)。
とにかく,まるでストーカーのようにどこにでも現れるのだ。
しまいにはどこかの国の大使だと言ってパーティーで自己紹介するばかりか,イネスのことを勝手に秘書という設定にする(笑)。
一度ドイツへ帰るときにマンションの合鍵を返してもらうのを忘れたため,勝手に部屋へ入り込んだエルドマンがクローゼットから出てきたときは,さすがにイネスも発狂してつかみかかる。
おまけにフザケてイネスにかけた手錠の鍵を失くしてしまい,そうこうしているうちに会社の車が迎えに来たので,仕方なく一緒に乗り込む。
途中,そのスジの仕事人のところに寄って手錠を外してもらい,油田の見学に。
イネスが油田を見学している間に一人草むらに分け入り,ズボンを下ろすエルドマン。
青空の下,力いっぱい野グソをしようとしていたら,現地の外国人労働者にトイレを貸してあげると身ぶり手振りで家屋に案内される(笑)。
労働者たちと何となくウマが合ってしまい,採れたリンゴやイモなどをもらうエルドマン。
そのリンゴを持って油田からの帰り道,パーティーで自分は大使だと言って顔見知りになった婦人の家に立ち寄る。
社交辞令なのだからやめましょうよ…と慌てるイネスを尻目に上がり込むと,屋敷の中ではイースターのパーティーの真っ最中。エルドマンの強引さはとどまるところを知らない。
イースターエッグの描き方を体験させて(だが,2人とも途中で投げ出す)もらった感謝の印に…と,エルドマンはこれまた勝手にピアノの前に座る。
「秘書が1曲歌います…曲は"Greatest Love Of All(ホイットニー・ヒューストンの)」
ちょ,ちょっと…ダメよ,私,そんな…!!とか何とか言って拒否っていたイネスだが,イントロが始まり歌い出しに突入すると,渋々歌い始める。
この曲がまた,この映画に合うしみじみいい歌なのだが,イネス…歌,上手い…!!
しかも,歌が進むにつれてノリノリの大熱唱(笑)!!
皆が感動し,大拍手。
結局,そのご婦人,エルドマンが大使でも何でもないことなどお見通しで,楽しい人だと思ってつき合ってくれたらしいことが判る。
歌が終わるや否や一人でさっさと帰ったイネスだが…
押し掛けたパーティーで歌ったことで,何かがふっきれたようだった。
続くよ。