昨日は昼前からずっとゴロゴロして,本を読んだり携帯をいじったりして過ごしたのだが。

睡眠障害のように何度も何度も目が覚めて,その都度無理やり二度寝していた。

仕事の夢ばかり見てしまって目が覚める度に疲れていたから,眠っても眠っても疲れが取れた気がしなかった。

それでも部屋も片付き,録画した『世界ネコ歩き』を鑑賞しつつ小腹を満たし,ついさっきまでは気が済むまで風呂に漬かっていたので,今度は安眠出来そうである。

さて,先日観た『ドント・ブリーズ』のあらすじと感想を書いてゆこうと思うのだが…

私が観たのは上映初日の第1回目!!エッヘン!!

大まかに書くと,ケチな空き巣ばかりやっている若者3人組が,大金を持っていると噂される,戦争で失明した老人の宅に押し入ったはいいが,その老人がとんでもない奴だった…という話。

ロッキー,アレックス,マニーの3人組は,空き巣に入った家から金目のものを盗み出しては転売していた。

父親が警備会社に勤めているアレックスが,父の部屋から毎回顧客の家の合い鍵を持ち出して忍び込んでいるのである。

だが,盗品はブローカーに安く買い叩かれるばかりで,リスクの割には儲けが少なく3人のフラストレーションは溜まるばかり。

特にロッキーは,育児放棄して仕事もしないクズ男とイチャついてばかりの母親の代わりに小さな妹の面倒を1人で見ており,早く大金を手にして妹を連れて家を出たいと思っていた。

そんなある日3人は,失明した退役軍人が独り暮らしをしており,しかも事故で愛娘を失ったため多額の慰謝料を手にした…と知る。

その額,何と30万ドル…!!

しかも,その老人の家の周りは廃墟ばかりで誰も住んでいない。願ってもないシチュエーションである。

入念な下調べを行い,獰猛な犬(一応,盲導犬)を飼っていることもチェックした。

薬を入れたエサでまずは犬を眠らせ,持ち出した鍵でさあ侵入だ…!!と思いきや,老人は警備会社すら信用していないらしく,鍵が変えられていた。

バスルームの窓ガラスを割り,そこから女の子なので一番小柄なロッキーが先に侵入。

後から侵入したマニーとアレックスは,老人の眠る寝室に催眠ガスを設置。

つけっ放しのDVD?ビデオプレイヤーでは小さな女の子が無邪気に遊ぶ姿が延々と…何となくこのあたりから嫌~な予感が。

退役軍人といっても目が見えないので無力だ,と思い込んでいた3人の思惑は完全に外れた。

催眠ガスが効かなかったのか,思いの外早く起き出した老人は,まず,ただ脅すつもりで銃を突きつけてきたマニーの手を力づくで捕まえると躊躇なく引き金を引く。

目が見えない代わりにその他の感覚はひじょうに研ぎ澄まされており,家の中もとことん熟知。

侵入者が他にもいると察知するや否や,侵入口となったバスルームの窓ガラスを板張りして釘を打ち始め(!!),ガッツリ臨戦態勢。

「侵入者コワイ,早く出て行って」じゃなくて,「逃がしてなるものか」だもんね。

侵入してくる者はためらわずに始末するのがモットーなのだと判り,ロッキーも,一度はこの計画から降りようとして家を出たがロッキーが心配で戻ったアレックスもあべし!!な状態に。

あとは,ロッキーとアレックスが目の見えぬ老人の手を掻い潜りながら,閉じ込められた家の中を逃げ惑う…というストーリー。

そのうち薬の効き目が切れた犬も目を覚まし,飼い主に荷担。

やがて,地下からの逃亡を図ろうとした2人は,老人の知ってはならない秘密を知ってしまう。

何と,地下室に自分たちと同じくらいの年頃の女の子が拘束され閉じ込められているのを発見。

彼女は,老人の愛娘を車で轢いて死なせてしまったシンディという女の子だった。

本来なら刑務所行きなのだが,富豪の娘なので裁判で勝利し,慰謝料を払って事件はおしまい,となった…という新聞の切り抜き記事を2人に見せてくる。

彼女は,気の済まない老人から誘拐され(どうやって?!),大声を出せないよう顔には拘束具を,体にはある程度までは伸びる鎖をつけられた状態で,クッションで覆われた地下の小部屋にずっと閉じ込められていたのだ。

シンディを放置したままだったら地下から脱出出来たかもしれないのに,つい同情し,一緒に逃げようとあれこれやってるうちに,勘のいい老人が銃を手に外から地下室に向かって歩いてくる。

一度は脱出成功しかけたのだが,不運にもシンディは撃たれて即死。

間違って彼女を撃ってしまったことを悔い,その体を抱きしめ,
「おお…ベイビー…」
と泣き崩れる老人。

何と,シンディは老人の子を身籠っていたのである(!!)。

総毛立つ2人…!!

またしても暗がりでの追いかけっこが始まる訳だが,ついにアレックスは刺されて倒れてしまう。

一度は脱出したロッキーだが,盲導犬ならぬ獰猛犬に追いかけられ,またしても老人につかまり引きずりもどされる。

気がつくと地下の,クッションの小部屋に拘束されていた。

そのそばで老人は,何をしているかと思ったら,凍結保存していた自分の胤を解凍,スポイトのような容器に移しているところで,老人は,「自分に,娘の代わりとなる子供を授けてくれたら解放してやる」という約束で,シンディにスポイトで己の胤を注入していたことを打ち明ける…!!

両手と両足を縛って吊り上げたロッキーのパンツにハサミを入れ,
「お前なら強い子を産んでくれそうだ…」
と,とんでもないことをほざきながらスポイトを挿し入れようとする老人…!!

序盤の寝室で延々と娘の幼少時代の映像を流しながら(音声を聞くだけで)眠っているシーンで,何となくこの老人には普通じゃないものを感じてはいたけど,もおね,ここのシーンには嫌悪感しか覚えなかったね…!!

だが,すんでのところで蘇生したアレックスが乗り込んで来て老人にハンマーをふるい,助けてくれた。

気を失った老人に手錠をかけて,2人で脱出しようとするのだが…

やっぱり老人は不死身で,手錠がかかったままで追いかけてきて,アレックスを撃つ(今度は絶命)。

最終手段として,ロッキーは家の防犯アラームを鳴らすのだが,大音量のアラームは老人の聴覚を奪いひるませることに成功。

このチャンスに乗じて老人をバールでめった打ち。

パトカーのサイレンの音が近づく中,ロッキーはまんまと30万ドルを手に逃走。

場面が変わり,どうやら空港のカフェ。

テーブルの上で絵を描く妹をやさしく見つめるロッキー。

とうとう妹を連れて家を出,カリフォルニアに旅立とうとしているのである。

そのカフェのテレビでは,「盲目の退役軍人宅に強盗入る」のニュースを報道。

何と,「老人は一命を取り留めた」との報道が…どこまで不死身なんだよ,老人…!!

これを見たロッキーは動揺するものの,妹と一緒に出発口へ向かうところでジ・エンドとなる。

色々ツッ込みたいところはあったけれど,物凄く面白かった。

最初はクズな若造がナメたことしくさるからこういうことになるんだよ…ペッ!!ってな感じだったけどね。

3人とも根っからのクズではなくて。

主役のロッキーは母親の代わりに妹の面倒を見て一生懸命育ててるし,アレックスは仲間を置いて1人だけ逃げることも出来たのにわざわざ老人宅に戻って来るし,一番クズっぽかったマニーは老人に殺される間際にロッキーに目配せしながら,「仲間はいない…俺1人だ…」なんて言うし。

かえって侵入された老人の方がひどい奴だった。

彼の狂いっぷり,異常ぶりも奴らが侵入して来なければ明るみに出ることはなかっただろう。

その狂いっぷりも娘を愛する余り,その娘を殺されてしまったからという背景があったんだろうけど,おそらく歪んだ一方的な愛情だったんだろうし,娘の代わりになる子供を誘拐した女の子に産ませるだなんて気がディファレント過ぎ。

しかし,ロッキーのお金に対する執念というか執着は凄かった(笑)。

もう金なんていいじゃん,命あっての物種なんだから早く逃げなよ!!ってシーンが何度かあったけど,絶対にお金だけはあきらめなかったところに脱帽。

意外にタフで,あの手この手でキティガイ老人から身を守り,闘う姿にはつい肩入れし応援してしまった。

ここまで頑張った(?)んだから,絶対に30万ドルはつかんで欲しい…!!なんて思ってしまったよ。

エンディングでは明らかにされていなかったけど,もう家中惨憺たる有様だったから,老人宅はきっと地下にも捜査の手が入ったのでは。

ロッキーのことを,
「あれだけのことをしておいてまんまと30万ドル手に入れ,何事もなかったようにまっとうな暮らしを始めるのって,どうよ?!」
と思う人もいるかもしれない。

でも,「正しい人だけが幸せになる訳ではない」という理不尽なエンディングの映画が好きな私には,後味がよい結末に思えた。

年末だっていうのに,空気を読まない記事を書いて満足したから寝ます。

今夜から年を跨いで5連勤,ミスなく頑張れますように。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
11月に連休ほとんどなしのシフトを組まれてしまってから(←未だに根に持ってる執念深いヒト),久しぶりに5日連続出勤をした。

やっぱりテンションを維持して発狂した数字を上げられるし,ストレスが紛れる(感覚が麻痺する)。

疲れはするが,心地よい。

昨日・今日と今年最後の連休を満喫ちうなのだが,大晦日だの正月だのは全く気にせず,いつも通りに過ごしている。

ホントは今夜,シアターキノに『ザ・ギフト』を観に行こうかと思っていたのだが…

大腸さんの調子があまりよくないので,何が何でも観たい映画という訳でもないから諦めた。

朝か昼間ならまだ大腸さんが平和なので可能なのだが,夜しか上映していない映画は連休2日目でないと観に行けないから,お手上げ。

上映は明日までだから,ちょっと残念だな…

それでも今年はこれだけの映画を観に行った。

①パディントン
②ザ・ウォーク
③残穢~住んではいけない部屋
④デヴィッド・ボウイ・イズ
⑤幸せをつかむ歌
⑥クーパー家の晩餐会
⑦ルーム
⑧ヘイル!シーザー
⑨HK2~アブノーマル・クライシス
⑩少女椿
⑪ダークプレイス
⑫ノック・ノック
⑬だれかの木琴
⑭シークレット・オブ・モンスター
⑮砂の器
⑯マダム・フローレンス!~夢みるふたり
⑰メン・イン・キャット
⑱ハンズ・オブ・ラブ~手のひらの勇気
⑲ドント・ブリーズ
⑳ジャニス~リトル・ガール・ブルー

何と,20本達成!!

潰瘍性大腸炎になってからはほとんど劇場で映画は観ず,観ても年に1~2本行けばよい方だったのに,一昨年あたりから劇場に通う回数がじわじわ増え始め,凄い進歩!!

来年はどれだけ観られるかな。

それでも昨日はひどく疲れて,食事のあとの洗い物もせず部屋も思春期状態のままで眠った。

休みの日に「起きてから掃除する!!」と誰にともなく宣言して,部屋やキッチンを散らかし放題にして寝るのって…快感。

別に人と暮らしてる訳じゃないし,誰にも迷惑かけてないんだし,いつもアンタは誰に向かっていいカッコしてんだい?…とデビル美香輔が囁くもんだから(笑)。

それでも,起きてからはたまった洗濯をし,ハンカチにアイロンがけをし,メイクツールも洗って,さっきは風呂に入りながら風呂掃除もした。

別に年末だからという訳じゃなく,休みの日しか出来ないから掃除。

今日も日付が替わる前後に起きて,あちこちのんびり片付けるつもり。



これは11月に同窓会で東京に行ったお父んが,上野の美術館で開催ちうだった『クラナッハ展』を観に行った際にお土産に買って来てくれたクリア(じゃないけど)ケース。

堂々と,会社で使っている。

何かコメントしてきた人には,大真面目な顔で「ゲージツです」と答えている。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
休憩時間(2時間あるので)に年賀状を書き上げ,締め切りギリギリに投函した美香輔です。

全国の奥さん,お元気ですか?

札幌は12月とはとても思えぬドカ雪。

1月か2月の,冬真っ盛りの積もりっぷりだ。

雪まつりの前くらいにこれだけ降れば,雪不足にはならないだろうに。



写真は2日前の朝,会社の帰りに自宅付近を撮ったものなのだが…

樹の枝にこんなにのっさり雪が…!!

雪は電線にも積もり,たまに頭上にドサッと落ちてくるから要注意なのだ。



この積み上げられた雪は私の身長より,高い(笑)。

この日の晩はまだ除雪が追いついていなくて,出勤するときは辛うじてついていた道を譲り合いながら歩いた。

昨日の朝からはちゃんと除雪がされていたので,比較的歩きやすかったが,仕事ちうビルの中まで除雪車の音や震動が響いてきて落ち着かなかった。

今朝は温かいので少し雪が溶け,それがまた凍って歩くのがおっかなびっくりになる…

今のところ転んでないけど,転びそうになってわたわたするとき腕を振り上げた途端,五十肩が稲妻のように痛んで大騒ぎ。

そんな訳で,雪のせいで疲れてます。

しかし…今年はクリスマスとか3連休とか…

全く気づかなかった…!!

毎年,クリスマスや正月がウザいので「気のせい」だと思うことにしているのだが,一生懸命意識から追い出そうとしなくとも今年は本当にクリスマスの実感がなかった。

気がついたら終わってた。

自宅内で地上波は観ないし,外にもあまり出ないためか,クリスマスだと気づく要素が全くなかった。

正直,大晦日や正月も実感がない。年賀状を書いていたにも関わらず。

この調子で正月が終わるまで乗り切ろうと思う。

私が五十肩の治療で通っている駅ビルの整形外科だが,12月29日から1月4日まで年末年始の休診。

だから,大事を取って注射(ヒアルロンサンとステロイド)をしてもらい,1月分の薬をもらってきた。

五十肩になってそろそろ1年経つんだなぁ…いつ治るんだろ(涙)?

整形外科の隣は眼科なのだが,そこは何と12月27日から1月9日まで休み(!!)。

凄い休みっぷりだと思う。ちょっとした冬休みだね。

私は毎年ホントに,12月30日から1月3日が安定の5連勤。

多分,激しくヒマだろうけど頑張ろ。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
昨日・今日と連休でつ♪

本日は今年最後の通院と点滴なので,病院の待合室でヒマ潰しに更新ちう。

昨日はホントは会社からスガイディノスへGO竜馬して『ニコラス・ウィントンと669人の子供たち』を観ようかと思ってたんだけど,この4日間,いきなりアホみたいに忙しくなって馬車馬のように働いたんでかなり疲れており,会社でも風邪引いてる人ばっかりでガハゲへ咳を聞いてるだけで何だか自分にも伝染ったような気になってしまい,行くのをやめた。

調べたら,まだ上映期間があるし。

用心のため勤務ちうに風邪薬(すぐに飲めるように常備)を飲んで働いたんで,眠かったの何の(笑)。

帰って来てからは食品の買い出しに行き,真面目にご飯を作って栄養補給。

お風呂に入ってからたっぷり眠ったよ。



買い出しの帰りに寄った『殺ドラ』で,ブ厚様がブログでご紹介していた入浴剤を見つけたので購入。

マイバッグに入れるときからすでに生姜の香りに気づく…

部屋に帰って来てマイバッグから取り出したときには,箱を開けていないにも関わらず物凄い香り…!!

そして,風呂の中にポチャンと入れた途端,むせかえるような生姜臭(笑)。

だけど,好きな香り。

優れた発汗作用のお湯に20分ずつ3回漬かって,ぐっすり眠った。

LUSHのバスボム1個分でこれ1箱(20個入り)だから,かなり楽しめます。ありがたやありがたや…

今日はレミケードの点滴の後,何年かぶりのシアターキノにGO竜馬のうえ,『ジャニス~リトルガール・ブルー』を観に行くつもり。

明日までで,1日1回しか上映していないので,今日しか観に行けないのだ。




[Web全体に公開]
| この記事のURL
この記事タイトルは,先日観に行った『メン・イン・キャット』の原題である。

高い所から落ちてもなかなか死なない猫のしぶとさを表しており,一昔前にエアロスミスのアルバムタイトルにもなったっけ。

では,今回は『メン・イン・キャット』の感想を書こうと思う。

仕事の鬼で家庭をおろそかにしまくっているトム(ケヴィン・スペイシー)は,「北半球一高いビル」を建てようとしている大企業『ファイヤーブランド』の社長。

だが,ライバル社のビルに(高さが)抜かれそうなのでそうはさせんと,目標達成のために多額の資金を使い,自分と考えの違う社員をガシガシ解雇する傲慢&ワンマンぶり。

だが,妻のララ(ジェニファー・ガーナー)や娘のレベッカからは勿論,前妻との間に出来た息子のデヴィッド(父親のそばにいたい一心でトムの会社に就職し,部下になる)からも尊敬され,それなりに愛されている。

ある日トムは,レベッカが誕生日プレゼントに欲しがっている猫を買うために渋々,目星をつけたペットショップへ向かう。

何となく怪しげなストリートは猫だらけ。

猫の大嫌いなトムは顔をしかめてペットショップに入店,これまたあやしい店主(クリストファー・ウォーケン)から傲岸な態度で『Mr.もこもこパンツ』という名の猫を購入した。

Mr.もこもこパンツ(笑)…

昔,実家で,まだホームレスで家猫になる前のシーザーが,外でお父んにお尻を洗ってもらっていたときのことを思い出した。

シーザーではなく『多毛症肛門丸出し男』と呼んだらどうかと提案したら,却下された。

あれくらい長い名前を猫につける人が,映画の中とはいえ,私の他にもいたのか…と嬉しくなった。

その帰り道,トムは会社の乗っ取りをたくらむ社員・イアンに呼び出されて口論になり,思わずビルの屋上で解雇を言い渡したが,その途端鳴り出した雷のショックで,猫と一緒に転落。

乗っ取りをたくらむイアンは助けようとしなかった。

幸い,トムは落下の途中で窓ガラスを破ったため地面に叩きつけられることはなかったが,意識不明の重体となる。

病室で目を覚ますと,目の前にはベッドに人工呼吸器つきで横たわる自分の姿…ララとレベッカ,そしてイアンもいた。

なぜか,自分はカゴの中…意識が娘のために買った猫に移ってしまっていることに気づいた…!!

パニくるトム…!!

自分がトムだと気づいてもらおうと必死に鳴くが,誰にも気づいてもらえない。

夫が意識不明の重体となってしまったため,病院から落ち込んで帰宅するララだが,トムが買ってくれたのだからとカゴに入れて猫を連れ帰る。

「何だか汚い猫ね…」
と言って(笑)カゴから猫を出し,疲れ切っているためさっさとレベッカと一緒に寝てしまう。

カゴから出るなり物凄い勢いで走り出した猫のトムは,自分の書斎に直行。

紙に字を書こうと,懸命に万年筆のキャップを外すが,インクがブシャー!!

肉球ではうまくペンが持てないので,全く字にならない。

喉が乾いたのでスコッチを飲もうと,必死で蓋を外し,棚の下に設置した灰皿に注いで飲んで酔っ払う。

この,トムが乗り移ってしまう猫(サイベリアンという種類らしい)が,めちゃくちゃ可愛かった。

ブルーの目と,少し長めの鼻の下,むっくむくのライトグレーの手並みがまさにもこもこ。

なぜもこもこ"パンツ"なのかは解らないが(笑)。

レベッカは一緒にトムが買ってきたペット皿に名前が書いてあるのを見て,素直に「Mr.もこもこパンツ」と呼び始める(笑)。

ここからは主演のケヴィン・スペイシーはほとんど病院のベッドで寝ているばかりで,猫ちゃんが大活躍。

何とか自分がトムだと気づいてもらおうと毛糸で文字を作ったり,アルファベットのマグネットでトムだと知らせたりするが,全く伝わらない(涙)。

キャットフードなんか絶対食べたくないので,ララがあけてくれる猫缶にも見向きもせず,シリアルの箱を棚から取り出そうと四苦八苦した挙げ句散らかしてしまい,トイレも猫砂の上ではなくムカつく前妻のマディソン(ララとは一応友達同士なので頻繁に娘を連れて遊びに来る)のバッグの中にやらかす。

あちこち走り回りひっくり返すので,ララにはひどいいたずら猫だと思われてしまい,ペットのトレーナーを呼ぼうということになるが,呼ばれたのはあのあやしいショップの店主。

店主は,猫の言葉が解るから私たちだけで話をさせて欲しい…と言う。

トムは元に戻せと猛抗議するが,少しは家族らしく振る舞ったらどうだと言われるばかり。

何だかまるで人間同士で話しているみたいね…と,レベッカがララに言う。

自分が猫になってしまっている間に,野心に満ちたイアンによって会社は乗っ取られ,デヴィッドは追い出されてしまう…そんなことはさせるか…!!

こうして猫のトムはあの手この手で大奮闘。

寂しがっているレベッカのそばで過ごし,猫らしく振る舞う努力もするが,ララが元モデル仲間(男)に「新居を見せたい」と呼び出されて会いに行くときにはストーカーのように隙を見て車に一緒に乗り込み,見張りについて行ったりする。

(何だかこの猫,トムみたい…)

ララは思うのだった。

そんな妻に添い寝し,何も出来ないが美しい寝顔を見つめながら,
(愛してる…)
とトムがつぶやく(鳴く)シーンはとても切なかった。

それに,レベッカが幼少期に『3匹のクールな仔猫』を歌いながら自分と一緒に踊るところを録画した思い出の動画を見ては涙ぐんでいることを知り,自分が今までいかに家庭を,家族をないがしろにしていたかをトムは思い知った。

ある日,乗っ取りを企むイアンが裏取引の証拠をシュレッダーにかけて隠滅したことが判るのだが,シュレッダーの中身を何とか取り出そうと奮闘。

だがしかし…たった12~13切れにしか分断されていなくて笑った。

大企業が使うシュレッダーなのに(笑)…!!簡単に修復出来るってーの!!

その修復した証拠を持って,とうとうビルの落成式の日に解雇されてしまったデヴィッドが,自分の使っていたセキュリティカードを使ってビルの屋上に向かったことを知り,トムは駆けつける。

(早まるな…!!)

地上では落成式を前にしてお祭りムード。その落成式にミソをつけてやろうとして飛び降りようとしているのだ…と思ったトムは,息子を救うために走った。

途中,警備員に見つかり捕獲されそうになるが,何とか屋上に到着。

だが,デヴィッドは大勢の社員が見守る中,飛び降りてしまった。

後を追うようにして飛び降りた猫のトム。

一緒に落ちてきたMr.もこもこパンツから証拠の書類を受け取ったデヴィッドの背中でパラシュートが開く。

デヴィッドが着地すると同時に派手な花火が打ち上げられる。

時を同じくして,病院ではいきなり意識を取り戻して跳ね起きたトムが,ララとレベッカを仰天させていた。

よろこびに抱き合う家族…!!

「ファイヤーブランド社の経営者の交代はあり得ません。これまで通りです」

と,デヴィッドは向けられたテレビカメラとマイクに向かってはっきりと言い放つ。

裏取引の証拠を突きつけられたイアンはその場で解雇となり,青ざめながら去ってゆく。

その後,車に轢かれて今度はイアンが意識不明の重体に…

そして,イアンは猫になってしまったのだった。

人間に戻ったトムは,だいぶ反省して家庭サービスをするようになった。

レベッカと連れだって,あやしい店主のいるペットショップにやって来る。

やっぱり猫が欲しいというレベッカに,店主はいなくなったMr.もこもこパンツを渡す。

再会を喜ぶレベッカ。

「(8回生きたから)残り1つの命は,君のところでね」

と言う店主から,目を輝かせてMr.もこもこパンツを受け取るのだった。

アメリカでは酷評されているらしいが,私はめちゃくちゃ面白かったよ。



レベッカが(この子.ジェニファー・ガーナーそっくりで可愛いし性格もよさそう)Mr.もこもこパンツの行動を見て「パパじゃないのかしら…」と思い始め.『3匹のクールな仔猫』に合わせて一緒に踊ってくれることからMr.もこもこパンツがトムであると確信するシーンなんて泣けたし。

これ以上の延命治療は…と匙を投げられ(もっともらしい理由をつけてイアンが医者やララにすすめた),人工呼吸器を外されようとしているのに,息子が飛び降りるのをやめさせることを優先し飛び出していったトムにも心を打たれた。

親子で観ても,恋人同士で観てもハッピーになれる映画です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL

12件中 1~5件目を表示


1 2 3 >>