3月に会社の場所が大通り寄りになり,仕事の後歩いて行けば初回の上映に余裕で間に合い,しかも木曜のレディースデイが休みであることが多いため,最近やたらスガイディノスで映画を観ている。

先月末に観た『ルーム』は,全く先入観も予備知識もなく「何となくよさそうだから」観たのだが,これが問答無用で素晴らしかった。

後で判ったのだが,主演のブリー・ラーソンはアカデミー主演女優賞を獲得した人なんだとか。

誘拐され,犯人の子を産み,7年間監禁されてきたが自力で息子と脱出し,それから世間と対峙し折り合いをつけてゆく…という難しい役を見事に演じているのだが,私は息子のジャックの役を演じたジェイコブ・トレンブレイ君に大感動。

『ガラスの仮面』の月影先生が彼を見たら,「おそろしい子…!!」と叫ぶこと間違いなしの天才子役。

土屋 アンナ似の超絶美少年で,「生まれてから1度も髪を切ったことがない」という設定なので,終盤髪を切るまではずっと女の子のよう。

これからあらすじを書いてゆこうと思うのだが,これから観ようとしている奥さん(奥さんじゃない人も)はこの先は読まないで下さいね。

ジョイ(ブリー・ラーソン)は17歳のとき,男に犬を一緒に探して欲しいと言われて騙され,男の家の裏の納屋に監禁されてしまう。

キッチンや風呂,トイレ,ベッドにタンスが備え付けてあり,天窓が1つあるだけの部屋に。

部屋は電子キーで管理されており,パスワードを知っている犯人しか開けることは出来ない。

やがて身ごもったジョイは男の子を産むのだが,ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と名付け愛情を注ぎ,監禁されたまま懸命に育てる。

健康に育つように,狭い部屋の中でもストレッチや反復飛びなどの運動をさせ,ビタミン剤も欠かさず飲ませる。

一緒に絵を描いたり,本を読んだり歌を歌ったり,卵の殻をつなげて『卵蛇』を作るなど,工作もする。

部屋の中しか知らないジャックに,外は宇宙空間で本物の人間は自分たちと,毎週日曜日に食料や生活用品を届けに来るオールド・ニック(誘拐犯)だけなのだと教えて育てる。

ニックが来る夜は,ジャックにはタンスの中で眠り決して出て来ないように…ときつく言い渡してある。

5歳になったジャックはある晩,好奇心を抑えきれずにタンスから忍び出て,ママと一緒に眠っているオールド・ニックを覗き込むのだった。

目を覚ましたニックが初めて見る息子に手を伸ばそうとするが,ジョイが半狂乱になって手をふれさせまいとし,ニックに乗り掛かる。

反対に乗り掛かられて枕に顔を押しつけられ,窒息寸前の目に遭わされたジョイ。

怒って出て行ったニックは翌日,嫌がらせで納屋の電気を止めてしまう。

冬になりかけの寒い中で,何とか厚着をして凌ぐ2人だったが,半年前から失業していてロクな食べ物も持って来ず,電気まで止めるような嫌がらせをするものだから,ジョイはもう我慢出来ない…と思った。

脱出しなくては命が危ない,と思ったのである。

電気は再び通ったが,電気を止められたせいでジャックが風邪を引いたことにしよう…と思いつく。

病院に行ったら見せるようにと,状況を簡潔に説明してあるメモをジャックのパンツのポケットに忍ばせ,熱湯で絞ったタオルを何度も顔に当てて燃えるように熱くし,高熱でぐったりしているフリをさせる。

「薬を飲ませようとしても吐いてしまう」という状況にリアリティーを持たせるために,自ら口に指を突っ込み吐瀉物を枕にかけるジョイ。

やって来たオールド・ニックはジャックの病気は信じたが,すぐに病院に連れてゆこうとはせず,また来ると言って出て行った。

計画は失敗に終わったが,ジョイは今度は,ジャックが死んだことにし,死体だと思わせてニックに外に運び出してもらうことを思いつく。

だが,そのためにはジャックにオールド・ニックは自分を騙してここに閉じ込めている悪人なのだ,ということと,今まで教えてきた「外は宇宙空間で誰もいない」というのは嘘なのだ…と打ち明けなくてはならない。

外には生きた人間や動物,植物が存在している,テレビに映る人たち(アニメは除いて)は全部本当に生きているのだ…と教えるが,今まで自分の覚えてきたことや認識が一気に覆されるショックに耐えられず,ジャックは話を聞こうとしない。

やはりダメか…と一度はあきらめるジョイだったが,黙ってテレビを観ていたジャックが冷静になったのか,あれこれ質問を始めたので,ジョイは再び希望を持つ。

この部屋から出てバァバとジィジのところに帰るのだ,だからママを助けるのだ…とジャックは解ってくれた。

死体のフリをしたジャックはカーペットにくるまれて運び出されるための練習をする。棒のようにカチカチに体を硬直させて。

トラックの荷台に積み込まれるはずだから,運転中に転がってカーペットから抜け出し,一時停止中に荷台から飛び降りて逃げ出して,最初に見た人にメモを渡すように…とジョイはジャックに教える。

何度も段取りをおさらいさせているところに,電子キー解錠の音が…!!

ジョイはカーペットにくるまれたジャックの上に突っ伏し,嘆きの演技。

半ば予想していた(クソ野郎)のか,オールド・ニックはあっさりジャックの死を信じ,「お願い…木のたくさんあるところにこの子を連れて行ってあげて…」と涙ながらに訴えるジョイにうなずき,丸めたカーペットを運び出す。

運ばれている間,息をつめ,一生懸命硬直し微動だにしないジャック。

ジョイの思惑通りにジャックは軽トラックの荷台に運ばれ,とうとう車は走り出した。

ジョイに教えられた通りに転がって,少しじたばたしながらようやくカーペットから抜け出したジャック。

どこに連れてゆかれるか判らない,失敗したらもう二度とママには会えないかもしれない…という不安でいっぱいだったはず。

そして,トラックの荷台に仰向けになったジャックの目は,今までは小さな四角い天窓から目にするしかなかった青空に見張られる…!!

(これが…空…?!)
(何て広いんだろう…!!)
(何て…)

このシーンのジャックの表情といったら…涙が出るほど感動的だった。

このシーンは,映画史上屈指の名シーンとなるに違いない…と私は思ったね。

では,そろそろ寝なくちゃいけないので,また明日(笑)。

昨日はログイン・インフェルノ(皆さんはドゥでした?)だったし,今朝は休憩時間に気分がノッて書いていたのに携帯の電池が切れて,替えの新しい電池は持って来ていても充電用アダプターなんか会社に持って来てないので,保存出来ずにパー。

あのときゃ心,折れたよ…

それでは…全国の奥さん…本日はこの辺で(バタッ←倒れる音)。
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