2019年に入って初めての更新になります。今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、今回は囲碁の話です。

将棋のプロ認定団体として日本将棋連盟があるように囲碁のプロ認定団体として日本棋院があります(囲碁の場合はもう1つ、関西棋院という統括団体があります)。その日本棋院が年少者を抜擢して特例的にプロ認定する制度で4月に10歳になる仲邑菫(なかむら・すみれ)さんが史上最年少のプロ棋士になることが5日に明らかになりました。将棋ではアマチュアの猛者と言われた中年男性をプロとのテストマッチを課した上でプロ認定したケースがありますが、若者のプロ認定については特例措置がないため小学生でプロ棋士になる可能性はかなり低い。そのため最年少は中学2年生の藤井聡太4段(現在7段)止まりになっているようです。

私は囲碁をやったことないので細かいところはわかりませんが、仲邑さんが認定される前に最年少だったプロ棋士は小学5年で認定され、現在は女流名人にまで上り詰めている人だそうなので、中学生にならなくても実力を着々と重ねていける要素があるから小学生でも認定できるのかなとは感じています。ただ、呑気に快挙を眺めていられない事情が囲碁の業界にはあるらしいです。囲碁は将棋と違って国際競争に常にさらされている業界で、あの井山裕太5冠も国内での主要タイトル独占してからは世界大会での優勝を目標にしています。昔から日本・中国・韓国・台湾が囲碁では世界トップレベルとされていて以前は日本が一歩リードしていましたが、最近は日本が必ずしも絶対王者になっているわけではないとみられているようなんです。そのために若い才能をいち早く発掘しなければという思いが特例制度を後押ししたといわれています。

これって卓球界に似ているような気がします。福原愛さんや平野美宇選手、張本兄妹のように幼いながらも国内屈指の実力を持つ選手を積極的に国内トップレベル、そして世界レベルへと送り出せるような体制を業界全体で築き、今や絶対王者の中国を追い落とす急先鋒にまでなりました。もしかしたら日本棋院は卓球界の取り組みを参考にしたのかもしれません。この試みが世界につながっていけるのか、結論を出すにはもう少し時間がかかるかもしれませんが見守ってみたいです。

では、また次回です。
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