横綱稀勢の里の奇跡的な逆転優勝はいろいろな反響があるようです。春場所13日目に胸の筋肉を部分断裂し、もはや休場は避けられないと言われていたところで14日目も千秋楽も出続けたのです。そしてあの結末ですから、ものすごい騒ぎとなりました。

好角家(相撲ファン)の中には稀勢の里が14日目、千秋楽と出場を続けたことを前向きに受け止められない人がやはり多くいたようです。2001年5月の「『感動した!』の悲劇」が脳裏にあるからだと言えそうです。横綱貴乃花が夏場所14日目に膝を大ケガし、翌日の千秋楽はもはや無理といわれていたのに強行出場。勝てば優勝という状況の中、千秋楽の本割で武蔵丸に完敗し、再び優勝決定戦へ。優勝決定戦では貴乃花が鬼の形相で会心の相撲を見せて優勝したのです。表彰式で当時の小泉総理大臣が総理大臣杯の賞状を読み上げた後に「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した! おめでとう!」とアドリブ的に絶叫したのも有名です。しかし、貴乃花はそれから1年以上まともに土俵に上げれず、挙句の果てには引退に追い込まれてしまいました。これを敢えて私は「『感動した!』の悲劇」と呼ばせてもらったわけです。

横綱になったばかりでこんなことに巻き込まれては困ると思うのは自然なことです。その一方で、稀勢の里の先代の師匠ならあんな状況でも休ませることはなかったとという見方もあります。「横綱になったからには責任感がこれまで以上に重くなる。ましてや新横綱の場所だから期待もなおさら大きい。それに応えないわけにはいかない」という本人の考えもあったといいます。
「取組中に負傷した力士には、審判部が翌日以降の出場停止を宣告することができる」というくらいの強制力が働くようなルールは今ありません。もしかしたら今回の一件がきっかけでそういうルールを作ろうという動きが出るかもしれませんが、そうすべきと簡単に結論付けることができる問題ではありません。

稀勢の里は4月からの春巡業をひとまず欠場し、5月の夏場所に向けて治療に専念することになりましたが、今はこのケガがこの先の横綱としての土俵に影を落とすようなことがないように祈るしかないですね。

では、また次回です。
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スポーツの秋ならぬ、スポーツの春と言ってもいいようなにぎやかな3月です。特にそう思わせているのはWBCに大相撲、それにセンバツ高校野球です。

カレンダー的に大相撲の終盤とセンバツの前半が被るのはここ数年続いていますが、そこにWBCが加わるわけですから大変です。冬季オリンピックの追い風に乗ってパラリンピックも盛り上がるような3月もありますが、今年の盛り上がり方は、言い方が大げさになってしまいますが、尋常ではありません。

どこを切り取っても見所だらけだから盛り上がるのは当然のことですが、何というか、琴線に触れるようなトピックにあふれているところが今年独特のものなのかもしれません。
たとえば、WBCならメジャーリーガーがチームに代表入りを止められたために不安の声がこれまで以上に聞こえていたのにふたを開ければ侍ジャパンは神懸かり的な活躍を見せているし、大相撲は稀勢の里の「横綱デビュー」でただでさえ盛り上がるのに同じ部屋の高安がいい刺激を受けたか一緒に勝ち星を積み上げていくからまた盛り上がる。それに初めての入幕を果たした宇良がどこまでできるかという期待もあります。センバツは早稲田実業の清宮選手がどれだけ打つかで注目が集まっていますが、それ以外にも大逆転やら20得点以上の大勝ちやら、これまでのセンバツではあまりみられないような展開の試合が多くなっています。

これだけすごい出来事が揃う3月、今までやっぱりなかったような。この先もしばらくなさそうな気もしますよ。

では、また次回です。
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4年に一度の世界一決定戦「ワールドベースボールクラシック」はいよいよ準決勝。侍ジャパンは2次ラウンドまで負けなしで勝ち上がりました。侍ジャパンは第1回から4回連続でベスト4進出を決めましたが、その一方で、今まで見たことないような国の代表を見るようになりました。

ラグビーほどではないにしていもWBCの国籍条項は結構ゆるく、野球のイメージのない国の代表チームが奮闘するようになっているみたいです。祖父母の代までにその国の国籍の人がいれば国の代表になればいいというレギュレーションがその肝にあるようです。特に今回多くの人に驚かれたのがイスラエルの活躍。実はメンバーのほとんどが現役メジャーリーガーかメジャーリーグ経験者という顔ぶれでしたが、この国籍条項に当てはまったアメリカ人選手を見事に集められたから台湾や韓国といったアジアの野球先進国を圧倒してしまったのです。

人種のるつぼといわれるような国で生まれ育った野球だからこそこういう驚きが生まれるのかもしれませんね。ラグビーだと「移民のスポーツ」といわれる性格上、その国のチームに一定年数以上いれば国籍を取得していなくても代表になれるという規定がありますが、WBCはそこまで規定はゆるくはありません。ただ、ルーツで感じる誇りというのもあるかもしれない。だからこそ生み出されるものもあるかもしれませんね。

一度は今回限りでの廃止が噂されていたWBCですが、2021年に5回目のWBCが実施される方向で関係各所と調整に入ることになったそうです。もっと面白いWBCを楽しみにしましょう。

では、また次回です。
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大ヒット映画「アナと雪の女王」が4日にフジテレビ系で地上波初放送されましたが、最後の最後にケチがついたとか。

作品本編は事前に予告されたとおりCMを挟みつつもノーカットで放送されましたが、エンドロールが独自の映像に差し替えられたというのでさぁ大変。映画はエンドロールまで放送してこそノーカット放送だろうと視聴者から猛烈な批判がフジテレビに寄せられたそうです。

大ヒット映画のテレビ地上波初放送となると何日も前からPRが熱烈になされるほど気合いが入るもの。その気合いが今回は空回りしてしまったのかもしれませんが、配給会社のディズニーがこういうエンドロールを積極的に公認、もしくは黙認していたとすれば、フジテレビは損な役回りをさせられたとも言えそうです。でも、映画ファンというのはドラマファンよりもコアな人が多いし、ディズニー映画だったら注目度はただならぬもの。そういう人たちを配慮する必要はあったかもしれません。

自宅にはWOWOWを見る設備がありませんが、WOWOWは恐らく、日本語吹き替えをしたとしても、内容に手を入れることなく完全ノーカットCMなしにこだわるから支持があるのかもしれません。WOWOWはNHKのそれとは意味合いが違いますが、受信料を払わないと見られないチャンネルだからこそここまでできるのでしょうが、民放各局も、WOWOWを見習うべきところあるのではないでしょうか。韓流ドラマは吹き替えすら批判の的になることがありましたから、まだハードルは高くないのではないでしょうか。

では、また次回です。
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お笑い界最高の舞台の一つになった「R-1ぐらんぷり」。普段はコンビやグループで活動している芸人も普段見せない芸風で勝負する大会で、グループで勝負する「M-1グランプリ」や「キングオブコント」とは違う雰囲気があります。デビューまでの年数制限がないこともドラマが生まれる要因なのかなとも思ってしまいます。

今年で15回目を迎えるR-1。今年は局部をお盆で隠してみせる芸で話題を集めていた42歳のアキラ100%さんが優勝。大学時代から小劇場の役者をやって、30歳を過ぎてお笑いの世界に飛び込んでいったとか。ピン芸人になってこの芸風を見出したというわけです。同じ事務所のハリウッドザコシショウさんが昨年優勝したことがアキラさんにはかなり刺激になっていて、ザコシショウさんに「次はお前だぞ」と励まされたというんです。他にも事務所の部屋にトロフィーが飾られていたのを見て意気になったという芸人もいたそうです。

ザコシショウさんはケンドーコバヤシさんとかつてコンビを組んでいましたが、解消後に今の事務所に移り、プロレスラーのようないでたちで演じる大げさな物まねでブレイクを果たしたわけです。事務所の移籍がなくてもコンビ解消後の芸風の確立に悩んで何年も苦労した末にピン芸人ナンバー1にたどりついた芸人もいます。月並みな言い方かもしれませんが、何人分もの芸人生活をした結果で栄冠にたどりついた人が多いのがR-1だから、他と違う見え方をするのかなとも思った次第です。

では、また次回です。
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