12日に女子サッカーの新リーグ「WEリーグ」が開幕。この日行われた5試合の観客動員は1試合平均で計算するとJ2の平均よりも多いということで上々のスタートとなりました。ただ、これを「ご祝儀相場」に終わらせるわけにはいきません。

WEリーグは日本初の女子プロサッカーリーグとして誕生しました。ということで、Jリーグと同じようにA契約、B契約…という具合に、これまでのなでしこリーグよりもプロとしての契約を明確にできる体制を整えました。そして、新規参入チームを中心に代表経験者の引き抜きが活発に行われました。WEリーグに参入しなかったチームの代表経験者の引き抜きにはチームの戦力ダウンへの不安の声が聞こえたこともありました。でも、WEリーグ各チームの本気が見えてくる部分もあるかもしれません。

今シーズンは11チームで争われています。なので各節1チームは休みになりますが、単なる休みではないんです。WEリーグの理念を試合以外で体現するための日として、社会貢献活動をすることを義務付けているとか。こういう形をとるのは恐らく日本初かもしれません。WEリーグがサッカーファンだけでなく広く国民に知れ渡るようにするための努力を示しているのかもしれません。

オリンピックやワールドカップで盛り上がった時だけなでしこリーグが盛り上がったという見方があったことは否定できません。こういった反省があるからWEリーグではいろいろな取り組みをしてきています。これが実って本当に女子サッカーが市民権を得られることを期待します。では、また次回です。
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8日にニッポン放送のアナウンサーとして60年代後半から90年代前半にかけて活躍した深沢弘さんが85歳で亡くなりました。訃報が伝えられた直後からニッポン放送では、局内のアーカイブスに保存されているプロ野球中継の音声から深沢さんが実況したシーンを1日1-2本程度ピックアップして放送したり追悼番組を放送したりして名物アナウンサーとの別れを惜しみました。

誤解を恐れずに言うならば、会社の発展に多大な貢献を果たしたとはいえ、いち社員の訃報に対してここまで放送に時間を割いたなんて記憶にありません。去年1月に文化放送の現職アナウンサーだった松島茂さんが亡くなったときは同僚のアナウンサーたちが担当番組で追悼コメントを送り、お悔やみの記帳についてのPRをするだけで期間は1週間程度。それだけの時間でも別れを惜しむ気持ちは伝わっていました。深沢さんの場合は追悼コーナーや特番を編成する力の入れよう。最大限の敬意を表しているのかなと思いました。もしかしたら、この先こういう送られ方をする人はいないかもしれません。

深沢さんはニッポン放送のプロ野球中継の骨組みを作り上げた人という印象があります。試合が動いたことをリスナーにわかりやすく伝えるために得点が入ったときやホームランを誰かが打った時にファンファーレを流すことを提案したと聞いたことあります。それに、この解説者の声が聞こえたらニッポン放送の中継だとわかるようにするため専属の解説者として関根潤三さんを迎え、深沢さんとのコンビで存在感をアピールさせたなんて戦略もありました。そして、「ベンチがアホだから野球をやっていられない」という言葉を遺して引退したといわれる江本孟紀さんをニッポン放送の解説者に迎えた人こそが深沢さんでした。現役時代の長嶋茂雄さんの自宅での自主練習を深夜まで手伝っていたという「伝説」の持ち主でもあるそう。

スポーツジャーナリストの生島淳さんは「テレビのプロ野球中継が地上波だけだったころ、テレビ中継終了後に深沢さんと関根さんのコンビで放送されるニッポン放送の中継で試合の続きを聞くのが楽しみだった」とラジオ番組で話していました。そういうファンはきっとたくさんいるでしょう。ラジオで楽しくプロ野球を聞けるのは深沢さんのおかげ。その気持ちを忘れずにスマホのテレビでなく出先ではラジオで野球を聞き続けたいですね。では、また次回です。

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6日にパラリンピックが終わり、東京2020大会が終わりました。選手・関係者にコロナ感染がいくらかありましたが、すべての競技をやり遂げることができたのはよかったかと思います。1年遅れになったからチャンスを逃した人も、逆にチャンスをものにした人もいました。これも東京2020だったからという現象だったかもしれません。

オリンピックはもちろん今回はパラリンピックでもテレビ・ラジオの生中継が手厚く行われました。パラリンピックはこれまでNHKが独占的な放送権を取得しスカパー!がサブライセンスを取得して(2012年ロンドン大会から2018年平昌冬季大会まで)放送していましたが、今回の東京2020大会についてはスカパー!でなく民放キー局がサブライセンスを取得したため地上波の放送時間が飛躍的に伸びました。そしてNHKはAMラジオでの生中継を初めて実施。オリンピックよりやや少ない程度の放送時間を確保しました。自国開催だからできたといえばそれまでですが、パラスポーツに今まで以上に触れられたことは確か。特にラジオの実況を聞くと健常者の競技とそん色がない迫力を感じました。

テレビで魅力を感じられた人が多くなれば、オリンピックだから注目されるのと同じようにパラリンピックだから注目されるという競技が増えてくるはずです。おそらくこれまではボッチャだのゴールボールだの言われても「なにそれ?」と聞き返し、見ても「どこがおもしろいかわからない」と思ったかもしれません。でも、毎日のように生中継を見れば少なくとも「次のパラリンピックが来たらまた見よう」という気持ちになれたかもしれません。その一方で、もっと見たいという視聴者の欲求を満たしてくれるためにCSでもいいから定期的にパラスポーツの中継をする時間を確保してほしいです。では、また次回です。
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昨年2020年は牡馬・牝馬両方の3冠馬の誕生や芝のGⅠでの国内最多勝利記録更新など快挙に沸いた中央競馬。コロナ禍で無観客開催が半年以上続いたにもかかわらず、スターホースの活躍やネット投票の急速な普及で、馬券の売り上げは前の年とほぼ同じという盛況ぶりでした。そして今年2021年は「ウマ娘プリティダービー」のおかげで盛り上がりが続いているようです。

スマホゲームやアニメで盛況の「ウマ娘」。競走馬を擬人化した美少女が競馬場でレースを繰り広げています。登場するキャラクターは主に平成に活躍した馬を擬人化しているようですが、昭和の馬たちもいくらか登場しています。マルゼンスキー、シンボリルドルフといったところで、やはりお姉さんキャラとして登場しているみたいです。年上好きというわけではありませんが、できることならもっと昭和の馬にも登場してほしいなと個人的には思っています。

実際の競馬の歴史の中ではマルゼンスキーとシンボリルドルフの間まで7年ほどあります。この7年には多くの馬が活躍しています。牝馬ながら3200mの天皇賞で逃げ切ったプリティキャスト、シンボリルドルフの前に3冠を達成したミスターシービー、母馬としても多くの名馬を残したダイナカール…。マルゼンスキー以前なら76年のクラシックをにぎわせたTKGならぬTTG(トウショウボーイ・テンポイント・グリーングラス)もいるしもちろん怪物ハイセイコーも。もっと遡れば世界挑戦のパイオニアと言えるスピードシンボリ、ハクチカラ、タケシバオー、そしてJRA発足後初の3冠馬シンザン。スピードシンボリやシンザンはヨボヨボのおばあさんキャラとして登場するかもしれませんね。それはともかく、キャラから実際どんな馬だったかを知って競馬の歴史を学ぶ温故知新で競馬の深みを味わうのもいいかもしれません。では、また次回です。
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