23日から始まった東京オリンピック。「できんのか?」「やれんのか?」と言われ続けた中での開催にはなりましたが、競技自体は粛々と行われているようです(大会関係者のコロナ感染が報じられてはいますが)。ただ、無観客開催は勝手が違うか、大会の前半が終わろうとするところで有力視されていた選手が何人も敗れるという波乱がいつも以上に起こっている印象もあります。これも「オリンピックの魔物」なんでしょうか?

さて、サッカーとラグビーでは「イギリス代表」は基本的に存在しないものとされていますが、今回の東京オリンピックではサッカーと7人制ラグビーでイギリス代表が参加しています。サッカーならイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの協会がそれぞれ1つの国と同じ扱いをされているので、FIFAやUEFAが主催する大会にはそれぞれの代表が参加できます。ラグビーではイギリスの北アイルランド地域とアイルランドがアイルランド代表を編成するという形がとられています。そういった事情があって、サッカーでは2012年のロンドンオリンピックでホスト国として「仕方なく」イギリス代表を編成するまでは久しく参加していませんでした。

その一方でラグビーでは130年以上前から「イギリス代表」を4年に一度編成することがあるとか。2021年は編成される年で南アフリカに遠征しました。その遠征前の壮行試合として日本代表を迎え撃ったのも話題になりました。「ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ」(B&Iライオンズ)というチーム名でラグビーファンの間では知られているそう。サッカーのイギリス代表もB&Iライオンズのようなものと考えれば抵抗ない気がしますが、ロンドンオリンピックで「イギリス代表」が組まれることが報じられるとイギリスの人たちの間では違和感が少なからずあったそうです。イギリス国歌としてイングランド国歌が流れるし、ユニフォームもイングランドを基本にしているような…。B&Iはイングランドともスコットランドともアイルランドともウェールズともとれない独特なもののようです。独特なものを作り出せていればサッカーの代表も違和感ないものになったかもしれません。

東京オリンピックはまだ半分あります。楽しく見ていきます。では、また次回です。
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7月21日、この日の午前中は福島で東京オリンピックの競技でソフトボールがいの一番に始まりましたが、名古屋では照ノ富士に横綱昇進を伝える伝達式が行われました。令和ではもちろん初めて、平成生まれでも初めての横綱誕生となります。

一度大関に昇進したものの、ひざのケガや糖尿病で番付は一時序二段まで転落。しかし、2年ほどで大関に戻ったばかりか横綱にまで上り詰めました。一度大関から転落した人が横綱に上り詰めたのは79年名古屋場所後の三重ノ海のケースがありますが、この時は大関昇進から3場所で転落(転落までの在位期間ワースト)ののち1場所で復帰してのもの。最初の大関転落から4年近くかけての昇進は奇跡のようなものかもしれません。伝達式の口上にもあった「不動心」のたまものかもしれません。

これに触発された人もいたようです。新型コロナウイルス感染拡大対策のガイドラインに違反した行動が発覚し、3場所出場停止のペナルティで幕下まで転落してしまった阿炎は幕下で連続優勝して名古屋場所で関取に復帰するまでに至りました。今度は朝乃山にもこの奇跡を再現してほしいという声も上がるかもしれません。阿炎同様、新型コロナウイルス感染拡大対策のガイドラインに違反した上に新聞記者と口裏合わせをして嘘の証言をしたとして1年の出場停止を言い渡されていますが、復帰が見込まれる来年の名古屋場所ではプロデビューと同じ三段目からのスタートになるとか。照ノ富士のように2年で大関の座を取り戻すことができるでしょうか? では、また次回です。
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オリンピックが始まる前に「コロナに打ち勝った証」として行われたと言われているサッカーのEURO2020。コロナ対応の仕方がまちまちのいくつかの国にまたがって行われた大会ですから、観客の入場をある程度制限した国もあれば全く制限しない国もあったらしく、観客の集まり方はまちまちでしたがマスクする人は日本で想像するよりも少なかったとか。大会はイタリアが優勝。イングランドとの決勝はPK戦までもつれる激しい展開になりました。ただ、そこで一つケチがついてしまったそうです。

実は、イングランドでPKを外した人はいわゆる人種マイノリティと呼ばれる選手ばかりだったのです。それに腹を立てたイングランドのサポーターが人種差別的なツイートをあちらこちらでしたのが大問題になり、ジョンソン首相が誰がツイートしたかを特定できたものについては名誉棄損事件として立件する可能性もあると言い出すまでの騒ぎになってしまいました。1年延期して行われた今回のEURO。待ちに待っていたはずの大会でしたが、だからこそ熱くなってしまったのかもしれません。EUROはワールドカップに負けず劣らずの熱さがあるのは想像できますが、傷つけてしまうようなことはどうなんでしょうか?

一方、南米ではコパアメリカが行われ、メッシ選手のアルゼンチンが優勝。メッシ選手はA代表として初めてのビッグタイトルとなりました。ただ、コロナ感染のクラスターが出てしまったとか。南米、特にブラジルでは感染者が続出してしまいましたがある程度落ち着いてきたようでしたが、 熱狂がまさかの方向に作用してしまったのかもしれません。さぁ、今度はオリンピックです。無観客開催になる種目が多くなるようですが、いい方向での盛り上がりに期待するしかありませんね。では、また次回です。
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力士人生を懸けた戦いを繰り広げているという横綱白鵬。4日に開幕した大相撲名古屋場所を戦っています。着々と調子を上げているように見えますが、果たして18日の千秋楽はどんな形で迎えるのでしょうか。

そんな中、白鵬の半生を描くマンガが週刊誌で連載されているのをご存知でしょうか? 5月から「アサヒ芸能」で連載されている「白鵬本紀」です。白鵬の自伝は2010年と2015年に単行本という形で発売されていますが、今回の漫画はこれらの本のコミカライズ(マンガ化)ではなく「同時進行マンガ」と銘打たれています。毎回白鵬の短い近況報告を含めたメッセージから始まり、これまで歩んできた道を本人の言葉で回想していく流れで進行しています。

モンゴルでは「魚は神様で、中でも目が開いたままのものは頭が良くて神聖」と言われているためちゃんこで煮魚を出されたら吐きそうになっていたのに、すし屋に連れていかれたら知らないうちに生魚を食べてしまった、などといったカルチャーショックや大変な稽古など、本人だから語れることが満載。四股名の命名秘話も面白かったですね。作画を担当する山崎享佑先生は千代の富士、旭鷲山の半生を描く作品など相撲マンガに定評がある先制ということで力士の描写もかなりリアルです。

スキャンダラスな話題を多く扱う週刊誌で大横綱の自伝というのは意外な取り合わせですがかなりの見ごたえです。今後の連載も楽しみにしたいところです。では、また次回です。
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4日まで大阪の長居スタジアムで行われた東京五輪代表選考会を兼ねた陸上日本選手権。男子100mは1位になった多田修平選手と3位の山縣亮太選手が要件を満たしたため代表に内定しましたが、9秒台を出して日本記録を樹立したサニブラウンハキーム選手も桐生祥秀選手も内定に至らずということで波乱含みの結末になりました。

そんな中で注目を集めたのは男子100mで2位になったデーデーブルーノ選手です。大学陸上を取材している人たちの間では「何かやってくれるかも」と注目されていた存在だったそうですが、9秒台を出した人たちと比べれば知名度はあまりありませんでした。しかし、五輪代表権を争う舞台で大物食いをやってのけて一躍時の人となりました。しかも陸上を始めたのが高校2年のころからということでも話題を集めました。デーデー選手は高校1年まではサッカーをやっていました。それも全国大会の常連だった長野県の創造学園で、です。サッカーを続けていれば、もしかしたら高校選手権なりインターハイで活躍してどこかのJクラブに入ってレギュラーになっていたかもしれません。ですが、陸上に転向してそれ以上の活躍をしてしまうとは! 高校時代までの自分にとっては想像できなかったかもしれませんね。

そういえば、他の競技と陸上を経験した人というと、プロ野球で注目された人がいましたよね。今シーズンのドラフト2位で北海道日本ハムに入団した五十幡亮汰選手は「中学時代にサニブラウンに勝った男」として注目を集めています。中学で全国大会に優勝した才能を陸上の有力校は無視するはずはなく、スカウトは来るし陸上部の顧問の先生は陸上で進学することを進めていたそうです。しかし、小学生の頃に亡くなった母親との約束を果たすために高校からは野球に専念したといいます。もう1人は「甲子園を目指さなかった男」として注目された千葉ロッテの和田康士朗選手。中学卒業で一度野球をやめて高校に入学して陸上に転向しました。しかし、友人の活躍に触発されて陸上を1年で辞めて社会人のクラブチームに入って野球を再開させたそうです。更に時代をさかのぼると、阪神の大エースとして、そして南海、広島などでは「優勝請負人」と言われる存在で活躍した江夏豊さんも一度陸上の投擲競技をやっていたといいます。中学時代の野球部の先生と考えがなかなか合わず、野球部を辞めて陸上部に転向したとか。

人間、転機は思わぬところでやってくるものかもしれません。デーデー選手がこの先どんな活躍をするのか、これから楽しみです。
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