テニスの全豪オープンで、大坂なおみ選手が女子シングルスでついに日本人初となる決勝進出を果たしました。もし優勝となれば昨年の全米オープンに続いての4大タイトル連覇という史上稀な快挙になります。

そんななか私が気になっているのはNHKの中継体制です。錦織圭選手がベスト16あたりまで勝ち上がれば総合テレビで生中継するようになり、更に深夜には日本人選手の出場の有無に関わらずダイジェストも放送するようになりました。そして今年は錦織選手と大坂選手が勝ち上がれば総合テレビでもれなく生中継するようになりました。大相撲初場所の開催期間と被るため地デジサブチャンネルを利用しての生中継となりましたが、21日の男子シングルス準々決勝(錦織ージョコビッチ)が始まる頃には問い合わせが殺到したかサブチャンネルの見方を紹介するテロップが流れるまでになりました。そして26日の女子シングルス決勝もサブチャンネルなどを駆使して生中継するとか。

2000年代の初め頃までテニスの4大大会は地上波でいくらか放送されていましたが、伊達公子さんが一度表舞台から姿を消した頃にはWOWOWの独占体制がとられるようになり、WOWOWの受信契約世帯数が飛躍的に伸びました(ウィンブルドンだけはNHKとの並立体制)。しかし錦織選手が世界ランキングトップ10の常連になったころには全仏オープンをテレビ東京が、全豪オープンをNHKが放送するようになり、全米オープンについても条件が整えばNHKが放送できるようになりました(昨年の全米女子シングルス決勝は条件が整わずWOWOWだけの放送に)。錦織選手や大坂選手の活躍が視聴者の興味を引き、テレビの放送で世の中の注目度は更に増していく。ダゾーンやアベマTVのようなネット放送のメディアも幅をきかせ始めていますが、やっぱりテレビの存在は無視できないなと感じます。

では、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
横綱稀勢の里が16日に引退を表明しました。初場所で開幕3連敗、去年9月の秋場所千秋楽から横綱として最長の8連敗という記録を残したということで最近にない衝撃的な引退劇になりました。

おととし1月の初場所優勝で横綱昇進に結びつきましたが、この時はファンやメディが盛り上がってのもの。このブログで「バズった結果だろう」と話しましたが、引退の衝撃も物凄いものになったような気がします。昨年あたりから「Xデーはいつか」と囁かれ続けてはいましたが、いざ引退となるとこうもなるのかと驚いています。

稀勢の里といえば横綱として最初の場所だったおととし3月の大阪場所でのけがの影響が今の今まで引きずったことが強調されていますが、限界まで土俵に上がり続けていたのは前の師匠だった元横綱隆の里の「けがは土俵の上で治せ」という教えを守ったからといわれています。言い方が過ぎるかもしれませんが、今回の稀勢の里の一件でこの考えはほぼ否定されたのかもしれません。先進的なトレーニング法や怪我に対する認識が高い師匠なら3月の大阪場所終了直後に即手術、リハビリへと進めるように判断して、万全の状態にできたところで復帰させたでしょう。横綱は基本的に成績不振で降格することはないという特権をここで活かせばいいわけです。その特権がなくても番付が大幅に落ちるのを覚悟してそうさせている師匠も現にいます。ただ、本人の意思というのもある。それを乗り越えて最善の選択へ導くような師匠の指導力というのも強い横綱になるために必要なのかもしれないのかなとも思えてきました。稀勢の里には今後そういう指導者になって、自分が経験した悲劇を繰り返さないような強い力士を育てて欲しいです。

では、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL
2019年に入って初めての更新になります。今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、今回は囲碁の話です。

将棋のプロ認定団体として日本将棋連盟があるように囲碁のプロ認定団体として日本棋院があります(囲碁の場合はもう1つ、関西棋院という統括団体があります)。その日本棋院が年少者を抜擢して特例的にプロ認定する制度で4月に10歳になる仲邑菫(なかむら・すみれ)さんが史上最年少のプロ棋士になることが5日に明らかになりました。将棋ではアマチュアの猛者と言われた中年男性をプロとのテストマッチを課した上でプロ認定したケースがありますが、若者のプロ認定については特例措置がないため小学生でプロ棋士になる可能性はかなり低い。そのため最年少は中学2年生の藤井聡太4段(現在7段)止まりになっているようです。

私は囲碁をやったことないので細かいところはわかりませんが、仲邑さんが認定される前に最年少だったプロ棋士は小学5年で認定され、現在は女流名人にまで上り詰めている人だそうなので、中学生にならなくても実力を着々と重ねていける要素があるから小学生でも認定できるのかなとは感じています。ただ、呑気に快挙を眺めていられない事情が囲碁の業界にはあるらしいです。囲碁は将棋と違って国際競争に常にさらされている業界で、あの井山裕太5冠も国内での主要タイトル独占してからは世界大会での優勝を目標にしています。昔から日本・中国・韓国・台湾が囲碁では世界トップレベルとされていて以前は日本が一歩リードしていましたが、最近は日本が必ずしも絶対王者になっているわけではないとみられているようなんです。そのために若い才能をいち早く発掘しなければという思いが特例制度を後押ししたといわれています。

これって卓球界に似ているような気がします。福原愛さんや平野美宇選手、張本兄妹のように幼いながらも国内屈指の実力を持つ選手を積極的に国内トップレベル、そして世界レベルへと送り出せるような体制を業界全体で築き、今や絶対王者の中国を追い落とす急先鋒にまでなりました。もしかしたら日本棋院は卓球界の取り組みを参考にしたのかもしれません。この試みが世界につながっていけるのか、結論を出すにはもう少し時間がかかるかもしれませんが見守ってみたいです。

では、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL

3件中 1~3件目を表示


1