将棋の藤井聡太7段が16日の棋聖戦5番勝負の第4局で渡辺明棋聖を通算3勝1敗で下し、17歳11か月の最年少タイトルホルダー記録を樹立しました。ボクシングでいえば最年少の世界チャンピオン誕生といえばいいでしょうか。一方で王位戦7番勝負も並行して行われていて、藤井新棋聖が短期間に2冠を獲得する可能性もあります。これはボクシングではありえないことです。WBAとWBCの同じ階級の世界タイトルマッチに1か月以内に立て続けで挑戦するようなものです(将棋にボクシングの「統一戦」のような考えがないからですが)。プロレスだとベルト獲得の翌日に防衛戦なんてことはありますが。

約1歳の記録更新というのも素晴らしいですが、新型コロナウイルスの影響で愛知在住の藤井7段が東京の将棋会館にも大阪の将棋会館にも移動できない時期があって日程がかなりタイトになった中で戦い抜いたこともまた素晴らしいです。「タイトルを獲れば対局(試合)数は増えるもの」と業界では言われているそうですが、今年の増え方、詰まり方は極めて例外的なものといえそうです。そういう中での快挙は本当にすごいことです。

棋聖戦の場合は1日決着制を敷いているためありませんが、王位戦は2日がかりで対局するため、1日目の対局終了時間になると2日目スタートの1手を何にするかを用紙に記す「封じ手」というしきたりがあります。藤井7段も王位戦で経験しましたが、必要なサインを書き忘れたのを木村一基王位に指摘されて書き足すなんてシーンがあったとか。経験を重ねるとそういうエピソードも笑い話みたいになるのかもしれません。ボクシングに例えてばかりだと将棋ファンの方は気分が良くないかもしれませんが、ボクシングではベルトを巻き続ければ強さとまた違う風格が増してくるものと言われています。きっと、藤井棋聖にも備わってくるはず。そして将来的にはタイトル統一を視野に入れることができるようになるかもしれません。

では、また次回です。
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