大相撲夏場所が24日まで行われ、関脇照ノ富士が12勝3敗で初優勝。3日後には大関昇進が決まりました。

ある力士が横綱・大関に昇進すると相撲協会の関係者が部屋に訪れ、本人と部屋の師匠にその旨を伝えます。そして、本人が「謹んでお受けします」と応じ一言口上を述べるのが慣例になっています。その口上で何を言うか、特にどんな四字熟語を使うのかが貴乃花が昇進したころから注目が集まります。ですが、照ノ富士の場合はそれを使いませんでした。その前に大関に昇進した豪栄道も「大和魂」というフレーズを使いはしたものの四字熟語は使っていなかったので不思議ではありませんが、驚いたのはある意味大関らしい一言をはっきり言い切ったことです。「上を目指して」とはっきり言い切った人はここ最近はいませんでした。でも、大関というのは横綱の一つ下の地位であることを考えたら、次を目指すことは至極当然だし、そうあるべきと思われるところでもあります。でも、それを明確に言い切る人がいなかったのはどうしてなんでしょう? 大関昇進というのを通過点でなく一つの大きな区切りと考えるような感覚が強いからなんでしょうか?

さて、照ノ富士といえば、夏場所でこんなハプニングに巻き込まれてしまいました。優勝争いを大きく左右する11日目(5月20日)の横綱白鵬戦でのこと。花道を通って土俵回りへ入場する照ノ富士に、通りがかりのファンが近寄って肩をポンとたたいたのです。集中力がきれてしまった照ノ富士は白鵬に完敗。大関昇進の可能性が消えたといわれるような状況になってしまいました。その後、白鵬が勝ち星を伸ばせず優勝ラインがどんどん下がる状況になったため、照ノ富士の大関昇進のチャンスが復活しました。ファンとしてはせっかくだから力士の生の体を触りたいという気持ちがあってやったのだろうと考えれば理解できますが、力士の集中力をそいで、場合によってはけがを誘発してしまうかもしれない行為でもあります。この様子をテレビモニターでみた北の湖理事長は「神経がいってる時に叩かれるのは嫌なもの。尾を引くぞ」と心配になっていたそうです。

「こういうハプニングに動じない強さがあってこそ大関になれる。こんなことでガタガタするな!」と、厳しいことを言う相撲通もいるかもしれません。確かに大関を務めるためには精神力が求めれられます。ただ、パフォーマンスをするための集中力をそぐようなことはあってはならないこと。そういうことに対する配慮というのも必要なんでしょうか? とにかく、照ノ富士には口上した通りの目標を果たせるように頑張ってくれることを楽しみにしましょう。

では、また次回です。
[Web全体に公開]
この記事の前後の記事(新着順)
・なぜか笑ってしまいました
2015年06月12日  [Web全体に公開]
・すごい人たちに肩を並べたんですよね?
2015年06月05日  [Web全体に公開]
【閲覧中】・・・だからそうなった?
2015年05月28日  [Web全体に公開]
・やっぱり…なのか?
2015年05月22日  [Web全体に公開]
・この一言が・・・
2015年05月15日  [Web全体に公開]

0件のコメント